Jonathan Wynerが教える マスタリングEQのコツ【海外プロ直伝】

Jonathan Wynerが教える マスタリングEQのコツ【海外プロ直伝】

 

iZotopeのEducation Directorであり、プロのマスタリングエンジニアのJonathan WynerマスタリングEQのコツを解説した動画が公開されています。

 

Are You Listening? | Ep. 6 | EQ in Mastering

 

今回はこちらの動画の内容をかんたんにまとめてみました。
3分で読める内容ですが、すぐ実践し、即効果を実感できるテクニックが満載です。

 

「マスタリングのEQって何のためにするの?」
「ミキシングとマスタリングのツールの違いって何?」
「すぐ使えるマスタリングEQテクニックが知りたい!」

 

こんな疑問や要望をお持ちの方におすすめです。

 

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マインドセットについて

 

・EQなど、ベーシックなツールをマスターすることが最も大切
→ExciterやReverbなど最終的には多くのツールを使うが、EQなどベーシックなツールを使った作業に最も時間をかけるから。また、ベーシックでないツールはいつも使うわけではない。

 

EQとは「復元」である

 

そもそもEQは、まだ発展途上だった電話回線の音声を復元するために発明・開発された。(当時は特に高音域が削られてしまっていた)
EQとは音のバランスを復元するために行うもの、正しくするためのもの

 

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使用機材について

 

・スピーカーはYamaha NS-10を使用。

・ミキシングにおいて重要な楽器同士のレベル関係を確認するのに非常に良いスピーカー

・しかし、フルスペクトラムを聞くことに関しては少しだけ物足りなさもある。(NS-10のFrequency Responseを参照)

・このスピーカーで音を厳密に判断しバランスを取るようなミキシングするのは非常に難しいが、トップエンド・中域・ベースをそれぞれ測ることにおいては大丈夫。

 

マスタリングエンジニアの役割

 

・マスタリングエンジニアがやるべきなのは「ミキシングエンジニアが本来意図していたバランスの復元」。

・ミキシングエンジニアが使っているスピーカーや本人の耳のせいで、低域が足りないmixや、逆に低域がありすぎるmixになっていることがある。

・EQやマスタリングのアプローチは、明確さ・明瞭さを復元したり、バランスをとろうとすること。

 

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ミキシングのツールとマスタリングのツールの違い

 

・大きな違いは、ユーザーインターフェース(UI)やインタラクション、レイアウト、そしてこれらとの関わり方。

・ツール自体はそんなに変わりはない。違いはその活用の仕方

・例えばNeutronとOzoneのEQの場合、大部分は同じ。

・しかし「スケールの違い」がある。
(Ozoneでいじったときよりも、Neutronでいじった時の方が変化が小さい)

・「このEQは他のEQよりも音がいいだろうか?」ということに気を取られすぎず、「自分の行なっていることに対しレイアウトが助けてくれることは何か?」をつかみ、そのEQを使い、練習していくことが大切。

 

ビジュアライザーについて

 

・ビジュアライザーは非常に役に立つ。
(peak-readingメーター、averagingメーター、LUFSメーター、phaseメーター、トーンバランスメーターなど)

・自分が聞いている音について考えていることを確認したり、問題を明確にするのに非常に効果的。

 

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マスタリングの準備

 

・最初に各トラックを聞く時は、しっかりと椅子に座り、トラックを最初から最後まで聞く。これで全体のアレンジを理解する。

・最初にトラックを聞く時は「何が聞こえたか」「このトラックの好きなところ」「直したいと思ったところ」などをメモ

・30~45分ぐらい作業していると、だんだん行き詰まっていき、広い目でトラックを見ることができなくなる。

・そのため、前もって一種のアジェンダや基準になるようなメモを作っておく

・このおかげで、最初に聞いた時の感覚をいつでも取り戻すことができる。

 

EQフィルターのシェイプ選びについて

 

・トーンバランスを整えたい時は、Q幅が非常に広いBellやShelvingを使う。
→「リッチにしたい」「明るくしたい」など、トーンを変えたい時は、バランスを変えたいわけではないから

・狭いQ幅のフィルターを使ってしまうと、特定の楽器だけ引き立ってしまう可能性がある。

・また、同じ楽器でもスケール中のとある音だけ強調されてしまうこともあるため。

 

最初にトラックを聞く時に気をつけるポイントの例

 

・全体的に明るすぎないか?逆に明るさが足りないか?

・ボーカルは大きすぎないか?

・キックの低域がカットされすぎていないか?

 

AB比較モードを活用しよう

 

・AB比較モードを使って、どんな風に変わったのかをチェックすると便利。

・いろいろなところで立ち止まって、比較、立ち止まって、比較…を繰り返す。

・もうこれ以上良くできないなと思ったら、作業をストップ。

 

EQで「削る」作業をする

 

・うるさいなと思うところは、狭いQ幅のバンドを使って削っていく。