メロディー・構成

ヒット曲の作り方 アレンジ・構成編【2つのポイント】

Martin Garrix & Bebe Rexha - In The Name Of Love | Theory & Arrangement Breakdown

今回は、Pyramindが解説する「Martin Garrix & Bebe Rexha "In The Name Of Love"で使われているアレンジ術・音楽理論」をまとめました。

今回はそのうち、アレンジ・構成に関するテクニックをご紹介します。

In The Name Of Love 徹底解剖シリーズ

原曲はコチラ

まずは、原曲をチェックしてみましょう。

かっこいいフューチャーベースサウンドが特徴で、Emキー(Eエオリアンキー)です。

Martin Garrix & Bebe Rexha - In The Name Of Love (Official Video)

この曲から学べる「アレンジ・構成づくりの2つのコツ」

  • 平行調を使って雰囲気を変える
  • メロディーの上がり下がり

それでは、1つずつ解説していきます。

ヒット曲の作り方1.平行調を使って雰囲気を変える

この曲のアレンジの特徴1つ目は、「平行調を使って雰囲気を変える」です。

この楽曲の構成

この曲は、典型的な洋楽ポップスの構成が使われています。

Intro - Verse - Chorus - Chorus (Inst)
- Verse - Chorus - Chorus (Inst) - Bridge - Chorus
- Chorus (Inst) - Chorus (Inst)

日本語だと、このようになります。

イントロ - Aメロ - サビ - サビ(ボーカルなし)
- Aメロ - サビ - サビ(ボーカルなし) - Cメロ - サビ
- サビ(ボーカルなし)- サビ(ボーカルなし)

この曲の「Chorus(サビ)」はどこ?

ここで、疑問に思った方もいるでしょう…

この曲のChorus(サビ)はどこ?

ポイントとなるのが、0:43~の部分です。

Martin Garrix & Bebe Rexha - In The Name Of Love (Official Video)

0:53~の部分は、一番盛り上がります。

ですが、0:43~の部分もなんだかサビらしく、0:53~はボーカルがなく、「間奏」らしく聞こえます。

僕は、この0:43~の部分を「Chorus(サビ)」として考えます。

大きな理由は、ここで曲名の「In The Name Of Love」が歌詞で歌われているからです。

そのため、この部分は「Chorus」としてみなして解説していきます。
(ダンスミュージックでは、ボーカルはないが最も盛り上がる間奏のような部分を"Drop"と呼ぶことがあります)

Bridge(Cメロ)で使われているテクニック

さて、次はBridge(Cメロ)部分を見てみましょう。

Bridgeは、これまでのVerse(Aメロ)やChorusとは違った雰囲気にしたいところです。

ここでBebe RexhaとMartin Garrixが使っているのは、「平行調を使う」というテクニック。

平行調を使って雰囲気を変える

平行調とは、シャープやフラットの数が全く同じ2つの調を指します。

たとえばCメジャーキーなら、平行調はAマイナーキーです。

https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTi2MSvXmQN10OuoN55kfWeSRakvWI2GXsGBA&s

https://www.piano-keyboard-guide.com/a-minor-scale.html

どちらもシャープ・フラットともに、1個もつかないスケールです。

この曲はEマイナーキーですから、平行調はGメジャーキー(#1つ)になります。

ここでメロディーを見てみると、B・D・Gの3つが使われていることがわかります。

これは平行調であるGメジャーキーの1thのコードの構成音です。

このように平行調に一時的に移調することで、曲の雰囲気をちょっとだけ変えることができるのです。

ヒット曲の作り方2.メロディーにも変化を加える

https://www.youtube.com/watch?v=yDjI8iphbhU

ここでも、前回の解説した「期待の裏切り」があります。

「B→B→D→D→G→G」というメロディーの後は、「B→B→D→D→B (高)→B(高)」というメロディーになっています。

最初の「B→B→D→D」まではどちらも一緒ですが、最後の2音は、2回目の方がより高くなっています。

また「B→B→D→D→G→G」になると思いきや、もっと高いところまで行ってしまいます。

そしてさらに高い音域まで階段状に上がった後は、徐々に下に降りていくようなメロディーになっています。

Aメロで使われた「上がり下がり」のテクニックは、ここでも使われています。


アレンジ編はここで終わりです。

次は「スパイス編」に続きます!


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