ローファイヒップホップ(LoFi HipHop)ってどうやって作ったらいいの?
どうやったらローファイっぽいサウンドになる?
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
イギリスの作曲テクニック・テクノロジー雑誌「FutureMusic」が教える「ローファイサウンドにするための9つの方法」をまとめました。
このようにレトロで懐かしい感じのサウンドは、一体どうやったら作れるのでしょうか?
今日からすぐ実践できる内容ですので、ぜひお試しください!
記事の最後には、ローファイヒップホップを作るのに役立つプラグイン・音源もご紹介します
LoFiヒップホップを作るコツ1:オーバードライブ・ディストーション・サチュレーションを使う

1つ目のコツは、「オーバードライブ、ディストーション、サチュレーションのエフェクトを使う」です。
「ローファイ感」や「サウンドがレトロな感じ=いい具合に劣化している」と同義だと言えるのがディストーション系エフェクトです。
ドライブ・ディストーション・サチュレーションなどのプラグインを使って波形を壊す(クラッシュさせる)ことで、ローファイ感を出すことができます。
また、ビットクラッシャー(Bit Crusher)やサンプルレートリダクション(Sample Rate Reduction)などでも、波形を壊したり、より強く音が乱れた感じを足すことができます。
またサチュレーションやドライブでは、かなり強くかけることで音に「熱」や攻撃的な印象を与えることもできます。
LoFiヒップホップを作るコツ2:ノイズを入れる

2つ目のコツは「ノイズを入れる」です。
ローファイヒップホップでは、レコードを聞いたときによく聞く「サーッ」「プチプチ」というノイズをわざと入れていることが多いです。
ネットでノイズのサンプルをダウンロードしてみたり、身近な場所でヒスノイズ、システムノイズ、ハムノイズ、フィードバックや、「本当は鳴ってほしくないノイズ」があるかどうか耳を澄まして聞いてみて、それらを録音してみるのもよいでしょう。
このようなノイズを日頃から採集し、実際にローファイの楽曲で使うことにより、「自分だけの特注ノイズ」を入れてローファイ感を出すことができます。
LoFiヒップホップを作るコツ3:EQとフィルターを使う

3つ目のコツは「EQとフィルターを使う」です。
キラっとした高音域がしっかり録れていたり曲に入っていれば、最先端のキレイなサウンドに聞こえることは誰もがご存知でしょう。
逆に言えば、高音域をカットしたりローパスフィルターを使えば、ローファイ感を作ることができます。
さらに、ローパスフィルターを使うことで、「コツ1」で出てきたディストーションやビットクラッシャーを使ったことで新しく出てきてしまった高音域もカットできます。
高音域がない状態でサウンドに存在感を出すには、EQで狭め・小さめのQ幅で1~6khz付近を持ち上げ、音全体を強調させるようにします。
極端に持ち上げると、ものすごく歪んだ不快な「機材の音」になります。
EQだけでも、壊れた機械を使って再生しているかのようなサウンドを作ることができます。
LoFiヒップホップを作るコツ4:タイムストレッチ

4つ目のコツは「タイムストレッチ」です。
DAWやサンプラーなどにはタイムストレッチの機能があり、音を好きなように短くしたり、長くすることができます。
このような機能を使って極端に時間軸を変更したサウンドは、つまらないサウンドにとてもおもしろさを与えることもできます。
例えばクラッシュシンバルのオーディオデータを2倍の長さにタイムストレッチすると、「シャーン」ではなく「ギギギギギ...」「ザザザザザ...」というサウンドにすることができます。
このように、「時間で遊んでみる」というのもよいでしょう。
LoFiヒップホップを作るコツ5:極端にコンプレッサーを使う

5つ目のコツは「極端にコンプレッサーを使う」です。
ローファイサウンドを作るために音を劣化させたいのであれば、通常のDTMテクニックで使われるルールなどは無視することが効果的です。
多くの場合、コンプレッサーは音をはっきり聞かせたり、出過ぎた音を抑えるために使われます。
一方で、とても強く使うと「ダイナミックな乱雑さ」や動きを与えるのにも役立ちます。
急に音が大きくなったり小さくなったりと、音量に不安定さを出すことができ、それが昔っぽさやローファイっぽさにつながります。
前述でご紹介したEQやディストーションなど昔のアナログ機材をマネた処理と組み合わせて使うと、強力なゲインリダクションにより「クリーンで静的なサウンド」を「活気があり、ローファイ独特の雰囲気があり、より汚い感じのサウンド」に仕上げることができます。
Xfer Records社の無料プラグイン「OTT」ならパラレルコンプレッションができるので、コンプがかかっている音とかかっていない音を、好きなように混ぜることができます。
LoFiヒップホップを作るコツ6:ディストーションを重ねる

6つ目のコツは「ディストーションを重ねる」です。
ものすごくディストーションをかけたような音を作りたいのであれば、BusやSendにオーバードライブなどのディストーション系プラグインをいくつも重ね、その音を送ってみましょう。
一度そのBusをONにすれば、Busを通してオーバードライブが一気にかかり、BusやSendに送る量を調節すれば、好きな分だけオーバードライブをかけることができます。
LoFiヒップホップを作るコツ7:モジュレーションダメージ

7つ目のコツは「モジュレーションダメージ」です。
「モジュレーション」といえば、コーラス(Chorus)やフランジャー(Flanher)、フェーズ(Phase)などの「ハイファイ」なエフェクトが一般的で、よりキラキラと、洗練された音にすることができます。
しかし、使い方によってはよりダークな感じで、グレードを落としたような、レトロ感のあるサウンドにすることができます。
これを行うには、アナログモジュレーションや、SoundtoysやUADなどのエミュレーションプラグインを使いましょう。
このようなプラグインを使うことで、ノスタルジックで鈍い感じのニュアンスを足すことができます。
エフェクトをキラキラせずダークな感じに抑えられますし、昔っぽい(オールドスクールな)感じにすることができます。
LoFiヒップホップを作るコツ8:ビットクラッシャーを使う

ビットクラッシャー(Bit Crusher)は、わざとビット深度を下げることで音を昔っぽく、ザラつきのあるサウンドにするエフェクトです。
ドラムにパンチを加えるときなどによく使われますが、実は低音をもっとローファイらしくすることにも使えるのです。
ビットクラッシャーを使うと金属音のような高音が増えてしまいますが、これもキレイに低音だけ鳴っているサブベースや中低域の存在感を足すことに役立つことがあります。
LoFiヒップホップを作るコツ9:あえて「時代遅れ」にする

普段みなさんが聞いている最先端の楽曲たちは、非常に考えられて、洗練されて作られた楽曲です。
オートパンニングを使ったり、擬似的に音に広がりを持たせたり、ステレオエンハンサーを使ったりと、ステレオ感を出しています。
逆に言うと、「最先端」ではなく「ローファイ」なサウンドにしたいなら、このステレオ感をなくすのがよいでしょう。
たとえばリードシンセのサウンドをステレオ(Stereo)ではなくモノラル(Mono)にして中心からしか鳴っていないように聞かせることで、一昔前っぽいサウンドにします。
もちろんリバーブなどのエフェクト類も、ステレオではなくモノラルの設定で使うのがおすすめです。
ローファイヒップホップを作るのにおすすめのプラグイン・音源
最後に、ローファイヒップホップを作るのにおすすめのプラグイン・音源をご紹介します。
この記事でご紹介したテクニックはDAW付属のプラグインでも実践できますが、プロも使っているようなプラグインの方が、ラクにクオリティ高く音作りがしやすい場合が多いです。
まだお持ちでない方は、ぜひチェックしてみてください↓
ローファイにおすすめのサチュレーション・ディストーション・テーププラグイン
ローファイにおすすめのドラム音源

ローファイにおすすめのベース音源

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