用語解説

【作曲】DTMで使える「クラーベ」のリズム解説 【応用編】

「クラーベ」「クラベス」って何?
なんでクラーベのリズムはそんなに大事なの?

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

12toneが解説する「世界で最も人気のリズム」をまとめました。

今回はPart3として、このうち「クラーベを使った応用パターン」について解説されている部分をご紹介します。

動画のタイトル通り、クラーベのリズムは、今やいろいろな音楽に使われているリズムです。

これを知っておくとDTM・作曲に非常に役立ちますので、ぜひ最後までご覧ください。

さまざまなクラーベの共通点「3:2」と「2:3」

さて、Part2まででクラーベのパターンを3つご紹介しましたが、共通点があるのにお気づきでしょうか?

実はどのパターンも、1小節目には音が3つ、2小節目には音が2つ入っています。


画像:動画より

では、この1小節目と2小節目を入れ替えたら、どうなるでしょうか?

4:31~

The World's Most Popular Rhythm

実は、このパターンは「2:3クラーベ」と呼ばれます。

したがって、Part2まででご紹介したのは「3:2クラーベ」になります。

先ほども話したように、クラーベは「メトロノーム」ですから、曲中で2:3から3:2に変えたりすると、混乱の原因になります。

ちなみに、ルンバ・クラーベの2:3バージョンはこちら。

4:56~

The World's Most Popular Rhythm

ボサノヴァ・クラーベの2:3バージョンはこちら。

5:01~

The World's Most Popular Rhythm

トレシーロ(Tresillo)

Part1~2からここまでは、2小節構成のパターンを紹介しました。

しかし、2小節目をなくし、1小節目をループさせるというパターンも使えます。

5:13~

The World's Most Popular Rhythm


画像:動画より

実はこれは、「トレシーロ」と呼ばれるリズム。

スペイン語で「3連(Triplet)」を表す言葉です。

単純に1小節の中で音が3つ使われているので、このような名前になりました。

対して英語では、「Triplets」は「3連符」を意味します。

こちらは「1拍を均等に3分割したリズム」を表しますので、ちょっとややこしいかもしれません。

ちなみにトレシーロは、世界的ヒット曲でもよく使われているパターンです。

Tresillo - The Rhythm of 2010s Pop Music

6/8拍子バージョンのクラーベ

Part2でご紹介したソン・クラーベのリズムのうち、毎拍2個目の16分音符をなくしてみると、6/8拍子と同じ構造になります。


画像:動画より


画像:動画より

ルンバ・クラーベで同じことをやると…


画像:動画より

6:12~

The World's Most Popular Rhythm

ボサノヴァ・クラーベでこれをやっているのは、あまり聞かないでしょう。

16分音符の配置の兼ね合いで、うまく機能しないのが理由です。

クラーベの解説まとめ

今回はクラーベのリズムに特化して解説しましたが、すごく奥深く、おもしろいリズムであることがお分かりいただけだかと思います。

今では世界中で使われるリズムとなったのも、納得がいきます。

Part1~3で紹介したリズムは、作曲の引き出しとして使えますので、ぜひご自身の楽曲で試してみてください。

クラーベ解説シリーズ

当サイトでは他にもリズムについて解説していますので、ぜひこちらもご覧ください↓


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