音楽レーベルにデモを送るとき、気をつけるべきことはありますか?
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
あの世界的音楽レーベル「Armada Music」が答えた「デモの送り方に関するQ&A」をまとめました。
この記事ではPart2として、21~20個目のQ&Aをご紹介します。
Armada Music直伝 デモの送り方シリーズ
Q11.デモはミックス・マスタリングした方がいいですか?マスター版の方がいいですか?
A1.可能であれば、した方がよいでしょう。
確かにマスター版の方がA&Rに好まれやすいです。
しかしA&Rは全ての新人アーティストがノウハウを知っているわけでもなく、マスターバージョンをデモとして送れるだけの金銭的余裕があるわけではないことも理解しています。
また、多くのレーベルは自社でマスタリングサービスを持っているので、そこまで気にする必要はないと思います。
マスター版の方がA&Rにいい印象を与えることができることは事実です。
しかしあなたの音楽自体がA&Rの興味をひくものであれば、それはさほど関係ありません。
Q12.他の会社に同じデモ音源を送ってもいいのですか?
A2.正直、あまりおすすめはできません。
想像してみてください。
あるレーベルから「契約しましょう」といい返事をもらったとき、「ちょっと待ってください。他のレーベルから返事が来てないので、それからでもいいですか?」と言いますか?
そんなことしたらせっかくのチャンスも消え、どの会社からもオファーが来なくなるでしょう。
あくまでもあなたは「選ばれる立場」であり、「選ぶ立場」ではありません。
もしそうでないのなら、デモを送らなくともとっくにデビューしているでしょう。
こちらのアドバイスとしては、まず一番最初に契約したい・仕事をしたいと思うレーベルを選び、デモを送りましょう。
そのレーベルに契約の意思がないのであれば(返事がこないなど)、別のレーベルに送りましょう。
Q13. 時短したいので、イントロとアウトロをカットしたバージョン(曲の大事な部分だけ作ったもの)を送ってもいいですか?
A3. 個人的な意見ですが、「Radio Edit」ではなく、単にイントロとアウトロをカットしたものであれば意味がないと思います。
「Radio Edit」と「単にイントロとアウトロをカットしたもの」は、全く別物です。
Radio Editはビルドアップなど、しっかりとした構造があります。
単に短くした曲は、結局「変なフルバージョン」になってしまいます。
もしやるなら、Radio Editを作った方がよいでしょう。
Q14. デモ音源はRadio Editで送った方がいいですか?
A4. 必ずしも、いつもRadio Editにする必要はありません。
これはジャンルによります。
たとえばトランス、テクノ、その他クラブ系ジャンルの場合、Extendedバージョンやフルバージョンでもよいでしょう。
しかしもしハウス・ディープハウス・その他ラジオなどの放送局でよく流されるようなジャンルの場合は、Radio Editの方が好ましいです。
Q15.プロデュースしていないDJでも、もっと知名度を上げたいと思っているのであれば契約の可能性はあるのでしょうか?やっぱりすでにファンが多い「エリートDJ」しか可能性はないのでしょうか?
A5.プロデュースしてキャリアを積んでいない限り、レーベルと契約したり、サポートしてもらうことは難しいです。
基本的に、レーベルは「曲をリリースする場所」であって、「ステージを用意する場所」ではありません。
またこれに関し、アドバイスが2つあります。
- イベント・ライブを紹介してくれるブッキングエージェントを探し、ステージに立つことを通してファンを獲得しましょう。
- 音楽プロデュース(作曲)を学んでみましょう。
楽曲をプロデュースせずにスーパースターになるDJはごくまれです。
それができれば目立てますし、認知度も上がります。
大変な道かもしれませんが、いい結果が待っているはずです。
Q16.サビ・ドロップ・ブレイクダウン部分だけ送る人は多いですか?
A6.具体的な数はわかりませんが、そのように送る人はいます。
ですが、この方法はおすすめしません。
曲の大事な部分がなく、フルで聞けないからです。
A&Rは「ブレイクダウン・サビ・ドロップ部分が来る前に、あなたの楽曲がリスナーをどこまで興味を持たせ続けられるか」を見たいのです。
そのため、一部分だけ送るのはおすすめしません。
Q17.宅録した音源でも大丈夫ですか?
A7.大丈夫です。
Q18.デモが採用されたとき、アーティスト側で何かお金を払う必要はありますか?
A8.ありません。
もしレコード会社側がそう言ったのなら、詐欺の可能性が高いでしょう。
Q19.デモに対してフィードバックをもらいたいのですが、何か方法はありますか?
A9.直接デモを渡せるイベントに参加するか、Sound Cloudでフィードバックが得られるでしょう。
例えば 「Amsterdam Dance Event」や「Armada Talent experience」のようなイベントです。
このような場で直接デモを渡すか、Sound Cloudに投稿し、コメント=フィードバックを得るのがよいでしょう。
Q20.YouTubeに投稿した作品のリンクを送ってもよいですか?
A10.YouTubeのリンクでもよいですが、Sound Cloudの方がおすすめです。
ただし、A&Rによって好むデモの形態はさまざまです。
Sound Cloudのアカウント登録は無料ですし、色々な人に聞いてもらいやすいので、もしアカウントを持っていないのなら作ってみてください。
Part2はここまで!
次回はPart3として、「デモを送り続けてブロックされてしまうことはある?」「SNSでフォロワーが多い人の方が有利?」などの質問を10個ご紹介します。