作曲・編曲

音楽制作で重要な3つのTips ~プロダクション編 Part1~【海外プロが教える!】

10年近く海外で活躍する音楽プロデューサーが、音楽制作で使えるTipsを紹介してくれるシリーズ。

今回はDAWでの音楽制作における「プロダクション編Part1」です。

より良い楽曲にするためのテクニックについてご紹介します。

「なんとなく味気ない楽曲になってしまう」
「アドバンスな打ち込みをしたい」

こんなお悩みをお持ちの方に必見の内容です!

1. タネをまき、後から刈り取ろう

このトピックについては以前(音楽理論編Part2)もお話しましたが、もっと大きなスケールでの考え方になります。

ある特定のエフェクトを加えたり変化を繰り返すと、楽曲をシンプルでパワフルにすることができます。

エフェクトや変化を同じように保つことができれば、より良い結果が得られます。

たとえば、メロディーが始まる前or曲のピークに達する前に、4つ打ちのドラムを止めてみます。

次に、同じ曲の中で、同じ方法でドラムを止めた時に対して別のアプローチを考えます。

ただし、この時ハイハットは鳴らします(同じフレーズを楽曲内で2回以上使う時は、2回目以降は別のアプローチを考える、ということですね)。

3回目は、同じ感じで違うテイストを加えます。

私の経験上、このテクニックは曲に一貫性を与えながら楽曲をより良い方向に進ませることができ、また他の制作テクニックと合わせれば、変化に対するインパクトを与えることができるようになります。

2. MIDIでメロディーを作るときは、それぞれのノート(音)のベロシティーをいじってみよう

これを正しくできれば、人間味のあるサウンドにすることができ、感情を伝え、メロディーを強化することができます。

ドラムも同様にやりましょう(特にハイハット)。

全く同じベロシティーで叩くドラマーなんていないですからね。

3. ジャンルの基本楽曲構成を調べよう

特定のジャンル・タイプを念頭において曲を作っている場合、それについてもう少しだけ知ることで、早い段階で曲のイメージを作ることができるようになります。

まず、あなたが好きな曲を分析してみましょう。

ビルドアップ、ブレイクダウン、テンション、リリース、ミキシングの仕方など…

ポップスの場合、短いイントロから始まり、リフが入り、バース・リフ・リフ・アウトロ、と続くことが多いです。

プログレッシブの場合は、異なるパーツから徐々にビルドアップしていき、緊張やエネルギーの中で柔らかさや安定感を保ちつつ、メインパートに入る前に、広大な虚空間と巨大な空間をあわせ持ったサウンドでブレイクを迎えます。

要は、ジャンルが違えば構成も異なってくるということですね。

もし少しでもこういった例を知ることができれば、「次はどんな風にしよう?」と悩むことなく、より効果的に曲を作ることができるようになります。

まとめ

今回はこれら3つについてのお話でした。

「楽曲の展開づくりでも、タネをまき、後で刈り取ろう」
「ベロシティーを有効に使って、人間味を出そう」
「ジャンルごとの特徴を分析しよう」

特に3つ目については、多くの職業作家が行なっている大切なことですね。
分析は根気のいる作業ですが、より良い楽曲を作るためにも、ぜひトライしてみましょう。

Reference

より打ち込みを学びたい方には、こちらがおすすめです。



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