ゲーム・映像音楽 音楽理論

【音楽理論】ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽を解説【後編】

The MIXOLYDIAN Mode is Really Kind of Goofy

今回は、8-bit Music Theoryが解説する「ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽」をまとめました。

ゼルダの伝説、ファイナルファンタジー、ポケモン、マリオなど、ゲーム音楽にはミクソリディアンモードを使った楽曲が数多くあります。

「モードを使った作曲にチャレンジしたい!」「もっとモードを使いこなせるようになりたい!」という方には必見の内容です!

今回ご紹介する楽曲

・「クロノクロス」より「マブーレ ホーム」
・「MOTHER2 ギークの逆襲」より「カオスシアター」
・「パイロットウィングス64」より「セレクト画面」
・「ファイナルファンタジー6」より「エピタフ」
・「クロノトリガー」より「ガルディア王国千年祭)」

前編はこちら

ミクソリディアンを使ったゲーム音楽:クロノクロス「マブーレ ホーム」

マブーレ ホーム

はじめにご紹介したいのが、「クロノクロス」の「マブーレ ホーム」です。

メロディーはミクソリディアン(♭7th)を使いながら、コードは常にGメジャーコードを使い、軽快かつ古風なイメージを演出しています。

6:24~6:34

The MIXOLYDIAN Mode is Really Kind of Goofy
ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽

ブルースな雰囲気を出せる?

基本的にメジャーコードの上にミクソリディアンを使うときは、ブルーな雰囲気を出すために使われることが多いです。

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽

「ブルースの雰囲気を出す音使い」といえば、ブルーノートを思い浮かべる人も多いでしょう。

ミクソリディアンと同様に、ブルーノートも♭7thが使われているため、ブルーノートを使った時のようなブルースの雰囲気が、ミクソリディアンの時にも現れるのです。

ミクソリディアンを使ったゲーム音楽:MOTHER2 ギークの逆襲「カオスシアター」

Dead End Chaos Theatre

「MOTHER2 ギークの逆襲」の「カオスシアター」のテーマ曲では、この「ブルーな雰囲気を出す」という用途で♭7thが使われています。

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽

♭7thや♭3rdの音の時に少しシャープにピッチベンド(音程をクイッと上げる/下げる)をしているのもポイントです。

6:55~7:06

The MIXOLYDIAN Mode is Really Kind of Goofy

今回のテーマであるモードではありませんが、ブルーノートを使うことで似たようなイメージの変化を与えることができる良い例です。

ミクソリディアンモードを使うときのコード作成のしかた(モーダルコード)

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽

ミクソリディアンモードを使う時にコードを作成する場合は、他のメジャースケールでは見られない、モード(スケール)の中で特徴的な音を使ってコードを作成するとよいでしょう。
※正確に言うとモード音楽にコード・ハーモニーは存在しませんが、モードを使って調性音楽のようなコード=モーダルコードを使用する場合を指しています

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽

例えばGミクソリディアンスケールなら、BとF(メジャー3rdと♭7th)を使い、G7(G,B,D.F)を使うとよいでしょう。

この場合のG7のようなドミナント7thであれば、トニック(C)に向かいやすくなりますので、その点でも音楽を作りやすくなるでしょう。

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽

ミクソリディアンを使ったゲーム音楽:パイロットウィングス64「セレクト画面」

Pilotwings 64: Mission Menu HD

そのモードらしさを出せるコードをキープし続けることで、よりモードの雰囲気を出す方法もあります。

「パイロットウィングス64」の「セレクト画面」のテーマ曲ではこの手法が使われており、ドミナントコードをしばらくの間キープし、よりミクソリディアンらしさを出しています。

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽

実際に聞いてみると、前編でもお話した「少し気の抜けた感じ」があることがわかります。

7:54~8:00

The MIXOLYDIAN Mode is Really Kind of Goofy

今では「モード」というよりも「ブルーノート(ブルーサウンド)」として聞かせたい・聞く場合が多くなってきました。

例えば、このパイロットウィングス64のテーマ曲のクラヴィネットのソロパターンにおいても、ブルーノートやブルースでよく使われる音がたくさんあります。
半音上がる/下がる装飾音、♭VII→IではなくVI→Iの解決、メジャーブルースの利用、♭VII→VII→Iのファンキーな移動

メジャーブルーススケール:1,2,♭3,3,5,6

マイナーブルーススケール:1,♭3,4,#4,5,♭7

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽

8:27~8:35

The MIXOLYDIAN Mode is Really Kind of Goofy

これもまたミクソリディアンではなく、ブルースをルーツに持つファンクで使われる音使いですが、これもまた♭7thが多用されている例です。

ミクソリディアンを使ったゲーム音楽:ファイナルファンタジーVI「エピタフ」

[Video Soundtrack] Epitaph [FINAL FANTASY VI]

次にご紹介するのは、「ファイナルファンタジーVI」の「エピタフ」のテーマ曲です。

先ほどまでの「気の抜けたマヌケな感じ」とは違う、「非常にほろ苦いサウンド」の例です。

ミクソリディアンモードで「ほろ苦いサウンド」を作る方法

前編でもお伝えした通り、ミクソリディアンモードでは7thがフラットになるため、例えばGミクソリディアンモードの場合はG→Fという動きが多用されます。

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽

これを応用し、今度は同じF(♭7th)を含むコードを使ってみます。

例えば、FではなくDマイナーコードです。

GメジャーコードならDメジャーコードになるところですが、ミクソリディアンのときは♭7thになるため、Dマイナーコードとなります。

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽

この「エピタフ」のテーマ曲でも、「I→Vm」の動きで、メジャーキーの雰囲気はありつつも、どこか哀愁漂う雰囲気になっています。

まさに「ほろ苦い」イメージになります。

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽

それではこれらを踏まえて、楽譜を見ながら聞いてみましょう。

9:35~9:49

The MIXOLYDIAN Mode is Really Kind of Goofy

ミクソリディアンを使ったゲーム音楽:クロノトリガー「ガルディア王国千年祭」

ガルディア王国千年祭

先ほどの「エピタフのテーマ」と同じパターンが、「クロノトリガー」の「ガルディア王国千年祭」でも使われています。

軽快な6/8拍子のリズムとアップビートが、Vコードのマイナー感を上手に隠しています。

しかしほんの少し「ほろ苦さ」が残るので、「単純に軽快で安っぽい感じ」と「苦さ」のギリギリのラインを責めており、ほどよい塩梅になっています。

10:13~10:30

The MIXOLYDIAN Mode is Really Kind of Goofy
ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽
ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽

先ほどご紹介した「クロノクロス」の「マブーレ ホーム」の古風さと同様に、こちらもまさにゲーム中の設定である「中世」もよく表現できています。

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽の総まとめ

このシリーズでは、ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽を多数ご紹介しました。

とても盛りだくさんの内容でしたが、ミクソリディアンモードを使って楽曲にさまざまなバリエーションが加えられることをご理解いただけたかと思います。

また、ゲームの内容やシーンをご覧いただいて分かる通り、ドリアンモードには非常に様々な使い方があり、多種多様な雰囲気を作ることができます。

・気の抜けたマヌケな感じ
・ほろ苦い雰囲気
・冒険のワクワク感


以上で解説は終了です。

当サイトでは他のモードについてもゲーム音楽をベースに解説していますので、ぜひこちらもご覧ください↓


人気記事

1

今回は「絶対に買って損しない、おすすめDTM音源・プラグイン」をまとめました。特に多くの音楽プロデューサーに愛用され、世界中でベストセラーになり、買っても絶対に損しないと思えるプラグインはかなり絞られます。ここでは初心者からプロまで使えて「これさえ買っておけば問題なし」と断言できる「世界で愛用されているおすすめDTM音源・プラグイン」をご紹介します。

2

今回は、数々の音楽制作動画をアップしているAnother Producerが解説する「無料で使えるバーチャルインストゥルメント集」をまとめました。 この記事でご紹介するのは、そのうちの「アコースティッ ...

3

この記事では、世界中の作曲家・音楽プロデューサーが使っているおすすめのブラス(金管楽器)音源をご紹介します。同じ楽器でも音源によって音色が少し異なりますので、複数持っていると使い分けることができるほか、レイヤーしたときもリアルさと壮大さを増すことができます。

4

今回は、音楽好きの方や音楽家・DTMerにおすすめのふるさと納税返礼品をまとめてご紹介します。楽器本体、楽器関連機器、パソコン関連機器、音楽関係のチケット、音楽関係の雑貨など、音楽に関係する返礼品は非常にたくさんあります。気になる返礼品があれば、ぜひチェックしてみてください!

5

今回は、世界中のプロに愛用されているoeksound社「soothe3」の使い方をまとめました。とても使いやすく、初心者でもプロ並みのミックスができるようになるこのプラグインについて、その魅力や使い方を解説していきます。

6

今回は、イギリスの音楽プロデューサーOceanが解説する「プロになるためにやってはいけないこと」をまとめました。音楽プロデュース歴10年、ヒップホップを中心にこれまで数多くの楽曲提供を行なっているOceanが正直に解説します。

7

今回は、キラキラ系エフェクトプラグイン「Bismuth」の魅力と使い方について解説します。Bismuth(蒼鉛)という名前の通り、金属や宝石を思い起こさせるようなサウンドを作ることができるプラグインです。特にダンスミュージックで使えるサウンドが手軽に使えます!

8

今回は、イギリスの音楽プロデューサーOceanが解説する「プロになるためにやってはいけないこと」をまとめました。音楽プロデュース歴10年、ヒップホップを中心にこれまで数多くの楽曲提供を行なっているOceanが正直に解説します。

9

今回は、ポップスの楽曲を作る人におすすめのスピーカーを5つご紹介します。世界で活躍する超人気音楽プロデューサーが実際に使用している機材のみをご紹介していますので、どれを買っても間違いではありません。スピーカー購入を検討している方は、ぜひご予算や設置スペースに合わせてチェックしてみてください。

10

今回は、世界中の作曲プロの声を参考に「DAWの選び方完全ガイド」をまとめました。これからDTMをはじめようと思っている方、DAWの種類が多すぎて迷っている方、これから複数のDAWを使い分けて効率よく作曲をしていきたい方のための内容です。

-ゲーム・映像音楽, 音楽理論