音楽理論

五度圏(サークルオブフィフス)の使い方5選 -ダイアトニックコード編-

5 Ways to Use the Circle of Fifths | Music Theory

今回は、Pyramindのインストラクター・Ryan Reyが解説する「五度圏(サークルオブフィフス)を活用する5つの方法」をまとめました。

この記事では、その活用法の2つ目「ダイアトニックコードを確認する」をご紹介します。

「五度圏」と聞くと、なんだか難しそうな音楽理論の話に聞こえるかもしれません。

しかし、そもそも五度圏を知らないという方にも理解できるように、できるだけ噛み砕いて説明していますのでご安心ください。

ダイアトニックトライアドを確認する

https://online.berklee.edu/takenote/circle-of-fifths-the-key-to-unlocking-harmonic-understanding/

この五度圏は、ダイアトニックトライアドを確認するのに使えます。

言い換えると、そのスケールでよく使われるコードを把握するのにとても役立ちます。

トライアドとは?

ルート音・3度・5度の3つの音で構成された和音を指します。

たとえばC・E・G(ドミソ)や「E・G#・B(ミ・ソ#・シ)」などです。

ダイアトニックトライアドとは?

ダイアトニックトライアドとは、スケール上にある音のうち、ルート音・3度・5度の3つの音で構成された和音のことをいいます。

Cメジャーキーでの例

https://en.wikipedia.org/wiki/C_major

Cメジャーキーは、#もbもついていません。

つまりこのキーでは、ピアノの鍵盤でいうと白鍵のみを使い、黒鍵は使いません。

ということは、Cメジャーキーのトライアドは、どの音をルートにしたときもすべて白鍵の音で成り立つ、ということになります。

実際に確認してみましょう。

Cメジャーキーのトライアドはこのようになります。


引用:http://www.cyberflotsam.com/images/Music_Triad1-1.gif

ピアノで弾く場合は、「ド・ミ・ソ」の手の形をそのまま右にずらしていくだけです。

メジャーコードとマイナーコードもわかる

実は五度圏の表を見るだけで、そのダイアトニックコードがメジャーコードになるのか、マイナーコードになるのかもわかります。

メジャーキー(外側の円)の場合、その音と左右にある音がルートになるときにメジャーコードになります。

https://randscullard.com/CircleOfFifths

こちらの図が非常にわかりやすいです。

対象のスケールの1つ左から数え始めて、メジャー3つ→マイナー3つ→ディミニッシュという順番で並んでいます。

これを理解すれば、もうコードの種類で迷うことはないでしょう。

Cメジャーキーでの例

Cはもちろんメジャーコードになりますが、Cの左右にあるFとGのときもメジャーコードになります。

C(1th):ド・ミ・ソ

F(4th):ファ・ラ・ド

G(5th):ソ・シ・レ

それ以外のときは、マイナーコードかディミニッシュコードになります。

Gメジャーキーでの例

では、Gメジャーキーの場合を見てみましょう。

Gメジャーキーでは、#が1つ、Fにつきます。

コードにおいては、Gはもちろん、Gの左右にあるCとDがルートのときにメジャーコードになります。

G(1th):ソ・シ・レ

C(4th):ド・ミ・ソ

D(5th):レ・ファ#・ラ

ついでに平行調のコードも確認する

前回の「スケール編」で、平行調の解説をしました。

ざっくり言うと、平行調とは同じb・#数のメジャーキーとマイナーキーのことです。

たとえば、Cメジャーキーの平行調はAマイナーコードです。

https://www.guitarland.com/Music10/MusFund/Maj-Min/MajMin.html

どちらも、bと#が0個のスケールです。

つまり、さきほどのこの五度圏表を見れば、平行調のダイアトニックコードも確認できます。

たとえばCメジャーキーのときにマイナーコードになっているなら、Aマイナーキーのときもマイナーコードになることがわかります。

マイナーキーは円の内側に書かれていますが、この場合はその音と、左右となりの音がルート音のコードのときにマイナーになります。

並び方はメジャーキーと同じですが、ルート音(先ほどの画像における矢印)の位置が異なります。

ついでにスケール音も確認する

各スケールは全部で7音ありますが、どの音をどのスケールで確認するかもチェックできます。

さきほどの例だと、メジャー・マイナー・ディミニッシュ、いずれかに属している音はそのスケールに入っている音です。

五度圏におけるダイアトニックコードの確認方法まとめ

今回もボリュームたっぷりお届けしましたが、内容をまとめるとこのようになります。

メジャーキー(外側の円)の場合、その音と左右となりの音がルート音になるとき、メジャーコードになる

マイナーキー(内側の円)の場合、その音と左右となりの音がルート音になるとき、マイナーコードになる

(いずれの場合も、平行調も同じダイアトニックコードになる)

次回、活用法3つ目は「近親調」に関する内容です🔻


人気記事

1

今回は、Waves社のリミッタープラグイン「L4 Ultramaximizer」の新機能と基本的な使い方をまとめました。最新作「L4 Ultramaximizer」は、これまでLシリーズを使ってきた方にもそうでない方にも非常におすすめできるプラグインですので、ぜひチェックしてみてください。

シンセのLFOとは? 2

今回は、Underdog Electronic Music Schoolが解説する「シンセの学び方」をまとめました。この記事では「基礎編」として、シンセを使いこなすために最低限必要な知識をやさしく解説していきます。

3

DTMをしていると、DAWのプロジェクトファイルや作曲に関わる資料が大量に作られてしまい、ファイル探しに難航したり、データを紛失したり、容量がすぐいっぱいになってしまいます。そこでこの記事では、このような「膨大な量のファイルを適切に整理する方法」と「ファイルを守るためのバックアップ術」について解説します。

4

今回は、DTMでおすすめのオーケストラ系楽器がすべて使える音源をまとめました。1つ購入するだけで弦楽器・金管楽器・木管楽器・打楽器すべてが揃うだけでなく、世界中のプロが愛用する高品質の製品ばかりですので、まだお持ちでない方はぜひチェックしてみてください。

5

今回は、これからDTMをはじめたいという方向けに「Amazonで買えるDTM初心者セット」を3つご紹介します。「これからDTMをはじめたいけど、何を買ったらいいかわからない」「とりあえずこれさえ買っておけばOKみたいなセットはない?」このような方のための記事ですので、ぜひ参考にしてください。

6

今回は、Spliceが解説する「自宅の音響を整える方法」をまとめました。スピーカーを使ってDTMをしている音楽のプロが必ず行っているのが、部屋の音響を整えることですが、質がいい吸音材ほど値段が高く、数万〜数十万円する製品も少なくありません。そこでこの記事では、できるだけ安価に音響を整える方法を3つご紹介していきます。

7

今回は「FLUX:: Pure Analyzer Systemの使い方」をまとめました。このプラグインは、世界中の音楽プロデューサー・DTMerに愛用されているアナライザープラグインです。とてもキレイな見た目をしていますが、いったいどのようなプラグインで、どのように活用すればいいのでしょうか?

8

この記事では、AmazonのKindle Unlimitedで読めるおすすめのDTM・作曲関連本をご紹介します。Kindle Unlimitedは、月額1000円程度で対象本がすべて読み放題になるサービスです。月に1冊読めば元が取れるので、2冊以上読むと非常にお得です。ぜひこの機会に登録してみてください!

9

今回は、Cableguys社が解説する「ドラムにパンチを加えるプロのテクニック」をまとめました。ほんの少しの工夫でドラムがかっこよくなるテクニックですので、ぜひお試しください。

10

ボーカルの録音に使うリフレクションフィルターって必要? 何のために使う?今回はこのようなお悩みにお答えする内容です。リフレクションフィルターはどのような効果があるのか?をまとめました。よくアーティストのレコーディング風景で見られるリフレクションフィルターは、マイクの後ろにつけるアイテムですが、この効果をご紹介します。

-音楽理論
-,