作曲・DTMをしているけど、ドラムがイマイチかっこよくならないんだよな…
曲に合ったドラムの音作りをするには、どうしたらいいの?
今回はこのようなお悩みを解決する内容です。
数々のDTMテクニック動画をアップしている「Beat Academy」が教える「常にパーフェクトなドラムサウンドを選ぶための6つのコツ」をまとめました。
今回は後半として、4~6個目のコツをご紹介します。
楽曲はドラムの音によって大きく印象が変わりますので、作曲においてドラムの音選びや音作りはものすごく重要です。
ここからは、曲に合ったドラムサウンドを選ぶ・作るコツをご紹介していきます!
ドラム打ち込みのコツ4.倍音成分を足そう(サチュレーション)

これは、音同士がうまくブレンドするように使える「サチュレーション」のテクニックです。
オーバードライブやディストーションなどのサチュレーションを使って倍音成分を出し、太くパンチのあるサウンドにしていきます。
今回は、前回解説した「レイヤー」で足したローエンドのキックに使う例を見てみましょう。
まず、キックのトラックに対してサチュレーターのプラグインを挿します。
「Soft Clip」をONにして、「Drive」のパラメーターを上げてみます。
倍音が加わったことがお分かりいただけたと思います。
デフォルトは「Analog Clip」というディストーションのタイプになっていますが、別のタイプに変えることで、ディストーションのカーブが変わり、また違った音になります。
そして、他のキックの音と混ぜて使ってみると…
ずっしりと重みが加わりました。
次は、ドラム系の音すべてに対してオーバードライブを使ってみましょう。
オーバードライブを使うことで、トランジェント(アタック成分)がよりはっきり聞こえるようになります。
おすすめのサチュレーションプラグイン
ここでは、ドラムに限らずさまざまなシーンに使えるおすすめのサチュレーションプラグインを3つご紹介します。
どれも世界中のプロが使用するプラグインですので、どれを買っても損はありません。
Fabfilter社「Saturn」
世界中のユーザーから愛されているディストーション・サチュレーションプラグインです。
ドラムに使える程よいサチュレーションから激しいディストーションまで、さまざまな設定が使えます。
soundtoys社「Decpapitator」
さまざまなモードを使うことができるサチュレーション・ディストーションプラグインです。
パンチのある音を作りたいときにもおすすめです。
Waves社「J37 Tape」「Kramer Master Tape」「Abbey Road Vinyl」
こちらの3つは、昔の曲のようなテープで再生した質感を出すことができるプラグインです。
音に太さを加える目的だけでなく、ローファイヒップホップのようにガッツリとヴィンテージ感を出すときにも使えます。
ドラム打ち込みのコツ5.音に「コントラスト」をつけよう

次は、シーソー効果のようにコントラストをはっきりつけていきます。
今回の場合は、「ビッグで重みのあるキック」と「小さくて短いリム」のように、わかりやすく対比させていきます。
これがもし「ビッグなスネア」と「ビッグなキック」だと、同じような音として聞こえてしまい、コントラストがつけられません。
キックのアタック成分を調整しよう
また、今回キックのアタック成分として使っているタムの音のSustainも減らしましょう。
タムのSustainを減らすことで、タムの音は「アタック」としての役割を果たすことができ、レイヤーしている重みのあるキックのサウンドを邪魔せずに済みます。
リバーブで音に奥行きを出そう
次は、リムの音に奥行きを出していきます。
今回はリバーブを直接リムのトラックに挿します。
こうすると、キックと距離感を出し、全体的に奥行きのあるように聞かせられます。
あとは、必要に応じてリバーブの長さを変えていきます。
リバーブを使うとき、Dryの音(元の音)が大きく聞こえれば、リムの音がより前にいるように聞こえます。
逆にWetの音が大きく聞こえれば、リムの音がより遠くにあるように聞かせられます。
こちらはお好みで調節してください。
リムにレイヤーしよう
ここからは、リムにもレイヤーしていきます。
新しく、今までのリムとやや近いリムの音を足してみます。
とても短い音ですが、こちらにはリバーブは使わないでおきます。
先ほどのリムは奥行きを出すための音で、こちらの新しい方はアタック成分を出すための音にします。
そして、前回のようにオーバードライブを使って、よりはっきりとしたアタック感を出していきましょう。
ドラム打ち込みのコツ6.音全体にまとまりを出そう

さて、ここからは全体の音にまとまりを出すために、サチュレーションとコンプレッサーをかけていきます。
ドラムバスやドラムラックなどを使って、ドラム全体にエフェクトをかけられるようにしましょう。
(Ableton Liveは「Drum Bus」というプラグインがあり、とても便利ですのでぜひ使ってみてください)
今回はDrive、Crunch、Damp、Transientsを上げ、よりパンチのある、重みのあるサウンドにしていきます。
これらのエフェクトを適用する割合は、Dry/Wetの欄で調節していきます。
それぞれのパラメーターを少しいじるだけでも、大きな違いが出てくるのがおわかりいただけたと思います。
コンプレッサーをかけてまとまりを出そう
次はコンプレッサーです。
今回はAbleton Liveにある「Glue Compressor」を使い、全体がうまくまとまるようにします。
Attackは遅めにして、ドラムのアタック成分が弱くならないようにし、パンチのあるサウンドを維持していきます。
Releaseは速めにし、コンプレッサーがかかったらすぐ音が元に戻るようにします。
コンプレッサーを使うことで、一番音が大きくなるキックは少し音が抑えられ、逆に他の音は引き上げられ、ドラムの音がそれぞれうまくまとまるようになります。
しかしうまく調整することで、キックはいい感じに前に出て、リムもはっきり聞こえるようになります。
パーフェクトなドラム打ち込みの6つのコツまとめ

以上がドラムサウンドを作る6つのコツでした。
ちなみにドラム打ち込みに必須ともいえる「いろいろなパターンを作るスキル」を磨くには、こちらの書籍がおすすめです。
前半では「同じパターンでも音が違うだけで印象が違う」というお話をしましたが、逆に言えば「同じ音でもパターンを変えれば印象が違う」とも言えます。
より多くのドラムパターンを知っておくことは、作曲においてとても重要になりますので、ぜひ参考にしてください。
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