【DTM】打ち込みドラムを生演奏のように聞かせる9つのコツ

【DTM】打ち込みドラムを生演奏のように聞かせる9つのコツ
ドラムの打ち込みを生演奏のようにリアルにしたいのに、いつも味気ないサウンドになってしまう…
本物の人間の演奏のように聞かせるコツはある?

今回はこのようなお悩みにお答えする内容です。

世界的に有名なプラグイン・ソフトウェアを開発しているiZotope社が解説する「打ち込みドラムをリアルに聞かせる9つのコツ」をまとめました。

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ドラム打ち込みのコツ1.ドラム自体にかけるEQやコンプレッサーを重ねすぎない

1つ目のコツは「ドラム音源自体にEQやコンプレッサーを重ねすぎない」です。

多くのドラム音源は、開発時にエンジニアによってバランスよくEQやコンプレッサーをかけられています。

最初から音がきれいになっているのはよいのですが、逆に、これゆえに人間らしさや生気のないサウンドにもなってしまっています。

それなのに、さらにEQやコンプレッサーを重ねてかけてしまうと、リアルなサウンドには程遠くなってしまいます。

ドラム音源はすでに適切なコンプレッサーやEQがかかっていることが多いので、さらに自分で追加するときは注意しましょう。
また内蔵のコンプレッサーやEQなどのエフェクトをOFFにした方が生ドラムらしさに近づくこともあるので、こちらも確認しましょう。

ドラム打ち込みのコツ2.よりよいグルーヴにするために再編集する

2つ目のコツは「よりよいグルーヴを作るために再エディットする」です。

リアルな演奏に聞かせるには、「ゆらぎ」を感じさせるグルーヴであることが必要です。

打ち込んだMIDIがすべてきれいにクオンタイズされていたり、手と足の数以上の音数で打ち込まれていたりしては、人間らしい演奏に聞かせられません。

ミキシングする前に、まずグルーヴ感を直せそうなところがないかチェックしましょう。

たとえば「フィルインのときに少し走り、次の小節になったらテンポどおりの演奏に戻る」というようにすると、人間らしくなります。

ここで、実際に打ち込んだ音源を聴いていただきます。

今回使った音源は「Superior Drummer3」です。

まずはシンプルに打ち込んだバージョンから。

ベースはドラムよりも早くなるように演奏した後、クオンタイズを43%かけています。

これだと少し微妙です…

次は、これをエディットしたものです。

こちらの方が、生演奏らしい微妙な揺らぎを足しつつも、ある程度すっきりして聞こえます。

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ドラム打ち込みのコツ3.ピッチシフトを使う

3つ目のコツは「ピッチシフトを使う」です。

もしドラムがマシンガン効果があるように聞こえたら、それぞれの音に対して微妙にピッチシフト(音程の変更)を行うとよいでしょう。

マシンガン効果:全く同じ音がただただ繰り返されているように聞こえること

たとえば、このテクニックをキックを連打しているときや、スネアのパラディドル(ダダダダと連続で叩く)を行なっている時にやってみましょう。

まずはシンプルに打ち込んだバージョンを聞いてみます。

ここで、キックを素早く2回連打しているときは、短い音の方のピッチを少しだけ下げます。

またスネアのパラディドルの時は、それぞれの音を少しずつピッチを変えます。

すると、このように生演奏っぽく聞かせられます。

ドラム打ち込みのコツ4.オーバーヘッドに気を配る

音楽制作で重要な4つのTips ~プロダクション編 Part2~

4つ目のコツは「もしオーバーヘッドを使っているなら、気を配ろう」です。

「オーバーヘッド」とは、ドラム本体から離して部屋全体の音を録った音です。

なぜオーバーヘッドに気を配らないといけないかというと、ソフトウェア音源で使えるサンプルされたオーバーヘッドの音は、実際の音とは非常に異なるものだからです。

オーバーヘッドマイク(https://theproaudiofiles.com/recording-drums/)

たとえばドラムのブリードについて考えてみましょう。

ブリードとは、レコーディングのときに別の楽器の音も拾ってしまうことを指します。

たとえばスネアのマイクがバスドラムの音を拾ってしまったり、タムのマイクがハイハットの音を拾ってしまう、などの現象です。

またドラム本体から離して部屋全体の音を録るマイクである「オーバーヘッドマイク」も、さまざまな音を拾っています。

ということは、たとえばコツ3に沿ってスネアのピッチを変更したら、オーバーヘッドで拾われているスネアもピッチシフトしないとおかしなことになります。

ドラム音源の場合、個別に編集できる音は決まっていますので、ピッチシフトをするときなどは注意してください。

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ドラム打ち込みのコツ5.ハイハットとライドシンバルには細心の注意を払う

5つ目のコツは「ハイハットとライドシンバルには細心の注意を払う」です。

ドラム音源でハイハットとライドシンバルを打ち込んでみると、ニセモノっぽさがあります。

「じゃあ今まで出たコツにならって、ピッチシフトをしてみよう」と思ってもうまくいかなかったり、EQやコンプレッサーを使ってもうまくいかなかったりします。

このようなときは、サチュレーションを使ってみましょう。

サチュレーションを使うと、このようにリアルなサウンドに近づけられます↓

おすすめサチュレーションプラグイン

世界中のプロに愛用されているおすすめサチュレーションプラグインは、こちらの5つです。

どれも音に厚みを出し、太く温かみのある音を作るのに使える便利なプラグインですので、ぜひご活用ください。

ドラム打ち込みのコツ6.ハーモニックディストーションを使う

カッコイイFuture Bass(フューチャーベース)の作り方〜ドラム編〜

6つ目は「ハーモニックディストーションで音に厚みを加える」です。

ディストーションを使うことで、音に太さや厚みを加えることができます。

ディストーションをかける前↓

ディストーションをかけた後↓

おすすめディストーションプラグイン

先ほどの「おすすめのサチュレーションプラグイン」と重複する製品もありますが、おすすめのディストーションプラグインをこちらに掲載します。

どれもディストーション・サチュレーション用途で使えるプラグインですので、1つだけでも持っておくと非常に便利です。

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ドラム打ち込みのコツ7.リバーブを効果的に使う

7つ目は「リバーブを効果的に使う」です。

詳しくはこちらの記事で紹介していますが、ドラムに対してリバーブを複数使ってみると、リアルなサウンドに近づけやすくなります。

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ドラム打ち込みのコツ8.再サンプリングする

8つ目は「再サンプリングする」です。

もしクライアントに「このドラムをもっとリアルなドラムにしてほしい」と頼まれた場合は、音源の差し替えも検討しましょう。

必ずしも、元々使っているドラムの音を使わなければいけないということはありません。

よりよい音楽を作るのに適している音源や素材があるのなら、ぜひそちらを使いましょう。

ドラム打ち込みのコツ9.ドラムのキャラ付けは、Busで行う

最後、9つ目のコツは「ドラムのキャラ付けは、Busで行う」です。

「ダークな感じにしたい」「パンチのある音にしたい」など、ドラム全体のキャラ付けは、個々のトラックや音に対してではなく、ドラムのBusに対して行いましょう。

前述のとおり、ドラム音源はすでにEQやコンプレッサーがかかっていますから、ミキサーであるあなたがやるべき仕事は「その音をマッサージして、リアルな音に戻してあげる」です。

Busを使って、ドラム全体のキャラクターをコントロールしましょう。

ドラム打ち込みのコツまとめ

今回の内容をまとめると、このようになります。

1.ドラム自体にかけるEQやコンプレッサーを重ねすぎない
2.よりよいグルーヴにするために再編集する
3.ピッチシフトを使う
4.オーバーヘッドに気を配る
5.ハイハットとライドシンバルには細心の注意を払う
6.ハーモニックディストーションで音に厚みを加える
7.リバーブを効果的に使う
8.再サンプリングする
9.ドラムのキャラ付けは、Busでやろう

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