Logic Pro付属のコンプレッサーの特徴・使い方まとめ【海外プロ解説】
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このような方向けの内容です。
ちなみにLogicユーザーでない方もタメになる内容になっています。
前回の「コンプレッサーの種類と違いを徹底解説!」に引き続き、今回はMark Cousinsが解説する「Logic純正コンプレッサーの特徴と使い方」をまとめてみました。
Logicのプラグイン「Compressor」で使えるコンプレッサーのタイプは、全部で7つ。
今回はこれらについて解説していますが、Logicユーザーでない方でもご安心ください。
今後どんなコンプレッサーを見ても「あぁ、あのタイプね」と、ある程度イメージできるようになります。
「Opto・FET・VCAって何?」という方は、こちらをご覧ください。
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はじめに
このガイドでは、Logicのコンプレッサーの主な音の違いと、各サーキットタイプにおける「よく使われやすい設定」について解説します。
(「サーキット」は日本語で「回路」という意味です)
もちろんいざというときには、あなた自身の耳が「あなたのガイド」になります。
コンプレッションの「いい」「悪い」は、機械ではっきりとわかるものではないからです。
Busに使ったFETコンプの音がよければそれを使えばいいし、 ごく普通のPlatinum Digitalの設定を使ったコンプの音がよければそれを使えばいいのです。
それでは具体的に、各サーキットタイプの特徴を使いどきを解説していきます。
1. Platinum Digital
Platinum Digitalは、Logicの中でもごく普通のコンプレッサーです。
コンプレッションはよく効きますが、音楽的なコンプレッションにはなりません。
デフォルトの設定はこのようにしておくと便利です。
Threshold→-30あたり
Knee→1.0
Attack→20ms
Release→100ms
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2.Vintage Opto
Vintage Optoは、LA-2Aをモデルとした、Platinum Digitalよりもレスポンスが速いコンプレッサーです。
画像:LA-2A(https://media.uaudio.com/assetlibrary/t/e/teletronix_la2a_carousel_1_1.jpg)
音はよりソフト且つ音楽的になり、音の鳴り方がよりよく強調されます。
ためしに、同じ設定でコンプのサーキットだけ変えた時に、どれほどレスポンスが速くなったかを見てみてください。
ディストーションも活用しよう
またVintageコンプでは、ぜひ「ディストーションモード」を試してみてください。
最初は「Soft」の設定にし、次にディストーションをかけてみると(Hardにする)、倍音のサチュレーションがかかったことがわかると思います。
3.Vintage FET
Vintage FETは、「Bluestripe 1176」をモデルにしたコンプです。
Bluestripe 1176はコレです(https://d2ijz6o5xay1xq.cloudfront.netより)
LA-2Aをモデルにした「Vintage Opto」と比べ、もっとリアクションタイムが速くなっています。
Platinum Digitalよりもコンプレッションは音楽的になります。
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4. Studio FET
Studio FETも「1176」をモデルにしたコンプで、同じく即効性のあるコンプレッションが特徴です。
1176 Rev E “Blackface”はコレです(https://www.musictech.netより)
Vintageモデルに比べて、少しだけサチュレーションが少ないです。
また、Studio FETはパラレルコンプレッションに最適のサーキットタイプです。
ドラムに使うと、少しだけピシャッと打ったような感じになります。
5.Studio VCA
VCAコンプは「Focusrite Red3」をモデルにした、「前に出ている感」が少ないことがよりはっきりわかるコンプです。
Focusrite Red3はコレです(https://media.sweetwater.comより)
ためしに、耳を一旦リセットするためにVintage FETで音を聞き、次にStudio VCAにして聞いてみてください。
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6.Vintage VCA
Vintage VCAはSSL Buss Compressorをモデルにしたもので、Kneeコントロールが加わったコンプです。
SSL Buss Compressorはコレです(https://andertons-productimages.imgix.netより)
ドラムにかけたとき、このコンプがどれだけドラムの「一体感」を生み出しているかをチェックしてみてください。
特に小さい音で叩かれているときの音に注目です。
7. Classic VCA
Classic VCAは、dbx 160をモデルにしたコンプです。
dbx 160はコレです(https://media.uaudio.comより)
ハードウェアと同様に、Classic VCAは「飾りのない」コンプです。
Vintage VCAのモデルにもなったSSLのように「まとまり」を作る効果はあるものの、操作はややわかりにくいです。
Kneeの可視化
ちなみにClassic VCAでは、コンプレッションの具合をビジュアルで確認することができるグラフがあります。
Input/Outputのグラフでは、信号レベルに対してどれだけコンプレッサーがかかったかを表示しています。
より高いRatioにしていると、ラインが大きく振れます。
Kneeはトランジション部分(推移している部分)で確認できます。
最後はMixの調整
ここまではコンプの特徴や設定について話してきましたが、設定の最後は「Mix」の値を調整していきましょう。
Mixの値を減らし、コンプレッサーをかけた音とかけていない音のバランスをとっていくのです。
トランジェントをつぶすようなコンプレッションは、Mixレベルに応じて音にボディ(厚み)を与えます。
まとめ
今回はさまざまなスタイルやタイプのコンプレッサーについて解説してきましたが、それぞれを自分で比較しながら使ってみましょう。
たとえばドラムにコンプレッサーをかけたとき、どれも「コンプレッサーのかかったドラム」ですが、音楽的観点から見ると、それぞれ違いが出てきます。
これがコンプレッションの「アート」です。
さらに、コンプを組み合わせて使うことも可能ですので、ぜひためしてみてください。
この記事の前半「Opto・FET・VCA」の意味についてのまとめはコチラからご覧いただけます。
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