シンセサイザー

【DTM】u-he社のシンセ「ACE」の使い方 コンプリートガイド#7 Multiplex(マルチプレックス)

ACE Tutorial #00 - Basic Module Anatomy

今回は「ACEの使い方コンプリードガイド」のうちMultiplex(マルチプレックス)に関する部分をまとめました。

ACEのMultiplex(マルチプレックス)とは?

多くのアナログモジュラーシンセは、モジュールごとに使えるInputとOutputの数が限定されており、1度に複数のパラメーターをモジュレートさせることができないことが多いです。

例えば、1つのフィルターに対して2つ以上のInputを設定することができません。

この問題を解決するために開発されたのがMultiplex(マルチプレックス)です。

ACEのMultiplex(マルチプレックス)のパラメーター

https://www.zikinf.com/manuels/u-he-ace-manuel-utilisateur-en-76999.pdf

Input1 & 2:入力(ソース)をつなげます。
Input1 & 2の左隣のツマミ:Input1と2を合体した後の音量を調整します。

Input3 & 4:入力信号(ソース)をつなげます。
Input3 & 4の右隣のツマミ:Input1と2を合体した後の音量を調整します。

Output:出力(Input 1~4を合体した音を出力)をつなげます。

Multiplexの活用例

ここでは、Multiplexの使用例を3つご紹介します。

Multiplexの使用例1:Inputの音量バランスを調整する

ACEのMultiplexには4つのInputがあります。

左のツマミはInput 1と2のレベルをまとめて調整するパラメーターで、右のツマミはInput 3と4のレベルをまとめて調整します。

上記画像では、左のツマミは50%、右のツマミは100%(MAX)にしていますので、Input 1&2の音量は、Input 3&4よりも小さく設定していることになります。

このように、それぞれのInputの量を調整できるのがMultiplexのメリットの1つです。

Multiplexの使用例2:リングモジュレーション(RM)とアンプリチュードモジュレーション(AM)を設定する

例えば上記画像では、Input1につないでいる信号が、mod Inputにつないでいる信号によってリングモジュレーションされています。

このとき、Input2にもケーブルをつないでいると、Input1と2の信号が両方ともリングモジュレーションされます。

mod Inputにケーブルがつながれている時は、左のツマミがInput1と2を混ぜたDry状態の音とリングモジュレーションされた音の割合を調整します。

例えば上記画像の状態で左のツマミをMAXにすると、Outputの音(黄色いケーブル)はリングモジュレーションされた音のみになります(Input3と4にはケーブルが何もつながれていませんので、特に影響はありません)。

この機能を応用すると、例えばLFOをInput1につなぎ、Velocity(Ace画面一番下+左側)をmod Inputにつなげると「Velocityが強ければ強いほど、LFOの効果が大きく出る」という操作ができます。

アンプリチュードモジュレーション(AM)の場合も同様で、モジュレーションしていない状態とした後の音の割合を、左右のツマミで調整します。

RMとAMを同時に扱うことも可能です。

例えば上記画像の場合、Input1にはRMがかかっている音がつながっており、Input3にはAMがかかっている音がつながっている状態です。

ここで、例えばmod Input(緑のケーブル)がエンベロープにつながっていると、エンベロープの値によって、Input1と3の音の割合をスムーズに動かすことができます。

Multiplexの使用例3:信号を反転させる

信号を反転させたい場合は、「+5V」にケーブルをつなぎます。



人気記事

1

今回は、ジャンル・シチュエーション別に2025年のブラックフライデーで買っておきたいプラグインと機材をまとめました。多くのメーカーや通販サイトで大規模なセールが開催されていますので、お持ちでない製品があればぜひこの機会にGETしてください!

2

今回は「絶対に買って損しない、おすすめDTM音源・プラグイン」をまとめました。特に多くの音楽プロデューサーに愛用され、世界中でベストセラーになり、買っても絶対に損しないと思えるプラグインはかなり絞られます。ここでは初心者からプロまで使えて「これさえ買っておけば問題なし」と断言できる「世界で愛用されているおすすめDTM音源・プラグイン」をご紹介します。

3

今回は、DTMでおすすめのオーケストラ系楽器がすべて使える音源をまとめました。1つ購入するだけで弦楽器・金管楽器・木管楽器・打楽器すべてが揃うだけでなく、世界中のプロが愛用する高品質の製品ばかりですので、まだお持ちでない方はぜひチェックしてみてください。

4

今回は、MIX師やMIX初心者の方が持っておくと便利なおすすめのプラグインを3つご紹介します。プリセットを選ぶだけでプロレベルのサウンドにできる、まさに「5秒でMIXが終わるプラグイン」をご紹介します。

5

クリスマスソングをかんたんに作る方法はない? このような疑問にお答えする内容です。 数々のDTM動画を投稿している音楽プロデューサーEDWANの「クリスマスソングを5分で作る方法」で使われているテクニックをまとめました。 楽器編成、リズムの視点からクリスマスソングを作る方法を解説します。

6

今回は、ユニークな音がすぐ作れるおすすめのマルチエフェクトプラグインを5つご紹介します。 いずれも1つのプラグインでさまざまなエフェクトが使えますので、1つ持っておくだけでもサウンドデザインの幅が広がります。 「何でもいいから何か変化を加えたい」というときにも効果的ですので、ぜひチェックしてみてください。

7

今回は、DTMでおすすめの民族楽器系音源・プラグインをまとめました。通常のポップスやオーケストラではあまり使われない楽器や、非常にニッチな国・地域特有の楽器が使える製品もまとめています。インド・中国・北欧・ケルト系・アラブ・ガムラン系など幅広くご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

8

今回は、DTMで使えるおすすめのボコーダープラグインを7つご紹介します。いずれもロボットのような声にできるのはもちろん、ハーモニー作成もできる万能プラグインで、アレンジでもミックスでも使えます。サウンドの質感やプリセット、操作方法がそれぞれ異なりますので、いくつか持っておくと理想のボーカルに仕上げやすくなります。

9

クリスマスソングの作り方を教えて欲しい!クリスマスっぽさって、どうやったら出せるの?このような疑問にお答えする内容です。MAGIX MAGAZINEのDaniel Wilsonが解説する「クリスマスソングの作り方」をまとめました。今回ご紹介する3ステップに沿えばかんたんにクリスマスソングを作れるようになります!

10

今回はIK Multimedia社「ReSing」の魅力と使い方をまとめました。ReSingは最新のAI技術を使い、さまざまなボーカリストや楽器の音を生成するプラグインです。女性の声を男性の声に変換したり、鼻歌をギターの音に変換することができます。音楽制作をしている方やボーカリストの方に非常におすすめのプラグインです!

-シンセサイザー