
音楽レーベルに曲のデモを送りたいけど、どうやって送ればいいの?
気をつけることはある?
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
世界的に有名な音楽レーベル「Armada Music」のRuben Meijerが解説する「デモの送り方」をまとめました。
「デモを送ったことはあるけど、結局返事がなかったな…」という人は、もしかしたら「そもそもデモを受け取られていない」かもしれません。
なぜ「受け取られないことがあるのか?」「なにをしてはいけないのか?」についても、この記事で解説しています。
また「英語は得意じゃないけど、海外のレーベルに送りたい!」という方向けの内容もありますので、ぜひ参考にしてください。
A&Rに見出されるデモはほんの一部
本当にたくさんの音楽家・ミュージシャンが、音楽レーベルにデモを送っています。
でもそのほとんどは、A&R(デモを聞く担当者)の耳に入らないまま終わってしまっています。
それもそのはず、A&Rは常に忙しく、デモテープを聞いている時間はほんの少ししかありません。
毎日何百という数のデモが送られている中で、A&Rはその中からダイヤの原石を見つける必要があります。
そのため、聞くデモを厳選しなければいけません。
だから、厳選されて弾かれたものは「A&Rの耳にすら届かない」のです。
これを念頭に置いた上で、以下のポイントを押さえてデモを送ってください。
デモ曲の送り方1.デモには名前を書こう
デモを送るときは、必ず名前(署名)を書きましょう。
本当にたくさんの人たちが、これをできずに自らのチャンスを失っています…
たとえばデモのwavファイルを添付し、「お返事よろしくお願いします」とだけ書くような人は、すぐ弾かれてしまいます。
名前はきちんと添えましょう。
デモ曲の送り方2.デモ音源をメールに直接添付しない
デモを送るときは、音源ファイルを直接メールに添付しないようにしましょう。
ダウンロードはあくまでも「オプション」としての役割。
A&Rは膨大な数のデモを受け取りますから、いちいち全部ダウンロードしていたらパソコンが音源データでいっぱいになってしまいます。
ダウンロードしなければ聞けない=A&Rがストレスを感じることですので、気をつけましょう。
デモ曲の送り方3.未完成の作品を提出しない
デモを送るときは、完成した作品だけ提出しましょう。
よく考えてみてください…
未完成のもの・まだ微調整が必要なものから、あなたの本当の実力や才能をA&Rが見極めることができるでしょうか?
未完成のものを聞くための時間をA&Rに割かせるのはやめましょう。
ちなみにマッシュアップやブート盤は、どんなにいいものでも法律上レーベルがリリースすることはできませんので、ご注意ください。
デモ曲の送り方4. 大切な項目は適切に書こう
デモを送るとき、大切な項目を書かなさすぎたり、書きすぎたりしないようにしましょう。
たとえば冒頭で少しご紹介した「お返事お待ちしています」の1文だけを添えるのはよくありません。
これだと速攻でメールを閉じられるか、無視されるかのいずれかです。
「いいデモを送る」ということを考えれば文章が第一というわけではないかもしれません。
しかしきちんとメールの本文を書くことで、あなたに対する印象の違いは出てきます。
英語ができなくても大丈夫
僕らは、すべての人が英語のネイティブスピーカーでないこと・堪能ではないことを理解しています。
そのため、英語ができないということは問題ではないので、ご安心ください。
もし「自分は英語ができない」と感じるのであれば、英語ができる誰かに相談したり、翻訳ツールを使ったり、自分で頑張って英語を勉強するのがいいでしょう。
最低限の意味がわかるように書ければ、なんでもいいのです。
デモ曲の送り方5.デモはSound Cloudでプライベート公開する
デモはSound CloudやYouTubeでプライベート公開設定にし、ダウンロード可能状態にしておきましょう。
Sound Cloudにアップしておけば、A&Rはワンクリックであなたの曲を聴けますし、必要であればダウンロードすることも可能です。
6.自己紹介と曲紹介は簡潔にまとめよう
デモを送るとき、自己紹介と曲紹介は簡潔に書きましょう。
以下6つの内容に触れているのが理想です。
- 自己紹介
- これまでのキャリア
- デモ曲の紹介
- 過去の成功や今後の展望
- あなたの音楽スタイル
- なぜあなたのデモ曲(もしくはあなたの音楽スタイル、ジャンルなど)がそのレーベルに合っていると思うのか
これらを含んだ内容を5文で書けたら文句なしです。
デモ曲の送り方7.やさしく、一緒に仕事をしやすい人間であれ
当たり前ですが、A&Rも人間です。
失礼なメールであるほど相手の気分を害するように、紳士的なメールは相手の気分をよくすることができます。
傲慢で怒りっぽい人には見られたくないでしょう。
A&Rは毎日のようにアーティストと関わっていますから、一緒に仕事をしづらい人からは、契約のチャンスがどんどん失われていきます。
うまくいかなくても、”NO”から学べ
すべてのデモがレーベルとの契約を勝ち取るわけではありません。
悲しいですが、これが現実です。
しかし、だからといってデモを送ることはストレスでしかない、というわけではありません。
どんな”NO”にも、あなたが学べるチャンスがあります。
なんの返事がなくても、デモは送り続けましょう。
そして毎回「何か工夫できることはなかったか?」と考えましょう。
デモをよりよく見せるためにできることを考えるのです。
あの曲のサビは、リスナーに対してサビにふさわしい力強さがあっただろうか?
同じジャンルの曲の中でも目立てている曲だっただろうか?
A&Rからのフィードバックのように、自分なりに曲を分析してみましょう。
これを繰り返せば、もっといい音楽家になれるはずです。
以上で解説は終了です。
当サイトでは他にもArmada Music直伝の「デモの送り方のコツ」をまとめていますので、ぜひこちらも参考にして下さい。
Armada Music直伝 デモの送り方シリーズ