作曲全般

坂本龍一の作曲方法 Part3「メロディー作りのコツ」

Make Chords Like - Alfa Mist - Knxwledge - Ryuichi Sakamoto - Robert Glasper

今回は、Jaron Lopezが解説する「Alfa Mist、Knxwledge、坂本龍一氏、Robert Glasperのようなコードを作る方法」をまとめました。

この記事ではPart3として「メロディー作りのコツ」を解説します。

この4組のアーティストはとてもエモーショナルなコード・ハーモニーが特徴的ですが、いったいどのようにすれば彼らのようなコードを作ることができるでしょうか?

ポイントをしっかり押さえれば今日から誰でも実践できる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください!

縦軸「ハーモニー」と横軸「メロディー」

前回は、コードのボイシングを変えて「コードの中にメロディーのようなフレーズを作る方法」をご紹介しました。

今回はこの「コードの中にメロディー要素を作る」上で大切な2つの軸について、さらに深掘りして解説していきます。

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

縦軸:ハーモニー
音を縦に重ねていくことで作られるサウンド

横軸:メロディー
音が時間と共に動いていくことで作られるサウンド

ここからは、横軸の「メロディー」について詳しく解説していきます。

「Upper Neighbor」「Lower Neighbor」とは?

今回のテーマである「坂本龍一氏のような曲を作る方法」において、重要になるのは「Upper Neighbor」と「Lower Neighbor」です。

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

例えば、上の画像のようにFナチュラルマイナースケールの楽曲で、ivの音であるBbを2連続鳴らすと、Bbの音が一つの基準点のように聞こえます。

Bb(iv)の音を基準にし、その1つ上のC(v)、Bbの一つ下のAb(iii)、さらに一つ下のG(ii)を弾くと、下の画像のようになります。

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

Bbを基準にすると、どの音もかなり近い音程です。

このように「基準の音から近い音」を使ってメロディーを制作するのは作曲ではよく使われる手法で、「Upper Neighbor」「Lower Neighbor」と呼ばれます。
※「Neighbor」は「近所」の意味

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

先ほどのメロディーの例で言うと、基準の音(Bb)に対してCはUpper Neighbor、AbはLower Neighborになります。

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

目的の音に向かうまでの「装飾音」

このUpper NeighborとLower Neighborの音は、「目的の音に向かうまでの装飾音」と考えられます。

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

例えば先ほどの例で言うと、Upper NeighborのCやLower NeighborのAbは、「BbからGに向かうまでの装飾音」と考えることができます。

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

上の画像のように、単純にBbからGに向かうのではなく、途中にUpper NeighborやLower Neighborを入れることで、メロディーがスムーズに聞かせたり、華やかに聞かせることができます。

メロディーの作曲テクニック「Over the Barline」

もう一つのメロディーの作曲テクニックが、「Over the Barline」です。

これは文字通り「小節線を超えて」メロディーをスムーズに聞かせるという手法です。

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

先ほどのUpper NeighborとLower Neighborで使ったフレーズをもう一度見てみましょう。

コード進行は左側がBbm11、右側がFm11になっています。

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ
坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

実際に弾いてみると、このようなサウンドになります。

10:21~10:26

Make Chords Like - Alfa Mist - Knxwledge - Ryuichi Sakamoto - Robert Glasper

途中でコードが変わっていますが、2小節を通してメロディーがとてもスムーズにつながっていることがわかります。

単調な曲に聞かせないためのテクニック

「コードが変わると同時にメロディーも終わる」というメロディーにしてしまうと、リスナーがフレーズの区切りのポイントを予測しやすいので、予測できすぎる=単調な曲に聞こえてしまいやすいです。

しかし、コードが変わっても(小節線を超えても)メロディーが続いていると、メロディーがどこで終わるのかわからないので、楽曲がとてもおもしろくなります。

コードが変わってもメロディーをスムーズにつなげるコツ

ここで出てくるのが、「コードが変わってもメロディーをスムーズにつなげるためにはどうしたらいいのか?」という問題です。

先ほどのように、コードがBbm11からFm11に変わってもメロディーをスムーズにつなげるためにはどうしたらよいのでしょうか?

このポイントは、「2つのコードの構成音をしっかり見ること」にあります。

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

例えばこれまで使ってきた「Bbm11 - Fm11」というコード進行の場合、それぞれのコードの構成音は以下のようになります。

Bbm11:Bb,Db,F,Ab,C,Eb
Fm11:F,Ab,C,Eb,G,Bb

次に、メロディーを見てみましょう。

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

コードがBbm11のときは(画面左・赤色)、Bbm11コードの構成音のうち1,7,9の音(Bb,C,Ab)の音を使っています。

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

そしてコードがFm11のときは(画面右・赤色)、Fm11コードの構成音のうち11,9の音(Bb,G)の音を使っています。

同じ音でもコードが変われば役割が変わる

Bbの音は共通していますが、Bbm11にとっては「1の音」、Fm11にとっては「11の音」で変わっています。

坂本龍一の作曲方法
https://www.youtube.com/watch?v=HNiz7QQdMbQ

つまり、同じ音でもコードが変われば役割(サウンド)が変わるのです。

このように、コードの構成音とメロディーの流れをよく意識すると、リスナーを飽きさせない、おもしろい楽曲を作ることができるようになります。


次回は最終回として、メロディーを作る上で大切な「繰り返し(Repetition)」と「自分のオリジナリティを出す方法」について詳しく解説していきます↓


人気記事

1

今回は、キラキラ系エフェクトプラグイン「Bismuth」の魅力と使い方について解説します。Bismuth(蒼鉛)という名前の通り、金属や宝石を思い起こさせるようなサウンドを作ることができるプラグインです。特にダンスミュージックで使えるサウンドが手軽に使えます!

2

世界的にヒットしている曲の構成はどうなってる?ヒット曲の公式はある?今回はこのような疑問にお答えします。「曲を作るときはこれを使え!」と言うほど、多くの世界的ヒット曲に使われている楽曲構成をご紹介します。主に洋楽に使われている構成ですので、特に「世界中で自分の曲を聞いてもらいたい」という方はぜひ実践してみてください。

3

今回は、ヒップホップ・トラップを作る人におすすめのスピーカーを5つご紹介します。世界で活躍する超人気音楽プロデューサー&ラッパーが実際に使用している機材のみをご紹介していますので、どれを買っても間違いではありません。スピーカー購入を検討している方は、ぜひご予算や設置スペースに合わせてチェックしてみてください。

4

今回は、Waves社のリミッタープラグイン「L4 Ultramaximizer」の新機能と基本的な使い方をまとめました。最新作「L4 Ultramaximizer」は、これまでLシリーズを使ってきた方にもそうでない方にも非常におすすめできるプラグインですので、ぜひチェックしてみてください。

5

今回は、コード進行を学びたいときやバリエーションを増やしたいときに使えるおすすめのコード作成プラグインを3つご紹介します。「いつも同じコード進行ばかり使ってしまい、新しいコードのアイデアが思い浮かばない」という方、必見です!

6

今回は、世界中のプロに愛用されているoeksound社「soothe3」の使い方をまとめました。とても使いやすく、初心者でもプロ並みのミックスができるようになるこのプラグインについて、その魅力や使い方を解説していきます。

7

今回は、音響関連の商品を開発しているGIK Acousticsが解説する「ステレオスピーカーの置き方」をまとめました。特にDTMなどの音楽制作では、正しく音を聞くためにスピーカーの置く位置が非常に重要になります。この記事では、ステレオモニタースピーカーとサブウーファーの正しい置き方を図を用いて解説します。

8

ミキシングをするときは、スピーカーorヘッドホン(イヤホン)、どっちでやればいいの?今回はこの疑問にお答えします!海外プロが教える「DTMでMIXするときはスピーカーとヘッドホン(イヤホン)のどちらを使った方がいいのか?を解説!今回はスピーカーを使うことによるメリットをじっくりご説明します。

9

今回は、IK Multimedia社「ReSing Japanese Pack」の使い方と実際のサウンドをご紹介します。ReSingはAIによって音をさまざまな声や楽器に変換できるツールですが、ついに日本語対応ボイスモデルを収録した「ReSing Japanese Pack」がリリースされました。今回はこちらをレビューしていきます。

10

今回は、Chambersが解説する「音楽プロデューサーは音楽大学に行くべきか?」をまとめました。ChambersはビルボードチャートでNo.1も獲得したプロの音楽プロデューサーですが、音楽大学や専門学校には行っていません。現在はプロとして活躍している彼が作曲家(ボカロP)になるなら音楽学校に行くべきかどうかを解説します。

-作曲全般