シンセサイザー

【DTM】u-he社のシンセ「ACE」の使い方 コンプリートガイド#10 Tweakページ、Mapping Generator

ACE Tutorial #00 - Basic Module Anatomy

今回は「ACEの使い方コンプリードガイド」のうちTweakページ、Mapping Generatorに関する部分をまとめました。

ACEにおけるTweakページとは?

ACEの画面左上にある「tweak」タブをクリックすると、Tweakページが表示されます。

ここでは、マッピングジェネレーター(Mapping Generator)やその他細かいパラメーターの調整をすることができます。

ACEにおけるマッピングジェネレーター(Mapping Generator)とは?

ACEにおけるマッピングジェネレーター(Mapping Generator)は、0から127までの値を使ってさまざまなモジュレーションを使うことができる機能です。

例えばMIDIノートごとにモジュレーションの値を変えたり、重ねているVoiceごとにPanを変えたりできます。

ACEはアナログシンセサイザーをモデルとしたシンセサイザーですが、このマッピングジェネレーターは唯一「デジタル」な機能と言えます。

Mapping Generatorの使い方

Mapping Generatorを使う方法は2種類あり、1つは「synthページ」の一番下にある「mapper」を使う方法、もう1つはLFO2を「tap map」モードにした状態でLFO2のアウトプットを使う方法です。

Mapping Generatorの使用例:各Voice(stack)のPanを個別に変える

例えばVoice数(stack)を2に設定している状態で、下記画像のようにmapperをPanとつなげると、VoiceごとにPanを変えることができます。

この場合、Mapping Generatorでグラフを上に上げるとPanが左に降られ、下に下げるとPanが右に振られます。

これを応用すると、例えば「mapperとLFO2をつないで、Voice1にだけLFO2をかける」なども可能です。

Mapping Generatorのグラフの本数を変える方法

Mapping Generatorのグラフの本数は、グラフ部分を右クリックして調整します。

Mapping Generatorのグラフを描く方法

Mapping Generatorのグラフを描くには、シンプルにグラフの部分をドラッグorクリックします。

値をゼロにしたい場合は、Alt(Command)を押しながらグラフをドラッグorクリックします。

またグラフ上を右クリックすると、さまざまなグラフ描画のコマンドが出てきます。

copy / paste:現在のmapをクリップボードにコピー、もしくはコピーしたmapをペーストします。
shapes:ramp、triangle、sine、cosine, root, quadricからmap全体のシェイプ(形)を変更できます。
alt/cmd-draw:altもしくはcommandを押してグラフを描画するときのモードを変更します。
selection:選択するグラフを指定したり、選択したグラフを一括で処理します。
reverse:mapを横方向に反転させます。
invert:mapを縦方向に反転させます。
randomize:mapをランダムで作ります。
soften:急激な値の変化がある部分を調整します。
normalize:最大値と最低値のグラフに合わせて、map全体の値を大きくします。
straighten:mapの両橋のグラフに合わせて、一直線のmapを描画します。
reset:mapをリセットします。
quantize 4~24:名前にある数字に合わせて、グラフの値を調整します。
2~128:グラフの本数を変更します。

さまざまなmap modeが使える

ACEのmapping Generatorには、いくつかのmap modeが搭載されています。

どのmap modeを使うかによって、Mapping Generatorを使ったモジュレーションのかかり方が変わります。

https://www.zikinf.com/manuels/u-he-ace-manuel-utilisateur-en-76999.pdf

map smoothとmap quantized:「mapping source」を選択できるモードで、mapping sourceによって音を複雑・急激に変化させることができるようになります。
例えばベロシティによって音色をダイナミックに変化させたり、シンプルなエンベロープを複雑な山・谷を描くエンベロープに変化させたりすることができます。
map smoothを選択すると値はなめらかに変化し、map quantizedを選択すると値は階段状に変化します。
※mapping sourceは、map smoothかmap quantizedを選択しているときにしか使えません

increment:mapを左から順にたどっていきます。

key:MIDIノートが鳴らされるたびに、ランダムでmapを選びます。

ACEの「Stacked Voice Tuning」

「stacked voice tuning」のセクションでは、スタックしているVoiceのチューニングを1つずつ調整することができます(±24半音)。

1セントごとに調整したい場合は、SHIFTキーを押しながらツマミを調整します。

ACEの「Circuit Bending」

ACEの「Circuit Bending」では、アナログシンセならではのサウンド作りに関するパラメーターを調整できます。

slop:ゆっくり&ランダムなディチューン(Detune)を加えます。
crosstalk:アナログ機器で発生する「隣のチャンネルの音が漏れて聞こえる現象」を再現します。
osc cap failure:アナログシンセのコンデンサの状態が悪いときの音を再現します。
filter reset:4つのモードから選択できます。
none…フリーランニング状態になり、トランジェントがランダムで変化します。
full…MIDIノートごとにフィルターをリセットし、ランダム化を減らします。

full+click:「full」とほぼ同じですが、トランジェントがより強くなります。

ACEの「Envelope Tweaks」

fall/rise range:synthページのADSRのfall/riseの範囲を決めます。
singing envs:新しいVoiceが発生したとき、そのVoiceと同じ位置からエンベロープをスタートさせます。
(昔のアナログシンセのエンベロープと近い動きになります)
ramp clock:synthページの「Ramp Generator」のサイクル(速さ)を決めます。

ACEの「Microtuning」

ACEの「Microtuning」では、オンラインでダウンロードしたチューニングファイルをインポートできます。

もしくは、以下のフォルダに保存しておくことにより、このセクションからいつでも選べるようになります。

Windows:Win C\Users*ユーザー名*\Documents\u-he\ACE.data\Tunefiles\
Mac:Macintosh HD/Library/Application Support/u-he/Tunefiles



人気記事

1

作曲をしているけど、プロっぽいサウンドにならない…DTMでやってはいけないことってある?今回はこのような疑問にお答えする内容です!カナダの有名プロデューサーが教える「初心者がやりがちな間違ったリバーブの使い方」を3つご紹介!これを覚えておけば、「いいアレンジ」「プロっぽい曲」にグッと近づきます。

2

普段よく聞いているポップスの曲を、かっこよくリハーモナイズしてみたいけど、どうやったらできる? 今回はこのような疑問にお答えする内容です。 ベーシストであり、数々の音楽理論の解説動画をアップしているA ...

3

今回はAudio Universityが解説する「Universal Audio社 Apollo Twinのレビュー」をまとめました。他社では2万円程度の製品がある中で、Apollo Twinは約10万~20万円です。この記事では、Apollo Twinは値段相応の価値があるのかについて解説します。

4

プロ仕様のオーディオインターフェースと、安いオーディオインターフェースってどう違うの?共通点はある? 今回はこのような疑問にお答えする内容です。 https://www.youtube.com/wat ...

5

この記事では、世界中の作曲家・音楽プロデューサーが使っているおすすめのブラス(金管楽器)音源をご紹介します。同じ楽器でも音源によって音色が少し異なりますので、複数持っていると使い分けることができるほか、レイヤーしたときもリアルさと壮大さを増すことができます。

6

DTMをしていると「ビット深度」「サンプルレート」って言葉を聞くけど、これって何?という方のための記事です。これらの意味を知ると、自分にベストな機材を選べるようになったり、正しいフォーマットで作曲できるようになります!

7

今回は、初心者からプロまで使えるおすすめのDTMイヤホン・ヘッドホン14選をまとめました。値段順にご紹介しますので、ぜひ予算に合わせてご自身に合う製品を見つけてください。

8

プロの視点で「歌ってみた」やバンドのボーカルレコーディング用のおすすめマイクを10個ご紹介!5000円〜6万円代まで幅広くご紹介していますので、ご予算やシチュエーションに合ったマイクに出会えます。「なぜおすすめなのか?」「どんなところがいいのか?」も解説しています!

9

海外プロが教える「コード進行をプロっぽくするコツ」をご紹介!LEVEL1の「アマチュアのコード進行」から、LEVEL3の「プロのコード進行」にレベルアップするためのテクニックを解説しています。味気ない・つまらないコード進行から卒業したい方向けの内容です。

10

今回はAdam Audio社とIn The Mixが解説する「スピーカーは縦置き or 横置きのどちらがいいのか?」をまとめました。 多くのスピーカーは正方形ではなく長方形であることが多いですが、縦置 ...

-シンセサイザー