ミキシングのコツ

トップミキシングエンジニアが教える「アコースティックギターをミックスする3つのコツ」

今回は、トップミキシングエンジニアのDave Pensadoが教える「アコースティックギターのミックスの仕方」をまとめました。

たった3ステップ+EQとコンプレッサーだけを使って、アコースティックギターをキレイにミックスする方法を伝授します!

Mixing Acoustic Guitars - Into The Lair #140

アコースティックギターをミックスする3つのコツ

コツ1:「ハーモニー担当」なのか「リズム担当」なのかを考える
コツ2:他の楽器とかぶっている部分をEQで削る
コツ3:ピックで弾いた時の質感やグルーヴをEQやコンプレッサーで調整する

今回ミックスするのは、こちらのアコースティックギターです。

Mixing Acoustic Guitars - Into The Lair #140

それでは、詳しく解説していきます。

アコギMIXのコツ1:「ハーモニー担当」なのか「リズム担当」なのかを考える

僕(Dave)がアコースティックギターのミックスをするときは、まずこのパートが「ハーモニックなパートなのか、それともリズミックなパートなのか」を考えます。

リズミックなパート:リズムやグルーヴを先導するパート
ハーモニックなパート:コード(和音)やコードチェンジを先導するパート

録音されたアコギのフレーズを聞いて、ピックがどの弦を鳴らし、それによってどのようなサウンドになっているかなどを確認します。

今回の楽曲の場合は、ハーモニー担当というよりもリズム担当だと思ったので、「リズム担当70%+ハーモニー担当30%」の割合と考えてミックスすることにしました。

アコギMIXのコツ2:他の楽器とかぶっている部分をEQで削る

2つ目のコツは、「他の楽器とかぶっている周波数帯域をEQで削る」です。

まずはEQを使って、不要な周波数帯域を削り、ピックで弦を弾いたときの音がより目立つように調整します。

ここで使ったのは、UAD Helios Type 69 EQです。

Mixing Acoustic Guitars - Into The Lair #140

他のパートと被ってしまっている帯域を削ることで、マスキングを防いでいます。

そして今回はアコースティックギターを「リズミックなパート」として捉えているので、よりリズムが際立つよう、ピックが弦を弾く音が目立つように調整しています。

アコースティックギターをミックスする3つのコツ

https://youtu.be/JHLBoGW6Vo0

アコギMIXのコツ3:ピックで弾いた時の質感やグルーヴをEQやコンプレッサーで調整する

3つ目のコツは、「ピックで弾いた時の質感やグルーヴをEQやコンプレッサーで調整する」です。

コツ2でも既に少し行っていますが、ピックで弾いた時の音が目立つよう、EQやコンプレッサーを使います。

ここではUAD API Vision Channel Strip Collectionを使って、10kHz付近をブーストしながら、少しコンプレッションをしています。

アコースティックギターをミックスする3つのコツ

https://youtu.be/JHLBoGW6Vo0

Mixing Acoustic Guitars - Into The Lair #140

アコースティックギターをミックスするときのコンプレッサーのコツ

コンプレッサーについては、今回はKlanghelm社の「MJUC」を使っています。

僕はこれまで膨大な量のプラグインを購入&使用してきましたが、このプラグインは本当に素晴らしいです。

非常に音楽的なサウンドになるので、よく使っています。

アコースティックギターをミックスする3つのコツ

https://youtu.be/JHLBoGW6Vo0

このプラグインの特徴は、画面下に「TIMBRE」や「DRIVE」など、高音域やディストーションに関するパラメーターがある点です。

このプラグインをバイパスにした時と比較してみると、このプラグインの機能をよくおわかり頂けると思います。

Mixing Acoustic Guitars - Into The Lair #140

これを曲全体で聞いてみると、ギターにこのコンプレッサーをかけるかどうかで、グルーヴ感が少しだけ変化することがわかります。

Mixing Acoustic Guitars - Into The Lair #140

もともと素晴らしいギタープレイヤーが素晴らしい演奏をしてくれていますが、これまで使ってきたEQやコンプレッサーによって、そのグルーヴにさらに磨きがかかります。

アコースティックギターをミックスする3つのコツまとめ

今回はたった3つのプラグインしか使っていませんが、非常に大きな差を出すことができました。

・「ハーモニー担当」なのか「リズム担当」なのかを考える
・他の楽器とかぶっている部分をEQで削る
・ピックで弾いた時の質感やグルーヴをEQやコンプレッサーで調整する

以上3つのコツを押さえてミックスをしてみてください!

当サイトでは、他にもギターのミックスに関する記事をまとめています。

ぜひこちらもご覧ください↓


人気記事

1

今回はIn The MixのMichael Wynneが解説する「音楽制作はあなたの耳にダメージを与えるか?」をまとめました。 音楽プロデューサーとして長年活躍しているMichaelが、自身の経験をも ...

2

今回は、初心者からプロまで使えるおすすめのDTMイヤホン・ヘッドホン14選をまとめました。値段順にご紹介しますので、ぜひ予算に合わせてご自身に合う製品を見つけてください。

3

DTMをしていると、DAWのプロジェクトファイルや作曲に関わる資料が大量に作られてしまい、ファイル探しに難航したり、データを紛失したり、容量がすぐいっぱいになってしまいます。そこでこの記事では、このような「膨大な量のファイルを適切に整理する方法」と「ファイルを守るためのバックアップ術」について解説します。

4

今回はAdam Audio社とIn The Mixが解説する「スピーカーは縦置き or 横置きのどちらがいいのか?」をまとめました。 多くのスピーカーは正方形ではなく長方形であることが多いですが、縦置 ...

5

今回は、「Sonarworks SoundID Referenceの使い方」をまとめました。

DTMをするなら絶対に持っておきたいこの製品について、なぜこの製品がおすすめなのか、どの種類を買うべきなのか、具体的な使い方と測定方法をご紹介します。

6

世界的にヒットしている曲の構成ってどうなってるの? 「ヒット曲の公式」みたいなのがあるといいんだけど… 今回はこのような疑問にお答えします。 https://www.youtube.com/watch ...

7

当サイトのnoteアカウントにて「楽曲のサビ・Aメロ・Bメロ・Cメロ・ポストコーラス・イントロ&アウトロの作り方」をそれぞれアップしました。 「曲を作るときに何から始めたらいいかわからない」「 ...

8

音楽におけるアップビート、ダウンビート、オンビート、オフビート、バックビート… 似たような言葉だけど、何が違うの?覚えられない… 今回はこのようなお悩みにお答えする内容です。 「アップビート」「オフビ ...

9

今回は、人気音楽プロデューサーのVirtual Riotが解説する「Serum 2の全新機能の解説」をまとめました。Xfer Records社「Serum2」で新しく追加されたプリセットの制作にも携わったVirtual Riotが、新機能17項目を徹底解説します。

10

今回は、初心者からプロまで使えるおすすめのDTMスピーカー21選をまとめました。 この記事では、以下2つの条件を満たしているスピーカーだけをご紹介します。 ・2025年1月現在、日本の通販で誰でも新品 ...

-ミキシングのコツ