ドラムに使える9つのリバーブ(Reverb)テクニック-後編-【海外プロ解説】

ドラムに使える9つのリバーブ(Reverb)テクニック-後編-【海外プロ解説】
他のパートとドラムがなじまず、ドラムだけ浮いている…
ドラムをもっと広がりのあるサウンドにしたい!

 

今回はこのようなお悩みにお答えする内容です。

 

世界的に有名なプラグイン・ソフトウェアを開発しているiZotope社が解説する「ドラムに使える9つのリバーブ(Reverb)テクニック」をかんたんにまとめてみました。

今回は後編として、9つのうち5~9個目のコツをご紹介します。

 

これらの方法は、音に微妙な重み、深み、まとまり、インパクトを加えるためのテクニックです。

音がわかりやすく変わるわけではありませんが、プロっぽいサウンドにするためには不可欠な方法ですので、ぜひご覧ください。

 

↓↓↓前編はコチラ↓↓↓

 

ドラムに使える9つのリバーブ(Reverb)テクニック-前編-【海外プロ解説】

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5.スネアリバーブのよくある間違いを避ける

 

5つ目のコツは「スネアリバーブのよくある間違いを避ける」です。

気に入らないスネアのリバーブに対しては、1秒たりとも時間を費やさないようにしましょう。

こちらが悪いスネアリバーブの例です。

 

 

よくないサウンドになる原因がわかるまで、マクロレベルで突き詰めていきましょう。

 

 

こちらはちょっと調整したバージョンですが、まだ安物感があり、何かがひっかかります。

これを解決するには、リバーブ内の音を、音色と時間それぞれに対して修正を加えていくとよいでしょう。

 

 

これがさらに修正を加えたバージョンです。

一つ前の音源とほとんど同じですが、Early Reflectionのレベルは下がり、Early AttackはEarly Reflectionの後半部分を優先させるように変更されました。

Tail部分は広く短くなり、よりフィットするようになりました。

 

6.リバーブのかかったスネアをピッチシフトする

 

6つ目のコツは「リバーブのかかったスネアをピッチシフトする」です。

 

リスキーな方法ではありますが、うまく使えば音に新しい要素を加えることができます。

たとえば、チープなサウンドのスネアに厚みを加えたり、あたたかみのある響きを足すなどの効果が期待できます。

 

やり方

 

1.スネアをBusに送ります。

2.Gateをかけ、最も大きいヒットのみを通すようにします。
(ゴーストノートなどの小さい音は通さないようにします)

3.曲のキーやスネアの音がいい感じにフィットするように、ピッチシフターでピッチを下げます。

4.ハーモニックディストーションをかけ、少し音を壊します。
(アンプエミュレートでもOK)

5.適切なタイミングになるようにリバーブをかけます。
(ここでの設定は曲によって変わるので、ご自身で調整してください)

 

こちらが最終的なリバーブだけの音。

 

 

こちらが全体の音です。鋭さが加わっています。

 

 

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7.スネアのリバーブ音をカリカリにさせるディレイ&スネアのコンボを使う

 

7つ目のコツは「スネアのリバーブ音をカリカリにさせるディレイ&スネアのコンボを使う」です。

 

スネアのリバーブ音をもっとパリっとさせたいのであれば、リバーブの前にディレイを使いましょう(Pre Delayではありません)。

通常のスネアに、ディレイとリバーブを加える…これがコンビネーションです。

ディレイはボトムスネアにかけ、後からトップスネアと混ぜましょう。

 

こちらがディレイなしのバージョン。

 

 

そしてこちらがディレイありのバージョンです。

 

もしスネアボトムのトラックがない場合は、以下の手順を行いましょう。

 

1.トップスネアを複製
2.複製したトップスネアにハイパスフィルターを使う
3.EQやディストーションでHighを強調させる
4.ディレイをかける

 

これでフェイクのボトムスネアができます。

 

8.スネアリバーブをEQ&変形させる

 

8つ目のコツは「スネアリバーブをEQ&変形させる」です。

 

いいリバーブを作るには、やはり外的な処理、EQやディストーションなどが必要です。

こちらが何もしていないDryのバージョン。

 

 

そしてこちらがEQとディストーションを加えたバージョンです。

 

 

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9.キックにBoomyなコンサートホールリバーブを加える

 

最後9つ目のコツは「キックにBoomyなコンサートホールリバーブを加える」です。

 

「キックにリバーブなんて…」と思う方もいるかもしれませんが、実は非常に効果があるのです。

 

まずはDryのキックを聞いてみましょう。

悪くはないのですが、Low成分が足りず、薄く聞こえます。

 

 

ここでEQを使うのももちろんいいのですが、リバーブを使うとLowがあるように聞かせることができ、大変便利です。

 

リバーブを使うときは、以下のようにしましょう。

 

・叩いた時の音を強調させるためにEarly Reflectionを変更する

・音の立ち上がりとバラバラにならないよう、Pre Delayは削除する

・ローパスフィルターを強めにかける

・ローエンドが広がりすぎないよう、Sizeは小さめにする

 

これらの処理を終えたらEQをリバーブの前にかけ、76Hz付近をブーストします。

 

こちらがキックにかけたリバーブのみの音のサンプルです。

 

 

全体で聞くと、このようになります。

 

 

まとめ

 

今回ご紹介したテクニックはコチラ。

 

5.スネアリバーブのよくある間違いを避ける

6.リバーブのかかったスネアをピッチシフトする

7.スネアのリバーブ音をカリカリにさせるディレイ&スネアのコンボを使う

8.スネアリバーブをEQ&変形させる

9.キックにBoomyなコンサートホールリバーブを加える

 

どれも音をより豊かに、プロっぽくすることができるテクニックですので、ぜひおためしください。

 

↓↓↓前編はコチラ↓↓↓

 

ドラムに使える9つのリバーブ(Reverb)テクニック-前編-【海外プロ解説】