用語解説

【DTM・MIX】主なディレイの種類6タイプを解説!【アナログ・テープ・スラップバック・デジタル・ピンポン】

今回は、Thomann's Guitars & Bassesが解説する「全ディレイのタイプの解説と使い方」をまとめました。

作曲やミックスなどのDTMに加え、ギターの楽器演奏などにもよく使われるエフェクト「ディレイ(Delay)」の種類とその使い方について、プロが徹底解説します。

「どんなエフェクトか知っているけど使ったことがない」「使ったことはあるけど、他にも使い方があるなら知りたい!」という方は必見の内容です。

All Delay Types And How To Use Them | Lesson | Thomann

今回ご紹介するディレイの種類

今回ご紹介するディレイの種類は、こちらの6つです。

・アナログディレイ
・テープディレイ
・スラップバックディレイ
・デジタルディレイ
・ピンポンディレイ
・その他のおもしろいディレイ

ディレイの種類:アナログディレイ

アナログディレイは、他のディレイに比べて「微かに」聞こえるようなディレイです。

例えば、ギターソロでは後ろで微かに鳴っている程度に使われることがあります。

とは言うものの、「とても温かみがあり、かすかに聞こえるタイプ」のものもあれば、「とてもクリアではっきりと、何度も繰り返すように強く聞こえるタイプ」のものもあります。

アナログディレイを聞き比べてみよう

それでは、ここで2つのタイプのアナログディレイをご紹介します。

1つはKasleder社の「Time Trap」で、とても温かみがあり、微かに聞こえるようなタイプのディレイです。

もう1つはelectro-harmonix社の「Deluxe Memory Man」で、アナログディレイの中でも非常にクリアで有名なタイプのディレイです。

All Delay Types And How To Use Them | Lesson | Thomann

アナログディレイの使い方

アナログディレイは主張が強すぎないディレイのため、ギターソロの時にも使えます。

製品によってディレイのキャラクターが違うので、お好みのアナログディレイを見つけてみてください。

ディレイの種類:テープディレイとスラップバックディレイ

テープディレイとスラップバックディレイは「親戚」のような関係性です。

一言で言うと、テープディレイは「ピッチが揺れているような音」が特徴で、スラップバックディレイは「テープディレイのものすごく短い版」です。

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テープディレイとは?

テープディレイは、多くのアナログディレイの中でも非常にクリアで、ディレイ音のピッチが少し揺れるようなサウンドが特徴です。

このディレイ音のピッチが少し揺れるような音が、ギターのドライ音(エフェクトをかけていない元の音)と上手に混ぜることにより、コーラスエフェクト(Chorus)のような雰囲気を出すことができます。

のちにご紹介するデジタルディレイほど正確でクリアな音ではないので、「アナログディレイとデジタルディレイの間」と言えます。

どんな楽器・サウンドにも使えるので、まさに「オールラウンダー」と呼べるようなディレイでしょう。

スラップバックディレイとは?

スラップバックディレイは、先ほどご紹介した「テープディレイのものすごく短い版」です。

ディレイ(やまびこ)の回数は1~2回だけですが、その分ディレイの存在感は大きいのが特徴です。

このディレイを使うだけで「ロカビリーっぽい」と感じる方も多いでしょう。

Elvis Presley - Baby, Let's Play House (Official Audio)

テープディレイとスラップバックディレイの使い方

テープディレイとスラップバックディレイは、ディレイ音のピッチが少し揺れるようなサウンドが特徴のため、「ディレイ音をどれぐらい混ぜるか」がポイントになります。

ディレイ音を強くすると、コーラスエフェクト(Chorus)のような雰囲気や揺れるようなサウンドになるので、サウンド全体に動きを加えたいときにおすすめです。

逆にディレイ音を強くしすぎると音がごちゃごちゃして聞こえてしまうこともあるので、あまり主張を強くしたくないときはディレイ音を少しだけ混ぜる(もしくは全く混ぜない)という使い方もよいでしょう。

ディレイの種類:デジタルディレイとピンポンディレイ

デジタルディレイは、自分が演奏した音をそっくりそのままコピーしたような、非常に正確に繰り返すタイプのディレイです。

このデジタルディレイのうち、まるでピンポンのようにディレイ音が左右を行ったり来たりするように聞こえるディレイが「ピンポンディレイ」です。

All Delay Types And How To Use Them | Lesson | Thomann

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SOURCE AUDIO ( ソースオーディオ ) / SA260 NEMESIS DELAY

SOURCE AUDIO ( ソースオーディオ ) / SA260 NEMESIS DELAY

デジタルディレイとピンポンディレイの使い方

デジタルディレイは、まるで元の音のレプリカのような正確性があるところは素晴らしいのですが、一方で音を小さくしても音がはっきり聞こえすぎてしまうことがあります。

そのため、ギターソロやリズムギターのように「ディレイ音で大切な音・演奏がかき消されたくないとき」は、使うディレイの種類を変えたり、ディレイ音の音量に気をつけるとよいでしょう。

ディレイの種類:その他のおもしろいディレイタイプ

ここまでご紹介したのは、ディレイの中でも特に使われていることの多いディレイです。

しかしディレイの種類はこれに留まらず、非常にたくさんの種類があります。

ここからは、その中でもおもしろいディレイである「ビットクラッシャーディレイ」「リバースディレイ」をご紹介しますので、ぜひその音のキャラクターを楽しんでください。

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ビットクラッシャーディレイ「D1」

Walrus Audio ( ウォルラスオーディオ ) / MAKO Series D1 High-Fidelity Delay V2

Walrus Audio ( ウォルラスオーディオ ) / MAKO Series D1 High-Fidelity Delay V2

リバースディレイ

SOURCE AUDIO ( ソースオーディオ ) / SA260 NEMESIS DELAY

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その他ディレイに関するDTMテクニック

その他にも、ディレイや空間系エフェクトに関するDTMテクニックはたくさんあります。

当サイトでは多数紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください↓


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