【DTM】全てのシンセを使いこなすための「シンセの使い方講座 -応用編-」

【DTM】全てのシンセを使いこなすための「シンセの使い方講座 -応用編-」
Massive、Serum、Avenger、Synthmaster、Omnisphere…

音楽業界では、実にたくさんのシンセが使われています。

しかし、「自分はこのシンセを使いこなせている!」と自信を持って言える製品はなかなか少ないのではないでしょうか?

そこで今回は、Underdog Electronic Music Schoolが解説する「シンセの学び方」をまとめてみました。

この記事では「応用編」として、前回までの基礎編・実践編で学んだ知識を使って、実際の曲で使えるかっこいいサウンドを作る方法を一からご紹介していきます。

基礎編はこちら
実践編はこちら
応用編(当記事)

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今回作るシンセサウンド

この記事では、以下4つの音をシンセで1から作る工程をご紹介していきます。

・温かく伸びるベース
・レゾナンスを活かした303系アシッドベース
・プラック系リード
・広がりのあるドローンサウンド

「温かく伸びるベース」を作ってみよう

シンセサイザーでベースを作る方法

「ベース」ですので、まずは音程を低くする必要があります。

オシレーター(VCO)のオクターブを変えて、低い音を出しましょう。

How to learn any synthesizer

次に「温かい」サウンドを作るため、フィルターのCutoffを調整します。

How to learn any synthesizer

鍵盤を押している間はずっと音が一定に伸びるようにするため、アンプ(VCA)のサステインはMAXまで上げます。

シンセサイザーでベースを作る方法

フィルターのエンベロープも、少しアタック感が出るように調整します。

シンセサイザーでベースを作る方法

How to learn any synthesizer

これで完成です!

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レゾナンスを活かした「303系アシッドベース」を作ってみよう

アシッドベースの作り方

それでは設定をリセットして、次はアシッドベースを作ります。

鍵盤で中ぐらいの音程を弾き、フィルターでCutoffをしつつ、プラック系のサウンドにするためにディケイだけ少し上げます。

そして、レゾナンスを上げてみましょう。

How to learn any synthesizer

これで完成です!

「プラック系リード」を作ってみよう

シンセサイザーの使い方
次はプラック系のサウンドです。

鍵盤の高めの音程で鳴らしながら、フィルターで少しCutoffとレゾナンスをかけて、アンプのエンベロープのリリースを少し残し、最後にディレイとリバーブをかけます。

フィルター・アンプ・エフェクトの3箇所を少し変えるだけで、このようなサウンドが作れます。

How to learn any synthesizer

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「広がりのあるドローンサウンド」を作ってみよう

シンセサイザーの使い方

最後は広がりのあるドローンサウンドです。

アンプのエンベロープのアタックを遅くし、フィルターのエンベロープのアタックも遅くしてゆっくり盛り上がっていくようにします。

また、エフェクトではリバーブとディレイを大きくかけ、フィルターとアンプの両方のリリースも伸ばして、より広がりを出してみましょう。

最後に、うねるような動きを出すためにフィルターに対してLFOをゆっくりかけます。

音程を低くすると、怪しげな雰囲気も出せます。

How to learn any synthesizer

いろいろなシンセを使ってみよう

今回はかんたんなシンセレシピをご紹介しましたが、他にもシンセにはたくさんの機能と可能性があります。

シンセによっては以下のような機能もありますので、ぜひいろいろなシンセを使って、自分オリジナルのサウンドを作ってみてください。


・複数のオシレーター
複数のオシレーターを使う場合、Detuneなどを使うとSupersaw、Hoover、Reeseと呼ばれるようなサウンドが作れます。

・ポリフォニックシンセ
今回はモノフォニックシンセを使ったため単音しか出せませんが、ポリフォニックシンセを使うと複数音を同時に鳴らすことができるので、コードやハーモニー系のサウンドが作れます。

・複雑なルーティング
ケーブルを使うような複雑なルーティングを実現できるシンセもあります↓

u-he社 “BAZILLE”

u-he社 “BAZILLE”

Arturia社 ”Pigments”

Arturia社Pigments

Ableton Live付属 Wavetable SynthのMatrix機能

Ableton Live付属 Wavetable SynthのMatrix機能

・ウェーブテーブルシンセ

今回は矩形波とノコギリ波を使った例をご紹介しましたが、シンセによっては他にもたくさんのウェーブテーブルを選ぶことができ、はじめから人間の声のような音を出せるものもあります。

ウェーブテーブルシンセとは

・FMシンセ

・フィジカルモデリングシンセ

・有名なシンセのソフト版

Roland TB-303

Roland TB-303

KORG M1

KORG M1

・ハードシンセ
実際に手で触ってツマミやフェーダーを動かすのも、手の感覚と音の変化が同時に楽しめて非常におもしろいです。

※安価なものから高価なものまで、ポケットに入るサイズのものから大きいものまでさまざまあります

KORG ( コルグ ) / monotron DELAY アナログシンセ

KORG ( コルグ ) / monotron DELAY アナログシンセ

IK MULTIMEDIA ( アイケーマルチメディア ) / UNO Synth アナログシンセ シーケンサー

IK MULTIMEDIA ( アイケーマルチメディア ) / UNO Synth アナログシンセ シーケンサー

KORG ( コルグ ) / MS-20 mini セミモジュラーシンセ

KORG ( コルグ ) / MS-20 mini セミモジュラーシンセ

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おまけのテクニック「セルフ・オシレーティング・フィルター」

最後に、よりステップアップしたサウンドデザインのテクニック「セルフ・オシレーティング・フィルター」を解説します。

フィルターのレゾナンスをものすごく高く上げたままオシレーターを下げると、どんな音になると思いますか?

言い換えると「レゾナンス自体をまるでオシレーターのように鳴らす」ということになりますが、実際はどんな音がするのでしょうか。

まずはSOURCE MIXERのフェーダーは全て下げます。

セルフ・オシレーティング・フィルター

そして、エンベロープの影響を受けないように、フィルターのエンベロープはゼロ(中央)に設定し、Cutoffは少しかけてみます。

そして最後にレゾナンスをMAXまで上げ、この状態でCutoffのツマミを動かしてみます。

(Cutoffしていないままレゾナンスの量を上げすぎると、場合によっては耳が痛い音になることがありますので、ご注意ください)

セルフ・オシレーティング・フィルター

How to learn any synthesizer

Cutoffのツマミの位置によって、音程が変わりました。

ここで、ここまで触れてこなかった「Keyboard(KYBD)」のツマミを使ってみましょう。

これは、押す鍵盤の位置によってCutoffの値を上げたり下げたりできるというものです。

セルフ・オシレーティング・フィルター

試しに+の方向にツマミを動かして、弾いてみましょう。

How to learn any synthesizer

なんと、オシレーターの音量がゼロになっているはずなのに、オシレーターと同じように音を鳴らすことができました。

この状態でグライドを入れると、さらにおもしろくなります。

How to learn any synthesizer

リバーブやディレイもたくさんかけてみると、さらに魅力的な音になります。

How to learn any synthesizer

シンセの使い方講座まとめ

以上で全てのシンセを使いこなすための「シンセの使い方講座」はすべて終了です!

このように、シンセにはさまざまな使い方があり、工夫次第で思いがけないサウンドも作ることができます。

シンセは買ったけどイマイチ使い方がわからないままだった方、プリセットを選ぶだけであまりパラメーターをいじっていなかった方は、この機会にサウンドデザインに興味を持っていただけたら幸いです。

こちらに当サイトでご紹介している著名なシンセの使い方を掲載しますので、もしお持ちのシンセがあればぜひご覧ください↓

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