【DTM】Native Instruments「MASSIVE」の使い方【モジュレーション・マクロ】

【DTM】Native Instruments「MASSIVE」の使い方【モジュレーション・マクロ】

 

Native Instrumentsのシンセ「MASSIVE」って有名だけど、どうやって使えばいいの?

このシンセって、どんなことができるの?

 
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
 

Tutorial | Everything you need to know about NI Massive

 

イングランドの音楽プロデューサーのKrux(Alexander Norden) が解説する「あなたがMASSIVEで知るべきすべてのこと」をまとめてみました。

 
画面をザっとみると、なんだかいろいろなパラメータがあって混乱してしまう人も多いと思います。
 
今回はそんな方のために、Part4として画面右下の「モジュレーション」「マクロコントロール」について解説していきます!
 


 

Part1:Massiveってどんなシンセ?画面左側の解説
 
Part2:画面右上側解説(FilterとFX)
 
Part3:画面右側中央解説(OSC・KTR OSC・KTR FLT・VOICING・ROUTING・GLOBAL)
 
Part4:画面右下解説(MACRO CONTROL)
 

※詳しく解説されていない部分は、Massive 公式ガイドに沿って所々補足しています。
 
 

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モジュレーション・マクロコントロール

 
さて、最後はモジュレーションとマクロコントロールの解説です。
 
このモジュレーションとマクロコントロールは、MASSIVEにあるほとんどすべてのパラメータに対して使えます。
 
使えるパラメータは、パラメータの近くに黒い箱があるものが対象です。
 


 

複数のモジュレーションをかけられる

 

 
1つのパラメータに対し黒い箱が複数ある場合は、複数のモジュレーションを同時にかけることができます。
 
たとえばOSC1のWt-Positionには、2 Envと5 LFOの2つを同時にかけるといった使い方できます。
 

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モジュレーションのタイプ

 
モジュレーションには、以下のタイプがあります。
 

エンベロープ(Env):4つ
 
LFO:2つ
 
パフォーマンス(PERF):2つ
 
マクロコントロール:8つ

LFOからPerformer・Stepperに変えるには?

 
ちなみにデフォルトではLFOが2つ、Performerが2つとなっていますが、それぞれのページの右上にあるグレーの名前をクリックすると「Stepper」「LFO」「Performer」を選ぶことができます。
 


 

デフォルトで入っている青い数字「4」の意味

 
デフォルトでは、MASSIVE画面右上のAMPとBYPASSに青い数字で「4」という数字が書かれています。
 
これは、「4 EnvがAMPとBYPASSに適用されている」ということになります。
 
つまりこの場合は、4 Envに変更を加えることで、AMPとBYPASSにも変更が適用されます。
 

モジュレーションの使い方

 

 
もし「OSC1のピッチには1 Envを使いたい」と言う時は、1 Envの右にある青い十字マークを、OSC1のPitch欄にドラッグ&ドロップしましょう。
 
あとは、青い数字の欄を上下にドラッグすることで、どれぐらい深くEnvを適用するかを決められます。
 


 
ツマミに適用した場合は、青い数字を上下することで、ツマミに青いゲージが現れ、どれぐらいEnvを深く適用するかを見ることができます。
 

モジュレーションを削除・ミュートしたいときは

 

 
モジュレーションの適用を削除したい・一旦ミュートにしたい場合は、青い文字を右クリック→MuteかOFFを選びます。
 

複数のパラメータに一気に同じモジュレーションをかけたい

 

たとえばOSC1のピッチとOSC2のWt-Positionに1Envを適用したいという場合は、Shiftキーを押しながら、1Envの青い十字マークをドラッグしましょう。
 
こうすると、1箇所にモジュレーションを適用した後も青い文字は消えず、他のところにも続けてモジュレーションを適用することができます。
 

SC=サイドチェイン

 

 
黒い箱のうち「SC」は「サイドチェイン」の欄ですので、「-」の箱とは違う役割をします。
 
SCを使いたいときは、まず「SC」と書いてある文字をクリックし、文字をグレーから白にします。
 
これでSCがONになります。
 
次は、SCのベースとなるモジュレーションを黒い箱の中に適用します。

 


 
たとえばMACRO CONTROLのMACRO1と5LFOをFilter 1(Lowpass 4)のCutoffにかけたとしましょう。
 
次は、5LFOの下にある「-」の文字をクリックし、三角形を出します。
 
1回クリックすると上向きの三角形、2回クリックすると下向きの三角形が出ます。
 

 
上向き三角形+MACRO1を右に振ると、サイドチェインが深く適用されます。
 
この状態でMACRO1を左に振ると、サイドチェインは全くかかりません。
 
逆に、下向き三角形+MACRO1を右に振るとサイドチェインは全くかからず、MACRO1を左に振ると、サイドチェインが深くかかります。
 

サイドチェインに関しては、こちらの動画がわかりやすいです↓
 
Massive “SC” Sidechain Modulation | How It Works & How To Use It 

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エンベロープ(Env)

 

 
エンベロープに沿ってパラメータの値を自動的に変化させる項目です。
 
Delay・Attack・Decay・S Loop・Releaseなどのパラメータを使って、音を鳴らすタイミング・鳴らした瞬間の音の動き・鳴らしている間の動き・鳴らした後の動きを細かく設定できます。
 

S Loop

 

 
「S Loop」は特におもしろいパラメータで、音が伸びている間(鍵盤を押している間)の動きを細かく設定できます。
 
デフォルトはOFFになっていますので、使いたい時は「OFF」という文字を上にドラッグすると、数字が出てきてONになります。
 
ここの数字は、Sustainエリアに入る前に何回ループをするか?の回数を表しています。
 
 

例えば2にすると、Sustainエリアに入る前に、自分で設定した動きが2回繰り返されます。
 

 
一番上の「inf(インフィニティ)」にすると、この場合、Sustainではなくこのウネウネの音がずっと鳴り続けます。
 

Morph

 


 
Morphing(モーフィング・「変形」と言う意味)は、このS Loopをさらにおもしろく変化させるためのパラメータです。
 
Morphは2種類のカーブを選ぶことができ、プルダウンメニュー(下向き三角形)から好きなカーブを選べます。
 
(数字はカーブの番号)
 
あとは、「このカーブのうちどちら寄りにするか?」を、左のMorphのツマミで決めます。
 
 
それぞれのMorphのカーブはグレーの線で描かれ、実際に鳴る音の波形は白線で描かれます。
 
左に振ると上の段のMorphに完全に沿った波形に、真ん中に振ると2つのMorphの間の波形に、右に振ると下の段のMorphに完全に沿った波形になります。
 
Morphの右側の「Level」は、S Loop部分の音量を決めます。
 

VelocityとKTRの調整

 
一番左にあるVelとKTRは、ベロシティーの範囲とKTR(キートラッキング)のかかり具合を決めます。
 
Velを一番下にすると大きい音でしか鳴らなくなり、一番上にするとMIDIで打ち込んだベロシティ通りに音量の大小が適用されます。
 

モジュレーション・Envelope(32:41-38:03)
 

Tutorial | Everything you need to know about NI Massive

 

LFO

 
LFOは「Low Frequency Oscillator」の略で、ゆっくりと音を変化させることができるモジュレーションです。
 
MASSIVEでは「5 LFO」「6 LFO」の2つのLFOが使えます。
 

RATE:どれぐらいの速度にするかを決める項目です。

Syncにすると「1/4の速度で」「1/16の速度で」など、BPMに合わせて速度を決められます。

ここの「BPM」は、GLOBALタブの「Preset BPM」で設定したBPMに従います。

Restartにすると、音を鳴らすたびに毎回スタートの位置を元に戻します。

 

Amp:LFOで揺らす大きさを決めます。

Curve Select:2つのカーブを選び、LFOの波形を設定できます。

XFade Curveでは、2つのカーブのうちどちら寄りにするかを決められます。

フェーダーを真ん中にすると、両方をちょうど合わせたようなLFOの波形になります。

ちなみに波形が描かれたグラフを左右にドラッグすると、波形の始まる位置を変えられます。

 

Internal Envelope:OSCタブ(Oscillator Phases)で解説した「Internal Envelope」と同じはたらきをします。

LFOのかかり方を、Envelopeで調節できるようになります。

 

38:02~41:02
 

Tutorial | Everything you need to know about NI Massive

 

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Performer

 

 
Performerも、LFOと非常に似ている機能です。
 
Rateで速さを変えながら、上段・下段の波形に沿った動きをするようになります。
 
 
白線の波形は、クリックすることで形を変えられます。
 
また、画面の一番下にある小さな細長い箱をクリックすることで、「何番目のときは、上段をOFFにする」といった設定ができるようになります。
 
上段・下段の混ざり具合は、LFOのときと同様「XFade Seq」のフェーダーで調節できます。
 

41:02-41:42
 

Tutorial | Everything you need to know about NI Massive

 


 
「Load Curve」をクリックすると、画面左からさまざまなカーブが選べるようになります。
 
画面左から好きなカーブをクリック→画面右で適用したい場所をクリックすると、そのカーブを挿入できます。
 

Stepper

 

 
StepperもPerformerと似ており、こちらは横線に合わせて動くモジュレーションです。
 
「Glide Mod」のフェーダーを一番上にすると、次のステップに映った時、よりなめらかに移動するようになります。
 

41:42~42:54
 

Tutorial | Everything you need to know about NI Massive

 

MACRO CONTROL(マクロ)

 

 
最後は画面一番右下にある黄色い欄、マクロの解説です。
 
マクロは前述のLFOやPerformerと少し違い、それぞれのマクロの値に合わせて好きなパラメータの値を変えられます。
 
マクロを適用するには、それぞれのツマミの右上にある十字マーク(最初はグレーになっています)を、適用したいパラメータの黒い箱にドラッグ&ドロップするだけです。
 
 
たとえばマクロ1をOSC1のピッチに適用した場合、マクロ1の値を変えることによって、ピッチも変化します。
 
マクロ1をOSC1のピッチとOSC2のWt-Positionに適用した場合は、マクロ1の値を変えることで、両方の値を同時に変えることができます。
 


 
マクロのツマミの下の空欄をクリックすると、マクロに対して自由に名前をつけられるように鳴ります。
 

KTR(キートラッキング):押している鍵盤の位置、鳴らしている音程によって、適用したパラメータのかかり具合を変える

Vel(ベロシティー):ベロシティーによって、適用したパラメータのかかり具合を変える

TrR(トリガーランダム):MIDIを鳴らし終わるごとに、ランダムで値が変わる

AT(アフタータッチ):MIDIキーボードにAfter Touchの機能が付いている場合、After Touchによって値を変える

 

43:53~
 

Tutorial | Everything you need to know about NI Massive

 


 
 

以上でMASSIVEの使い方についての解説は完了です!
 
ここまでの解説を読んだあなたなら、MASSIVEだけでなく、他のシンセも十分に使いこなせるようになるはずです。
 
今後のシンセライフを楽しむきっかけになっていれば幸いです!
 
 
ちなみにMASSIVEは「Komplete」シリーズに収録されています。
 
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