【DTM】インターサンプルピークって、何?いつ使うの?

【DTM】インターサンプルピークって、何?いつ使うの?
「インターサンプルピーク」って何?DTMをやってるときは気にする必要あるの?

このような疑問にお答えする内容です。

数々のプラグインを販売し音楽教育も行なっている「Production Music Live.com」が解説する「インターサンプルピークって何?」をかんたんにまとめてみました。

特にマスタリングにおいて重要なパラメータとなるのですが、これはいったい何なのでしょうか?

さっそく解説を見ていきましょう。
※記事中の「筆者」は、Production Music Live.comの解説者本人を指します。

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マスタリングで起こる、ある1つの問題

マスタリングは、リミッターをかけることでトラックが0dBを超えないように処理するでしょう。

しかし、DAW側で「クリッピングしていません」と判断しても、アナログオーディオに変換した際に音が歪んでしまうことがあります。

今回は、ISP(インターサンプルピーク)と呼ばれるこの問題の解決方法をご紹介します。

筆者の経験

筆者も以前はPeakが0dBになるようにマスタリングしていました。

つまり、リミッターの最大値になるようにリミッターを使っていたのです。

ある日筆者が友人に自分のトラックを送ると、彼はそのトラックをアナライザーにかけてくれました。

そして、「筆者のトラックがときどきクリッピングしている」と教えてくれたのです…

“DAW上ではクリッピングしていないのにも関わらず”です。

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何が起きているのか?

mp3に変換した自分が作ったトラックを送る前に、あらゆるストリーミングサービス(SoundCloud, YouTube, Spotifyなど)が”あること”をやっています。

mp3への変換作業の間、”復元フィルター”はステップ状(階段状)のデジタルオーディオ信号へと四捨五入します。

この四捨五入によりオーディオファイルのサイズが小さくなる恩恵を受けますが、一方でオーディオレベルに多少の変化が起こってしまいます。

こちらが、アナログ信号における変換の様子です。


画像:記事より

グレーの欄がデジタル化されたステップ状のサンプルで、緑・赤の曲線が元のアナログ信号です。

DAWで音を聞いているとき、僕らはデジタルオーディオを聞いています。

表を見ると、0dBで収まっていることがわかります。

しかし、デジタルからアナログへの変換処理時(Digital to Analog, DTA)は、信号はステップ状のサンプルから、なめらかな波形へと変換されます。

波形のTrue Peakは2つの測定ポイント(44.1kHz/s)の間になっていますが、あなたが使うリミッターはこれを検知しないのです。

そしてオーディオの曲線は0dBを行ってしまい、音が歪みます。

(上の図で言う赤い部分)

ピークがデジタルサンプルの間で作られるため、これをインターサンプルピーク(Inter-Sample-Peak)と呼びます。

インターサンプルピークを避けるには?

最も簡単な方法は、トラックによりヘッドルーム(余白)を与えること。

一番最後にかけるリミッターにおけるパラメータ(OUTPUTなど)の最大値を下げたり、Masterの音量フェーダーを下げたりする、などです。

多くのマスタリングエンジニアは、0.3~1dBのヘッドルームを設けています。

インターサンプルピークにおけるトラブルはかろうじて聞こえる程度のものであり、あまり気にする必要はありません。

しかし、0dBまで=限界値までリミッティングすることで歪みが起こってしまうのは疑いようがないことです。

自分のトラックを歪ませたくないのであれば、シンプルにヘッドルームを設けましょう。

特にボーカルやピアノなど、歪ませたくないパートにおいては重要になります。

また、DAWの「Converted To Analog」のレベルでもチェックできます。

True Peak Meteringと呼ばれ、これらのプラグインがあります。

dpMeter II(無料)

K-Meter($49)

WLM Plus Loudness Mete($399)

最後のWaves WLM Plus Loudness Meterについては、単体で買うよりもバンドルで買ったほうがかなりお得です。

他にもプロ御用達のプラグインがたくさん入っていますので、Waves Diamondを買うことをおすすめします!