アレンジ・打ち込み

【DTM】パーフェクトなドラム打ち込みの6つのコツ 後編

作曲・DTMをしているけど、ドラムがイマイチかっこよくならないんだよな…
曲に合ったドラムの音作りをするには、どうしたらいいの?

今回はこのようなお悩みを解決する内容です。

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

数々のDTMテクニック動画をアップしている「Beat Academy」が教える「常にパーフェクトなドラムサウンドを選ぶための6つのコツ」をまとめました。

今回は後半として、4~6個目のコツをご紹介します。

前編はこちら

楽曲はドラムの音によって大きく印象が変わりますので、作曲においてドラムの音選びや音作りはものすごく重要です。

ここからは、曲に合ったドラムサウンドを選ぶ・作るコツをご紹介していきます!

ドラム打ち込みのコツ4.倍音成分を足そう(サチュレーション)

これは、音同士がうまくブレンドするように使える「サチュレーション」のテクニックです。

オーバードライブやディストーションなどのサチュレーションを使って倍音成分を出し、太くパンチのあるサウンドにしていきます。

今回は、前回解説した「レイヤー」で足したローエンドのキックに使う例を見てみましょう。

まず、キックのトラックに対してサチュレーターのプラグインを挿します。

「Soft Clip」をONにして、「Drive」のパラメーターを上げてみます。

12:10~12:15

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

倍音が加わったことがお分かりいただけたと思います。

デフォルトは「Analog Clip」というディストーションのタイプになっていますが、別のタイプに変えることで、ディストーションのカーブが変わり、また違った音になります。

12:27~12:35

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

そして、他のキックの音と混ぜて使ってみると…

12:39~12:49

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

ずっしりと重みが加わりました。

次は、ドラム系の音すべてに対してオーバードライブを使ってみましょう。

オーバードライブを使うことで、トランジェント(アタック成分)がよりはっきり聞こえるようになります。

13:11~13:25

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

おすすめのサチュレーションプラグイン

ここでは、ドラムに限らずさまざまなシーンに使えるおすすめのサチュレーションプラグインを3つご紹介します。

どれも世界中のプロが使用するプラグインですので、どれを買っても損はありません。

Fabfilter社「Saturn」

Introduction to FabFilter Saturn 2

世界中のユーザーから愛されているディストーション・サチュレーションプラグインです。

ドラムに使える程よいサチュレーションから激しいディストーションまで、さまざまな設定が使えます。

soundtoys社「Decpapitator」

Decapitator - 808 Kick

さまざまなモードを使うことができるサチュレーション・ディストーションプラグインです。

パンチのある音を作りたいときにもおすすめです。

おすすめプラグインを購入する

Waves社「J37 Tape」「Kramer Master Tape」「Abbey Road Vinyl」

How to Add a Lo-Fi Vintage Vibe to Your Tracks

こちらの3つは、昔の曲のようなテープで再生した質感を出すことができるプラグインです。

音に太さを加える目的だけでなく、ローファイヒップホップのようにガッツリとヴィンテージ感を出すときにも使えます。

ドラム打ち込みのコツ5.音に「コントラスト」をつけよう

次は、シーソー効果のようにコントラストをはっきりつけていきます。

今回の場合は、「ビッグで重みのあるキック」と「小さくて短いリム」のように、わかりやすく対比させていきます。

これがもし「ビッグなスネア」と「ビッグなキック」だと、同じような音として聞こえてしまい、コントラストがつけられません。

キックのアタック成分を調整しよう

また、今回キックのアタック成分として使っているタムの音のSustainも減らしましょう。

タムのSustainを減らすことで、タムの音は「アタック」としての役割を果たすことができ、レイヤーしている重みのあるキックのサウンドを邪魔せずに済みます。

14:23~14:37

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

リバーブで音に奥行きを出そう

次は、リムの音に奥行きを出していきます。

今回はリバーブを直接リムのトラックに挿します。

15:06~15:11

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

こうすると、キックと距離感を出し、全体的に奥行きのあるように聞かせられます。

15:19~15:22

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

あとは、必要に応じてリバーブの長さを変えていきます。

15:46~15:53

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

リバーブを使うとき、Dryの音(元の音)が大きく聞こえれば、リムの音がより前にいるように聞こえます。

逆にWetの音が大きく聞こえれば、リムの音がより遠くにあるように聞かせられます。

こちらはお好みで調節してください。

リムにレイヤーしよう

ここからは、リムにもレイヤーしていきます。

新しく、今までのリムとやや近いリムの音を足してみます。

16:44~16:47

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

とても短い音ですが、こちらにはリバーブは使わないでおきます。

先ほどのリムは奥行きを出すための音で、こちらの新しい方はアタック成分を出すための音にします。

そして、前回のようにオーバードライブを使って、よりはっきりとしたアタック感を出していきましょう。

16:55~17:10

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

ドラム打ち込みのコツ6.音全体にまとまりを出そう

さて、ここからは全体の音にまとまりを出すために、サチュレーションとコンプレッサーをかけていきます。

ドラムバスやドラムラックなどを使って、ドラム全体にエフェクトをかけられるようにしましょう。
(Ableton Liveは「Drum Bus」というプラグインがあり、とても便利ですのでぜひ使ってみてください)

今回はDrive、Crunch、Damp、Transientsを上げ、よりパンチのある、重みのあるサウンドにしていきます。

これらのエフェクトを適用する割合は、Dry/Wetの欄で調節していきます。

18:07~18:52

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

それぞれのパラメーターを少しいじるだけでも、大きな違いが出てくるのがおわかりいただけたと思います。

コンプレッサーをかけてまとまりを出そう

次はコンプレッサーです。

今回はAbleton Liveにある「Glue Compressor」を使い、全体がうまくまとまるようにします。

19:02~19:12

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy

Attackは遅めにして、ドラムのアタック成分が弱くならないようにし、パンチのあるサウンドを維持していきます。

Releaseは速めにし、コンプレッサーがかかったらすぐ音が元に戻るようにします。

コンプレッサーを使うことで、一番音が大きくなるキックは少し音が抑えられ、逆に他の音は引き上げられ、ドラムの音がそれぞれうまくまとまるようになります。

しかしうまく調整することで、キックはいい感じに前に出て、リムもはっきり聞こえるようになります。

19:38~19:49

6 Tips For Choosing Perfect Drum Sounds, Every Time | Beat Academy
関連記事

パーフェクトなドラム打ち込みの6つのコツまとめ

以上がドラムサウンドを作る6つのコツでした。

・音選び
(同じリズムでも、どの音を使うかで雰囲気が変わる)
・チューニング
(トーナルなサウンドは曲のキーに合ったチューニングを)
・レイヤー
(1つのサンプルだけをいじりまくるのではなく、欲しい音の成分が得られる複数のサンプルを使う)

・倍音成分を足す
(サチュレーション、ディストーション、オーバードライブ)
・コントラストをつける
(リバーブで奥行き、トランジェントを強調して音を前に出す)
・音にまとまりを出す
(Bus、コンプなど)

ちなみにドラム打ち込みに必須ともいえる「いろいろなパターンを作るスキル」を磨くには、こちらの書籍がおすすめです。

前半では「同じパターンでも音が違うだけで印象が違う」というお話をしましたが、逆に言えば「同じ音でもパターンを変えれば印象が違う」とも言えます。

より多くのドラムパターンを知っておくことは、作曲においてとても重要になりますので、ぜひ参考にしてください。

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