今回は、「アパラチアンミュージック」の英語版wikipediaの内容をまとめました。
この概要編では、実際の音声を聞きながら、アパラチアンミュージックがどんなものかをざっくり解説していきます。
よりマニアックな内容は、次の「歴史編」で解説しています。
「音楽ジャンルなんて別に知らなくてもいいじゃん...」という方も、現代のポップスにもつながるこのジャンルがどのようにして出来上がったを見ると、非常におもしろい発見があります。
音楽史・音楽ジャンルを知ることで作曲の引き出しも増えますので、ぜひ最後までご覧ください。
「アパラチアンミュージック」をざっくりまとめると…

アパラチアンミュージックとは?
- 1920年代、東アメリカ地域で生まれた
- カントリーやブルーグラスの元になった
- ヨーロッパやアフリカなど、さまざまな影響を受けた音楽
- 主な使用楽器は「バンジョー」「アメリカンフィドル」「フレットダルシマー」「ギター」
それでは、具体的に解説していきます。
「アパラチアン」とは?
「アパラチアン」とは、東アメリカにある「アパラチア」に住む人々のことを指します。
「アメリカ」に住む人を「アメリカン」というように、アパラチアに住む人を「アパラチアン」と呼びます。
アパラチアンミュージックは、このアパラチアが発祥なのでこの名前になっています。
アパラチアは、地図で言うとアメリカの右下の山脈付近にあります。
アパラチアンミュージックはどんなサウンド?
カントリーの起源になったこともあり、非常にカントリーに似ています。
アパラチアンミュージックが影響を受けた音楽は?

- イギリスのバラード
- アイルランド・スコットランドの伝統音楽(特にフィドル音楽)
- 賛美歌
- アフリカ系アメリカンブルース
アパラチアンミュージックでよく使う楽器は?
- バンジョー
- アメリカンフィドル
- フレットダルシマー
- ギター
「ダルシマー」は聞いたことのない人が多いと思いますが、このような楽器です。
音はアコギにかなり近いです。
「カントリー」「ブルーグラス」とは?
まず「カントリー」はこのような音楽です。
年代によって使われる楽器はさまざまですが、どの楽曲も特にアコースティックギターやダルシマーが目立つ点が共通しています。
また、ブルーグラスはこのような音楽です。
カントリーとかなり似ていますが、特にブルースのような哀愁漂う雰囲気がある点、エレキギターなどの電子楽器を一切使わない点、ボーカルが入っている点が特徴です。
みなさんのなじみにあるアーティストだと、テイラー・スウィフトはカントリー系のポップアーティストです。
アパラチアンミュージックの代表的なミュージシャン
初期(1920~1930)のアパラチアンミュージシャンは、こちらの6組です。
- Fiddlin' John Carson
- G. B. Grayson& Henry Whitter
- Bascom Lamar Lunsford
- the Carter Family
- Clarence Ashley
- Dock Boggs
中には以下6組のように、1950年代・1969年代にフォークが復活した際に名声を得たミュージシャンもいます。
- Jean Ritchie
- Roscoe Holcomb
- Ola Belle Reed
- Lily May Ledford
- Hedy West
- Doc Watson
アパラチアンミュージックに影響を受けたミュージシャン
以下6組のようなカントリーとブルーグラスアーティストは、伝統的なアパラチアンミュージックから非常に強く影響を受けています。
- Loretta Lynn
- Roy Acuff
- Dolly Parton
- Earl Scruggs
- Chet Atkins
- The Stanley Brothers
- Don Reno
以上で概要編は終了です。
ざっくりとアパラチアンミュージックについてご理解いただけたかと思います。
アパラチアンミュージックの具体的な歴史や解説は、こちらの詳細編で解説しています。