音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ケークウォークとは?どんな音楽?

今回は英語版Wikipediaの「ケークウォーク」についての解説をまとめました。

この記事を読むと、「えっ、こんな音楽ジャンルあったんだ!」と驚くこと間違いなしです!

ケークウォーク(Cakewalk)とは?


10 second clip of five African-American dancers performing a cakewalk, 1903. wikipedia

ケークウォークは、19世紀中頃の「Prize Walks」から発展したダンスのことです。
「chalkline-walk」「walk-around」という呼び方もあります

この「Prize Walks」というのは、当時アメリカ南部で奴隷解放が行われる前後に、黒人の農園で行われていたイベントです。
(奴隷解放宣言は1985年で、南部では綿花栽培が大きな産業だった)

奴隷の主人(白人)が賞品(Prize)としてケーキを用意し、最も上手くパフォーマンスできた人に与えたことから「ケークウォーク」と呼ばれるようになりました。


画像:wikipediaより、ケークウォークのポスター

最初は黒人の人々の間で行われていたケークウォークですが、のちに「黒人と白人」という人種間を超えて人気となるダンスに発展。

さらに、上流階級の人たちの間で人気の「社交ダンス」になっていきます。

ケークウォークは何から影響を受けている?

ケークウォークは「リングシャウト(Ring Shout)」の影響を受けています。

リングシャウトは18世紀〜20世紀まで受け継がれていた「儀式」で、円(Ring)を作りながら足踏みをしたり、手を叩いたりするのが特徴です。

Plantation Dance Ring Shout

ケークウォークの音楽的な特徴

Cake Walk in Old Madrid by Emmet Balfmoor 1900
An Authentic Cake Walk

多くのケークウォークの楽曲は2拍子(2/2)で「ウンパ(oompah)」のリズムで構成されています。

楽器は主に、バンジョーやピアノを使いますが、小編成のバンドを使うこともありますす。

 
画像:wikipediaより

ポリリズムやシンコペーション、ハムボーンのリズムをマーチのリズムに取り入れているのが大きな特徴です。

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ハムボーンは手で体を叩いて音を鳴らすパフォーマンスで、サブサハランアフリカの伝統音楽の踊りです。

ハムボーンのリズムは他にも、アフロビートなどのジャンルで見ることができます。

Hambone

ケークウォークの著名な作曲家

様々な作曲家によって楽曲が作られ、有名な作曲家としてはRobert Russell Bennett、John Philip Sousa、Claude Debussy(ドビュッシー)、Louis Moreau Gottschalkが挙げられます。

Autobiography - Robert Russell Bennett
John Philip Sousa. The Stars and Stripes Forever
Debussy's "Golliwogg's Cakewalk", performed by Richard Tilling
Bamboula - Louis Moreau Gottschalk

現代における「ケークウォーク」という言葉

アメリカ英語における「ケークウォーク」という言葉が使われ始めたのは、1863年のはじめごろ。

「Cakewalk」という名前のフェスティバルがあり、ここでは円をただ歩くだけで賞品がもらえたことから「かんたん」「楽な」という意味で使われていました。

ちなみに「賞を獲る」「抜きん出ている」という意味の「takes the cake」は、これが由来です。
「楽勝」を表す「Piece of cake」もおそらくそうでしょう


以上がケークウォークに関する解説でした。

こちらのブログでは、他のジャンルについても作曲の役に立つように徹底解説しています。

合わせてご覧いただくと作曲の引き出しが増えますので、ぜひご覧ください↓


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