DTMで使うコンプレッサーの違いとは?Optical・FET・VCAの3つを解説!
- 2019.11.11
- ミキシング・マスタリング
- ミキシング, マスタリング

今回はこのようなお悩みにお答えする内容です。
こちらの記事「Mark Cousinsが解説する、コンプレッサーの種類『Optical(Opto)・FET・VCA』」の解説部分をまとめてみました。
「このコンプレッサーにはどんな歴史があり、どのように使いこなせばいいか」がわかるようになります。
ぜひ最後までご覧ください。
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Logic Pro付属のコンプレッサー「Compressor」について
元記事では、Logic Pro付属のコンプレッサー「Compressor」を元に解説されています。
これをLogicで立ち上げると、このような画面になります。
一見普通のコンプレッサーに見えますね。
しかし画面上部を見ると、「Platinum Digital」「Studio VCA」などさまざまな種類(サーキットタイプ)に切り替えられるのです。
切り替えると、この画像のように画面が変わります。
たくさん種類があるのは嬉しい反面、逆にどれを使ったらいいかわからず、悩んでしまう方が多いようです。
そこでここからは、これら各サーキットタイプの特徴や使い方を具体的に解説していきます。
3タイプのコンプレッサー
コンプレッサーには、これら3つのタイプがあります。
FET
VCA
これら3つはすべてLogicのコンプレッサーにもあるサーキットタイプですね。
1.Opticalコンプレッサー(オプトコンプ)
まず最初の「Optical(以下「オプトコンプ)」は、Teletronix LA-2Aなどで有名になった、いわゆる光学コンプレッサーです。
※「Optical」は英語で「光学」という意味です
オプトコンプでは、適用するゲインリダクションの量を制御するために光量や光学セルを使っています。
入力信号に反応した光量が増えるほど、ゲインリダクションが増えるしくみです。
Logicにある「Vintage Opto」は、Logicにあるヴィンテージコンプの中では、間違いなく最も古いものでしょう。
よりやわらかく、レトロっぽさを出すコンプをかけたいときに最適です。
また、他に比べてより「カラフルな」サーキットタイプでもあります。
もしより存在感を出すためにアナログ的なサチュレーション効果が欲しいなら、これを使うとよいでしょう。
2.FETコンプレッサー
2つ目のコンプレッサー「FET」は、フィールド・エフェクト・トランジスタの略です。
これはオプトコンプの問題、すなわち遅いアタックとリリースタイムの問題を解消するためにデザインされたコンプです。
FETコンプの特徴
Vintage Optoと比較すると、Logic付属のStudio FETやVintage FETは非常にレスポンスが速いです。
そのため、アタックを速めるとシャープなトランジェントをかんたんに弱めることができ、より制限しやすくなります。
「カラフルなコンプレッション」がお好きな方にはこの2つのコンプがおすすめです。
わずかにサチュレーションをかけ、透明感があるというよりは、存在感のあるコンプレッションをすることができるからです。
何をモデルにしたコンプ?
専門的な話をすると、この2つのコンプはUREI 1176をモデルとしたものです。
LogicにあるStudio FETはUREI 1176 “Blackface”をモデルに、Vintage FETはよりサチュレーションがあるUREI 1176 “Bluestripe”をモデルにしたものです。
FETコンプの使いどころは?
「カラーづけのクオリティ」について言うと、そのレスポンスの速さから、この2つのサーキットタイプはドラムやボーカル、ベースやギターに最適です。
パラレルコンプレッションなど、固有の構成要素に対してコンプを使いたい場合にも最適です。
すべてのアクションをしっかりとらえられるからですね。
逆に、ストリングスなど、よりわかりやすいゲインリダクションのコントロールが必要なもの、バスを通してコンプレッションをかける場合にはおすすめしません。
(ちなみにiZotope社のコンプレッサーに関するある記事では、「FETコンプはギターやドラムなどに使い、マスタリングで使うことは避けている」とエンジニアが答えています)
3.VCAコンプレッサー
VCAコンプもFETと同じくらいリアクションが速いコンプですが、よりはっきりとしたサウンドになります。
LogicにはClassic、Vintage、Studioの3種類のサーキットタイプがありますが、それぞれ微妙に設定やサウンドに違いがあるのです。
Vintage VCA
“Vintage VCA”はSSL Bus Compressorをベースにしたもので、これは最も万能なVCAコンプレッサーです。「Soft Knee」の設定ができ、サウンドグループに対してよくはたらきます。
Studio VCA
“Studio VCA”はFocusrite Red 3 Compressorをもとにして作られ、もともとのデザインは保ちつつも、Kneeのコントロールは省かれています。(上の写真の通り、Kneeのツマミがありません)
Classic VCA
VCAサーキットの中で最もシンプルなのがClassic VCAで、dbx 160 Compressorをベースにしています。
本家と同様、AttackやReleaseのコントロール(ツマミ)がありません。
そのため、ThresholdとRatioだけを使って調整することになります。
ドラムのキャラクターや「つながり」のバランスを取りたい時に使えます。
なお、Logic付属のコンプレッサー7種類についてより詳しく知りたい方は、この記事の続きをまとめたこちらをご覧ください↓
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