Oeksound 「Soothe2」の驚くべき使い方【DTMミックス上達プラグイン】
- 2023.09.30
- 2024.09.24
- ミキシングのコツ ソフト・プラグイン・機材
今回は、Riffs,Beards&Gearが解説する「Oeksound Soothe2の秘密」をまとめました。
発売以降、「このプラグインのおかげでミックスの効率がものすごく上がった」「もうこのプラグインなしではミックスできない」というプロが世界中で続出したこのプラグイン。
今回は、このプラグインを驚くべき方法で使いこなす方法をご紹介します!
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Soothe2はどんなプラグイン?
一言で言うと「ダイナミックレゾナンスサプレッサー(Dynamic Resonance Surpressor」で、出過ぎた音域の音を適切に抑えることができます。
例えば、残響が多い部屋でドラムをレコーディングすると、シンバル類の音(特にオーバーヘッドマイクで録れた音)がキンキンして耳が痛いサウンドになっていることがあります。
これは、残響が多い部屋だといろいろな楽器の音が反響し、混ざり、ある特定の音域だけ強くなってしまうという現象が起こるからです。
そんなときにこのSoothe2を使うと、耳が痛い原因となる音をちょうどよく抑え、聞き心地の良いサウンドに直すことができます。
soothe2はどのサウンドにも使えるので超便利
前バージョン「Soothe」では中音域〜中高音域にフォーカスしたプラグインだったのですが、「Soothe2」では全ての音域をカバーできるため、音がこもる原因となる低域や中低域などにも使えます。
つまり、Soothe2はどの楽器にも使うことができます。
実際に、プリセットには「バイオリンの高音域を抑える」「ストリングスをまろやかにする設定」「うるさいシェイカーを抑える」「ボーカルの耳が痛くなる音域を減らす」「音程の目立つメロディックなベース」「マスタリング」など、さまざまな楽器・用途のためのプリセットがあります。
しかし便利だからと言って使い過ぎると大変なことになりますので、ここからは使用する上での注意点と、Soothe2の効果的な使い方をご紹介します。
Soothe2の機能を実感しよう
ではまず、とてもタイトで広がりがあり、厚く、疾走感があるこちらの曲を聞いてみましょう。
この時点でとても綺麗に聞こえますが、どのようにSoothe2を使っているのか、各パートを一つずつ解説していきます。
まずはオーバーヘッドマイク(ドラムセットから距離を置き、部屋の上の方で鳴る音を拾うためのマイク)の音です。
ソロにして聞いてみましょう。
まずSoothe2の画面の見方ですが、右側にフリークエンシースペクトラムがあり、ここでどの音域をどれぐらい音を抑えているかを確認できます。
EQの画面と似ていますね。
しかし、EQはBand(色のついた丸点)を上に動かせば動かすほどその音域の音量が上がるのに対し、Soothe2では逆にその音域が減ります。
試しに、上の画像で言うオレンジのbandを(2khz付近)を動かしてみますので、この音域の音がbandの位置に対してどう変わっているかを聞いてみてください。
上にbandを動かすほどその音域が減り、画面中央下の青い部分(水のような動きをするグラフ)も大きく下に動いたのがお分かりいただけたでしょうか?
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画面左のコントロール画面を見てみよう
次は、画面左のさまざまなパラメーターを見てみましょう。
「depth」
「depth」は、どれぐらい強く処理を行うかを決めるパラメーターです。
このdepthを上げれば上げるほど、より強く音が抑えられるのがわかります。
いくらシンバルのキツい音を抑えられるとは言え、ツマミを右に全振りすると、非常に違和感のあるサウンドになります。
使い過ぎには要注意です。
個人的には、もちろん時と場合によりますが、-15から4〜5あたりに設定して使うことが多いです。
「sharpness」
sharpnessのパラメーターでは、「それぞれのbandがどれぐらいの幅でその周波数帯域を抑えるか」を決めます。
sharpnessをMAX10.0に設定すると、グラフの形がトゲのように狭くシャープになり、逆にMIN0.0にすると非常に丸みのある、ゆるやかな形になります。
「selectivity」
「selectivity」のパラメーターでは「どれだけ限定的に周波数帯域を抑えるか」を設定できます。
値を小さくすれば、画面上に置いたbandに対して広い範囲でざっくりと抑えることになりますし、大きくすれば行き過ぎた周波数帯域をピンポイントで狙って抑えることができます。
Soothe2を使ってベースを調整してみよう
次は、この曲のベーストラックをsoothe2で調整してみます。
今回は中音域〜中高音域を中心に処理するように設定し、7khz以上の高音域と1khz以下の中低域〜低音域はそもそも処理しないように設定しています。
再生中にdepthをいろいろといじってみましたが、「実際はどの音をカットしたのだろう?」と気になりますね。
ここで使えるのが、画面左下にある「delta」ボタンです。
deltaをONにして再生すると、「カットした後の音(クリーンな音)」ではなく、「カットした音そのもの」を聞くことができます。
depthをMAXにした状態でdeltaをONにすると、よりはっきりと「どのような音をカットしたのか(グラフ上の濃い青部分)」がわかります。
「soft」「hard」
画面左上には「soft」と「hard」のモードがあります。
softの方がより自然に、hardの方が非常に強くエフェクトがかかります。
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Soothe2を使ってリズムギターを調整してみよう
次はリズムギターにSoothe2を使った場合の例です。
ギターにはディストーションやオーバードライブなどのエフェクトをかけることが多く、それゆえに音が変になってしまうことがあります。
音程のある楽器をピンポイントで削る問題点
ギターのように音程のある楽器だと、問題のある帯域を探すときは、EQなどでこのようにQ幅を狭め、問題のある帯域をピンポイントで探し当て、あとはそこを削るだけ…というやり方をする方も多いと思いますし、僕もそうすることがあります。
例えば「音がキンキンしてうるさいから、このあたりの高音域を削ろう」「この音域のせいで音がこもって聞こえるから、ここの部分だけ削ろう」のような時に行います。
しかし、このやり方には1つ問題があります。
それは、ピンポイントで削った帯域に、ピンポイントである一定の音程が強く影響してしまうことがあることです。
例えば上記の画像のようにQ幅を狭めてガッツリ削ったとき、「ギターでGの音を鳴らすとこの削った帯域とGの音域が被ってしまい、Gの音だけが変に聞こえてしまう」ということがあります。
「Gの音が鳴った時だけGの音を削ってほしい」のではなく、「音がキツいときだけ、キツいと感じる音だけを削ってほしい」のですから、これはあまり望ましくない結果です。
しかし、Soothe2を使えばこのような問題はなくなり、いらない音だけを、いらないと思った時だけ削ることができます。
各Bandの設定
EQプラグインを使っている方ならなじみのある部分が、画面下の部分です。
それぞれのband(ポイント)ごとに、周波数帯域、センシティビティ(量)、Q幅、バランス、カーブ(Bell、Cut、Shelfなど)を変えることができます。
数字部分は、直接数字を打ち込むことも可能です。
各bandで処理している音を単体で聞きたいときは、「listen」のヘッドホンマークをONにしましょう。
マスターバスにSoothe2を使ってもいいの?
実は、この曲ではマスターバス(Stereo Out)にSoothe2を使っています。
「マスターバスには使うな!」と思う方も多いと思いますし、僕もその意見には同意できます。
ただ、「いい音」になるなら、使ってもよいのではないでしょうか?
マスターバス用のプリセットを使おう
実は、Soothe2にはマスターバス用のプリセットがあります。
今回は「Balance to the grammy awards」というプリセットを使っています。
Soothe2に初めから入っているプリセットですが、このプリセットを使うだけでとても綺麗になります。
ものすごく劇的にサウンドが変わるというわけではないのですが、シンバルやギター、ボーカルなど、特に高音域のある楽器が綺麗になっているように感じます。
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重ねたボーカルにも使える
Soothe2は、ボーカルトラックを重ねているときにも非常に使えます。
今回はディストーションをかけたボーカルがあり、前半はボーカルトラックをレイヤーしています。
またビルドアップもしているので、その時にサウンドがクリアになるよう、Soothe2が調整してくれています。
soothe2を購入する
soothe2は、数々のDTM・オーディオ製品を取り扱っている「Rock Online」で簡単に購入できます↓
※ちなみに東京(渋谷)と大阪(梅田)に実店舗を展開しています
その他MIX上達術
以上でsoothe2の使い方に関する解説は終了です。
当サイトでは他にもMIX上達に関する記事を多数ご用意していますので、ぜひ併せてご覧ください↓
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