音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ラグタイムとは?2分で解説します!

今回は、Dave Waveが解説する「ラグタイムとは?2分で解説します」をまとめました。

おそらくラグタイムで最も有名な楽曲は、スコット・ジョプリンの「エンターテイナー」でしょう。

The Entertainer

この記事では、このラグタイムについて詳しく解説していきます。

What is Ragtime? Ragtime Explained in 2 minutes (Music Theory)

ラグタイムとは?いつからあるジャンル?

ラグタイムは、19世紀末期から1920年ごろまで大人気だった音楽ジャンルです。

基本的に、ラグタイムの楽曲はピアノを使って作曲・演奏されます。

ラグタイムのラグ(Rag)は直訳すると「ぼろぼろの」「不規則な」という意味がありますが、少しズレたようなリズムが特徴的なので、このように呼ばれています。
Ragtimeは「Ragged Time」の省略

ラグタイムの音楽の特徴は?

ラグタイムは、ヨーロッパのクラシック音楽と、アフリカのシンコペーションを使ったリズムが融合したような音楽が特徴です。

シンコペーションとは、簡単に言うとメトロノームとはズレたタイミングで音が鳴るリズムのことです。

少しズレた感じがするので、リズミカルな音楽に聞こえやすくなります。

ピアノで演奏するとき、右手と左手で役割がわかりやすく分かれています。

ラグタイムのピアノ:左手で演奏していること

ラグアイムピアノにおける左手の解説 0:24~1:11

What is Ragtime? Ragtime Explained in 2 minutes (Music Theory)

ラグタイムにおいて、左手はリズムとコード担当です。

「ドンチャ♫ドンチャ♫」と、マーチのようなリズムを演奏します。

「低い音→高い音→低い音→高い音」と非常に忙しく動きますが、低い音はバスドラム、高い音はスネアドラムと同じリズムを刻んでいます。

低い音:バスドラム、ベース音(マーチングではチューバなどの低音楽器に相当する)
高い音:スネアドラム、コード

このようにベースとコードを行き来しながら休みなく「ドンチャ♫ドンチャ♫」と演奏するピアノのことを「ストライドピアノ」と言います。
ストライドピアノ:Stride Piano

ラグタイムのピアノ:右手で演奏していること

ラグアイムピアノにおける右手の解説 1:12~1:32

What is Ragtime? Ragtime Explained in 2 minutes (Music Theory)

ラグタイムにおいて、右手はメロディーとシンコペーションを担当します。

シンコペーションは、メトロノーム(表拍)と同時に鳴らないタイミングで音を演奏するリズムパターンのことです。

メロディーを演奏するとき、特に強調したい音(アクセント)をシンコペーションのリズムにすることで、よりラグタイムらしさが出ます。

言い換えると、強調しなくてもいい音はメトロノームが鳴るタイミングに合わせて鳴らし、強調したい音はメトロノームからズラして鳴らすとラグタイムらしくなります。

tresillo rhythmic pattern:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/4/46/Tresillo.png?20100406051521

ちなみに、メロディーのうちアクセントの部分だけを演奏するとハバネラ(トレシロ)と呼ばれるリズムになります。

ハバネラ(トレシロ)のリズムになっているピアノ 1:23~1:32

What is Ragtime? Ragtime Explained in 2 minutes (Music Theory)

右手と左手を合わせてはじめてラグタイムらしさが出る

ここまでで、ラグタイムにおける右手と左手の役割をそれぞれ解説しました。

左手はマーチのようなリズムとコード、右手はシンコペーションのリズムとメロディーを担当しています。

これらが両方合体してはじめて、ラグタイムらしさが生まれます。

特にリズムが重要なポイントですので、アクセントの付け方・強さで音楽の印象が大きく変わります。


以上でラグタイムの解説は終了です。

より詳しい解説はこちら↓

他の音楽ジャンルの解説はこちら↓


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