プロになる方法・音大進学

音楽のプロになるためにやってはいけない5つのこと【歴10年の海外プロ解説】

13 Minutes That'll Save You 10 Years in Music Production

今回は、イギリスの音楽プロデューサー・Oceanが解説する「あなたの人生の10年を節約させる13分間」をまとめました。

Oceanは音楽プロデュース歴10年のプロフェッショナルで、ヒップホップを中心にこれまで数多くの楽曲提供を行なっています。

はじめは祖母宅の自室でプロデュースを始めた彼ですが、今ではイギリスのトップアーティストともコラボレーションするほど活躍している人物です。

そんな彼が、この10年で分かった「プロになるためにやってはいけないこと」を解説します。

音楽のプロになるためにやってはいけない5つのこと

音楽のプロになるためにやってはいけないことは、こちらの5つです。

  • 完璧主義がゆえに自分のアイデアを他者とシェアしない
  • 「なぜそれが有効か」をしっかり分析しない
  • Too Muchになる
  • 制作と休憩のバランスが悪い
  • 「自分にはできない」と諦める

それでは1つずつ解説していきます。

音楽のプロになるためにやってはいけないこと1つ目

1つ目は「完璧主義がゆえに自分のアイデアを他者とシェアしないこと」です。

僕(Ocean)はコロナ禍の時に時間があったので、ギターを練習していました。

はじめは本当に下手くそで、頑張って練習してもひどいありさまでした。

スムーズに弾くことができなかったので、コードを1つジャーンと弾いたら録音を止めて、次のコードを用意して弾いてはまた録音を止めて…の繰り返しで、DAW上でつぎはぎのようにギターを録音していました。

チューニングさえもろくにできていませんでした。

ひどい出来だと思いながらもプロデューサーの友達にそのギターのサンプルを送ったところ、そのサンプルを使ってくれて、結果的にはSpotifyで約2000万再生を記録した楽曲になったのです。

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自分と他人は視点が違うかもしれない

この経験から、僕は自分の音楽に対する見方が変わりました。

完璧主義はやめるべきだと思ったのです。

確かに努力することも理想の音を追求することも大切ですが、自分と他人が音楽に対して同じ見方・聞き方をしているとは限りません。

僕の下手くそなギターサンプルのように、自分が「こんなんじゃダメだ」と思う音であっても、他の人にとってはお宝のようなサウンドになるかもしれません。

もし友達にそのサンプルを送っていなかったら、こんなにたくさんの人に聞いてもらえる楽曲を生み出すことはできませんでした。

自分にとっての「100%」になることを待たずに、まずは発信してみることが大切だと思います。

アイデアは100個作れるのに完成するのは1曲だけになっている人へ

僕が音楽を教えている知人の一人は、とても才能があり、テクニックも知識もあります。

コード進行もメロディーの作り方もスケールのことも全部知っています。

しかし、彼のワークフローを見ていると、100個アイデアを作っても最終的に完成するのは1曲しかないことに気づきました。

つまり、曲の完成率が1%なのです。

4~8小節のメロディーやループを作って、次の日になったらまたまっさらな状態から新しいアイデアを作る…というのは、みなさんにもよくあることだと思います。

でも完成しないということは、そのアイデアはただパソコンの中に保存しているだけということです。

これは大きな問題です。

完成させて、発信しよう。完成していなくても、シェアしよう。

「アイデアをちょっと作って終わり」になっている人は、ぜひ曲を完成させることをゴールにしてみてください。

曲を完成させてしまえば、バウンスして友達に聞かせたり、ネットにアップしたり、DJに使えってもらえるようになります。

そうすれば、そこから新しいつながりが生まれるかもしれません。

もし完成していなくても、他のプロデューサーに送れば一緒に曲を作る材料になるかもしれません。

とにかく「パソコンの中で眠って終わり」にするのではなく、「発信・シェアすること」がとても大切です。

ちなみにRick Robinは「僕らは音楽を自分のために作っている。でも1度曲を作ったら、もう僕らのものではない。この世界のためのものになる。」と話しています。

曲を作ったら、自分の手元から離れてこの世界に発信をしていくのです。

音楽のプロになるためにやってはいけないこと2つ目

2つ目は「なぜそれが有効かをしっかり分析しない」です。

以前の僕は、「僕はヒップホップが作れるから、同じ方法でハウスミュージックも作れる」と考えていました。

そのため、ヒップホップを作る時と同じように「最初にメロディーを作って、ちょっとドラムを入れて、2~3分の曲を作る」という構成で作っていました。

ちゃんと曲になっているので「これなら大丈夫だ」と思い、その曲をDJたちに送ってみたのです。

しかし、何も起こりませんでした。ダウンロードもしてもらえず、クラブで実際に流してもらうこともありませんでした。

最低でも6ヶ月はこのような期間が続いていました。

その曲が「使えない」理由を分析する

なぜこのようなことになったのかわからなかったのですが、とある人がこのように言ってくれました。

確かに曲はいいけど、構成がDJでは使えない。ミックスですごく使いづらい。ドラムから始まっていないし、メロディーが多すぎる。

このアドバイスをもとに、僕はたくさんのハウスミュージックを分析して、どんな構成やアレンジになっているのかを学び始めました。

イントロは何小節・何秒あるのか、曲はどんな風に始まっているか、いつDropが来るか…

これらを分析し、それに沿って曲を作ったところ、多くのDJに曲を使ってもらえるようになりました。

音楽制作を爆速でレベルアップするにはリファレンスが重要

音楽制作を爆速でレベルアップさせるには、リファレンス曲がとても重要になります。

リファレンス(参考)ですので、丸ごとコピーする必要はありません。

あくまでも楽曲構成やアレンジの傾向などを参考にするために使います。

リファレンス曲で発見した構成やルールを使って、自分の曲を「使える曲」にすることが大切です。

音楽のプロになるためにやってはいけないこと3つ目

3つ目は「Too Muchになること」です。

僕はミュージシャンとスタジオに入る時、これまで作ったビートをざっと聴いて「今回はこのビートがいいんじゃないかな」など、事前に準備しておきます。

しかし、要素が多すぎる「やりすぎ」な曲はスキップされる傾向にあり、逆にシンプルな曲は選ばれやすいことに気づきました。

例えばシンガーやラッパーと曲を作る時は、歌が入る余白が必要です。

そのため、すでにたくさんの要素で埋め尽くされているビートは選ばれにくい傾向にあります。

また、音の数が多いとお互いの存在感を打ち消しあってしまうので、音が少ない方が1つ1つの音の存在感を際立たせることができるというのも1つのメリットです。

また音の数だけでなく、使うプラグインの数にも同じことが言えます。

できるだけシンプルに、やりすぎない方がキレイなサウンドになりやすいです。

音楽のプロになるためにやってはいけないこと4つ目

4つ目は「制作と休憩のバランスが悪い」です。

2023年の僕の目標は、アーティストに楽曲提供をすることや契約を取ることでした。

そのため、できるだけたくさんのスタジオセッションをして、1日2回セッションをすることもありました。

「日常生活」と呼べる時間はなく、週末に洗濯をするために家に戻るぐらいで、もはやスタジオに住んでいるような状態でした。

成功するには必要なことだと思い込んでいましたが、結局最後は燃え尽きてしまいました。

それに加え、毎日たくさんの時間を費やしたにもかかわらず、今思えば全く生産的ではなかったです。

時間をかければいいというわけではないと気づきました。

バッテリーを赤になるまで使い続けないこと

プロの音楽家になる方法

この燃え尽き症候群について、スマホのバッテリーで考えてみましょう。

スマホのバッテリーは、使えば使うほどどんどん残量が減っていきます。

「赤いラインになるまで使ったら充電すればいい」と考える人もいるかもしれません。

しかしそれを繰り返しているうちに、完全にバッテリーを使い切ってしまうことがあるかもしれません。

「まだ使えると思ったら、いつのまにか残量がなくなっていた」というリスクにさらされます。

アスリートはずっとジムでトレーニングしているわけではない

ジムで体を鍛えているアスリートにも同じことが言えます。

ずっとジムでトレーニングをしているアスリートはいません。

ジムで体を鍛える時間と、体を休める時間をきちんとバランスよく取っています。

トレーニングと同じぐらい、休憩の時間も大切です。

休憩をしっかり取らないと、きちんとトレーニングすることができないからです。

音楽も同じで、よりよい音楽制作の時間を作るためには、良質な休憩時間も必要なのです。

プロになるためには努力が必要だけれど、頑張りすぎないことが大切

パソコンの前に座っていることだけが音楽のためになるとは限りません。

必要であれば、2〜3ヶ月休憩の期間を取ってもいいし、1年休んでも構いません。

「頑張るな」と言っているのではなく、「クリエイティビティのために休むことも必要だ」ということです。

音楽のプロになるためにやってはいけないこと5つ目

ミックスのコツ

5つ目は「自分はできないと諦めてしまうこと」です。

僕は以前、さまざまな人生のアドバイスを探すためにポッドキャストをひたすらずっと聞いていた時期がありました。

そこでPharrell Williamsが出演している番組に出会ったのですが、「成功のカギは何だと思いますか?」という質問に対し、彼は次のように答えていました。

Just believe in yourself
ただ自分を信じること

この回答はあまりにも普通すぎるしありきたりだと思うかもしれませんが、僕はこれは本当に大切なことだと思っています。

ゴールが何であれ、自分を信じることは自分の変化につながり、やがて成功に導いてくれます。

自分を信じて1つ1つの小さなアクションを行うことができれば、その1つ1つが自分に変化をもたらします。

逆に言えば、自分を信じきれずに躊躇することが増えてしまえば、その分成功から離れてしまったり、成長のスピードが落ちてしまいます。

実際に、このような有名な言葉もあります。

「自分はできる」と言っている人も、「自分はできない」と言ってる人も、どちらも正しいことを言っている

高価なプラグインを買うお金がない、コネがない、都会に住んでいない…このような不安材料はいろいろあると思います。

でも、大切なのは「そこで、自分はどうするのか?」です。

「だから自分はやらない」と身を引いてしまうのか、それとも「じゃあこの状況で、自分は何ができるだろう?」と前に進む方法を考えるか、それで大きな違いが生まれます。

「音楽のプロになれる」と信じる気持ちを持つためには?

「音楽のプロになれる」「自分ならきっとできる」と信じることはとても大切ですが、1人で音楽制作をしているとなかなかできないこともあるでしょう。

特にDTM初心者の方は、「何から始めたらいいかわからない」「自分の曲はプロっぽくないとは分かっているけれど、具体的に何が足りないのかわからない」という方が多いでしょう。

そこでおすすめしているのが、DTMスクールで定期的にフィードバックをもらう方法です。

定期的なレッスンに通うなど、プロからフィードバックをもらうことは世界中のプロが推奨しています。

当サイトでは「おすすめのDTMスクール」や「プロになるためになぜフィードバックが必要なのか」「プロになるなら音大に行くべきか、それとも週1のレッスンに行くべきか」などさまざまな視点で解説していますので、ぜひ参考してください🔻

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