音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ソウルとは?どんな音楽?【1970年代~現代編】

今回は英語版wikipediaの「ソウルミュージック」をまとめました。

この記事ではPart3(最終回)として、1970年代から現代のソウルと「ネオソウル」について解説していきます。

「ソウル」と聞いて、なんとなくのイメージはあっても、具体的に「これがソウルの特徴だ」と言葉で言える人はなかなかいないのではないでしょうか?

この記事を読んで歴史や特徴を知ることで音楽制作にも活きていきますので、この機会にぜひ理解を深めてください!

1970年代から現在までのソウル

Motown Records所属のMarvin GayeやMichael Jackson、Stevie WonderやSmokey Robinsonは、現在ではどちらかというとポップスとして考えられているものの、ソウルの発展に大きく貢献しました。

Marvin Gaye Greatest Hits Playlist - Marvin Gaye Best Songs Of All Time
Michael Jackson - 1972 - 01 - Ain't No Sunshine
Stevie Wonder Brazil 1970
What Love Has Joined Together

1970年代前半になるまでには、ソウルはサイケデリックロックや他のジャンルに影響を受けるようになります。

The 30 Greatest Psychedelic Rock Songs (1966-1968)

James Brownなどのアーティストは、ソウルをファンクへと導き、Parliament-FunkadelicやThe Metersが誕生していきます。

Parliament Funkadelic - Bring The Funk
The Meters - It Ain't No Use

他にも、The CommodoresやEarth, Wind and Fireなどが有名になりました。

Earth, Wind & Fireの「September」は日本でも有名な楽曲です。

Earth, Wind & Fire - September (Official HD Video)
Commodores - Nightshift (Official Music Video)

1970年代の間、Hall & OatesやTower of Powerなどの「Blue-Eyed Soul(白人アーティストによるソウル)」がメインストリームでヒットを遂げ、「新世代」「City Soul」のアーティストとして活躍しました。

Daryl Hall & John Oates - I Can't Go For That (No Can Do) (Official Video)
Tower Of Power - What Is Hip? (Chicago 1977)

ソウルの音楽番組

アメリカでは、1971年にDon Corneliusをホストとするテレビ番組「Soul Train」が誕生します。

この番組では、過去数十年間の間にリリースされたさまざまなソウルの楽曲を紹介していました。

この番組は2006年まで続き、1980年代にヒップホップがソウルを追い抜いて以降もなお続いていました。

Soul Train Line Dance to Jungle Boogie (1973)
The O'Jays - Stairway To Heaven (Official Soul Train Video)

「クワイエット・ストーム」スタイル

ディスコやファンクのアーティストたちが1970年代後期や1980年初期にヒットを記録する一方、ソウルは「クワイエット・ストーム(Quiet Storm)」のスタイルに向いていきます。

クワイエット・ストームとは現代R&Bの一種で、なめらかでロマンティック、ジャルの影響を受けたスタイルのことです。

QUIET STORM GREATEST 80S 90S R&B SLOW JAMS Peabo Bryson, Teddy Pendergrass, Rose Royce and more

ゆったりとしたテンポややわらかなメロディーを用いたクワイエット・ストーム・ソウルは、フュージョンやアダルトコンテンポラリー(ヘビーなバラード)から影響を受けています。

アダルトコンテンポラリーの一例

Rick Astley - Never Gonna Give You Up (Official Video) (4K Remaster)
Whitney Houston - I Will Always Love You (Official 4K Video)
Toto - Africa (Official HD Video)

ジャズフュージョンの一例

Jazz/Fusion Mix 2012-03-19

EW&FやThe Commodores、Con Funk Shunなどのファンクバンドのアルバムにも、クワイエット・ストームの楽曲がいくつか入っています。

この時代に成功したアーティスト

この時代に成功したアーティストとしては、Smokey Robinson、Jeffry Osbourne、Peabo Bryson、Chaka Kahn、Larry Grahamが挙げられます。

Smokey Robinson - Being With You
Jeffrey Osborne - Stay With Me Tonight
Peabo Bryson - Can You Stop the Rain
Chaka Khan - I Feel for You (Official Music Video) [HD Remaster]
Larry Graham Right Hand Technique

ディスコ・ファンク後のソウル

ディスコやファンクが1980年代前半に低迷した後、ソウルはエレクトロミュージックに影響を受け始め、生音感がなく、より艶やかなサウンドになっていきます。

これが結果的に「コンテンポラリーR&B(現代的R&B)」となり、元々の「リズムアンドブルース」のスタイルとはかなり違ったサウンドになります。

ネオソウルとは?

ソウルにもさまざまな「ソウル」がありますが、この一つに「ネオソウル」というサブジャンルがあります。

1994年ごろにアメリカで誕生したネオソウルは、1970年代のソウルのボーカル・アレンジを、ヒップホップのビートや詩的な間奏部分のあるコンテンポラリーR&Bとブレンドさせたスタイルです。

Greatest Neo Soul Songs of All Time - Neo Soul 2018 Mix

ネオソウルで最も特徴的な要素は、深みのある(もしくはミュートした)ファンキーベースやドラム(リムショットやスネア)との間に、Fender RhodesやWurlitzerのエレクトリックピアノのパッドサウンド(Pads)をメロウでグルーヴィーに取り入れている部分です。

Rhodeのピアノサウンドは、サウンド全体を温かみのある、オーガニックなキャラクターにする効果がありました。

Fender Rhodes

1973 Fender Rhodes Suitcase vs. 1975 Rhodes Stage (Keyboard Review Series)

Wurlitzer

Wurlitzer: Famous Songs!

以上でソウルミュージックに関する解説は終了です。

当サイトでは他にも音楽ジャンルに関する解説記事をまとめていますので、音楽ジャンルについて知識を深めたい方はぜひこちらもご覧ください↓


人気記事

1

今回は、DTMでおすすめの民族楽器系音源・プラグインをまとめました。通常のポップスやオーケストラではあまり使われない楽器や、非常にニッチな国・地域特有の楽器が使える製品もまとめています。インド・中国・北欧・ケルト系・アラブ・ガムラン系など幅広くご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

ディザリングとは? 2

今回はDTMにおける「ディザリング」についてまとめました。ディザリングは、DTMでは特にマスタリングをするときに重要な工程です。この記事では、ディザリングとは何なのか、そしてマスタリングをするときに気をつけるべきことについてご紹介していきます。

3

今回は、DTMプラグインの中で最も有名な製品の1つであるSpectrasonics社「Omnisphere 3」の新機能と使い方をまとめました。2025年10月に発表された今作ですが、前作の「Omnisphere 2」と何が変わったのか、新機能とその使い方を解説していきます。

4

今回は「カリッとしたボーカルにするためのMIXテクニック」をまとめました。全部で9個あり、組み合わせて使うことで非常に魅力的な音にすることもできます。初心者の方から上級者の方までお試しいただける内容ですので、ぜひご覧ください。

5

今回は、Chris Selimが解説する「マスタリング前に行うミックスの準備方法」をまとめました。マスタリングは楽曲を配信・リリースするための最終段階で、ミックスの後に行われる作業です。 ご自身でミックスとマスタリングを両方行う方も、マスタリングだけ他の人に頼む方も、ミックスの段階でやっておくべきことがわかりますのでぜひ参考にしてください。

6

今回はWaves社のリミッター「Lシリーズ」の違いをまとめました。Waves社はDTMerなら誰もが知っているメーカーですが、同社の人気リミッターのうち、頭に「L」がついた「L1」「L2」「L3」「L4」のリミッターはそれぞれどのような特徴があり、どのように使い分ければよいのでしょうか?

7

今回は「VUメーターの使い方とゲインステージングのやり方」をまとめました。 ミキシングやマスタリングでは「VUメーター」を使うことがありますが、そもそもVUメーターとは何か、なぜVUメーターを使うことが大切なのか、VUメーターの効果的な使い方について解説していきます。

8

今回は「音楽・オーディオにおける真空管(Vacuum Tubes)とは何か?」をまとめました。音楽やオーディオ関連の機材について調べていると「これは真空管だから音がいい」など、「真空管=何だかいいモノ」のような会話を耳にすることもあるでしょう。そこで今回は真空管(チューブ)とは何か、なぜ真空管らしい温かみのある音が出るのかを解説します。

9

今回は、How To Write Songsが解説する「ヒット曲を作るソングライターがやっている7つの習慣」をまとめました。テイラー・スウィフト、エド・シーラン、レディーガガ、ジョン・メイヤー、スティング、ビートルズが実践する習慣もありますので、音楽のプロを目指す方はぜひ参考にしてください。

10

今回は、Waves社のリミッタープラグイン「L4 Ultramaximizer」の新機能と基本的な使い方をまとめました。最新作「L4 Ultramaximizer」は、これまでLシリーズを使ってきた方にもそうでない方にも非常におすすめできるプラグインですので、ぜひチェックしてみてください。

-音楽ジャンル解説
-