ミキシングのコツ

【DTM】ミックスの効率をアップさせる21のコツ Part1

ミックス(MIX)の効率を上げたい!
もっと上手にミキシングができるようになりたいけど、どうすればいいの?

今回はこのようなお悩みにお答えする内容です。

21 mixing tips that would have saved me years

ナッシュビルの音楽プロデューサー・Dylanが教えるミキシングの効率をアップさせる21のコツをまとめました。

今回はPart1として、1~3個目のコツをご紹介します。

ナッシュビルの音楽プロデューサー・Dylanによるミックスのコツシリーズ

どれも今から実践できる内容ですので、ぜひお試しください!

ミックスのコツ1:Bus(バス)を使おう

「Bus」というのは、そのトラックのOutputの場所を指定したAuxトラックに変更することができるもののことです。

同じ「バス」違いですが、学校のスクールバスを想像してみましょう。

子どもたちをスクールバスという「Bus」に乗せさえすれば、あとは自動で子どもたちを学校に運んでくれます。

同じスクールバスに乗った子どもたちは、同じ学校にたどり着きます。

それと同じで、たとえばトラックAとトラックBのOutputをAuxトラック(Bus)にすると、AuxトラックにはトラックAの音とトラックBの音が集まります。

なぜBusを使うと効率が上がるのか?

たとえばAuxトラックにEQプラグインを使うと、そのAuxトラックに集まっているトラックすべてに対して、そのEQが適用されます。

たった1回EQプラグインを挿すだけで、そこに集まっているトラックすべてに同じ効果を得ることができるのです。

使用例:ドラムに使ってみる

たとえば、ドラムにBusを使うときのことを考えてみましょう。

「ドラムBus」という名前のAuxトラック(Bus)を作り、そこにハイハット・スネア・タム・バスドラムの各トラックをルーティング(Busを設定)します。

そして、「ドラムBus」にコンプレッサーを挿します。

こうすると、「ドラムBus」にあるハイハット・スネア・タム・バスドラムの音すべてに、コンププレッサーがかかります。

いちいちコンプレッサーを1つずつかけなくて済み、プラグイン自体の数も少ないので、CPU負荷も節約できます。

ミックスのコツ2:ステレオ・スラップバック・ディレイを使おう

これは、ボーカルやメロディーに対して使えるテクニックです。

ボーカルやメロディーに対してリバーブを使うことがあると思いますが、あまりにリバーブを使いすぎると、音が後ろに下がって聞こえてしまいます。

目立たせたいパートなのに、後ろの方で聞こえてしまってはいけません。

かと言って、リバーブを使わないと今度は不自然に聞こえてしまいます…

ここで役立つのが、ステレオ・スラップバック・ディレイです。

ステレオ・スラップバック・ディレイとは?

ステレオ・スラップバック・ディレイは、ボーカル・メロディーを後ろに下げることなく空間系の音を演出できるディレイです。

ディレイを少し加えるだけで、リバーブがそこまでなくても(あるいは全くなくても)、響きを加えることができ、ボーカルが目立たなくなる心配もありません。

4:29~~5:17

21 mixing tips that would have saved me years

ミックスのコツ3:2つのRoomリバーブを使おう

Roomリバーブを使い分けることで、よりサウンドをナチュラルにすることができます。

まず、すべてのトラックに対して、ある1つのRoomリバーブをかけます。

この時点で、リバーブをかけたトラックは同じ空間(Room)にいるように聞こえるようになります。

多くの人はこれで終わってしまうのですが、ここでもう一つRoomリバーブを使うと、サウンドのレベルをグッとあげることができます!

2つ目のRoomリバーブを使おう

たとえば、2つ目のリバーブを「音を後ろで鳴っているように聞かせるためのリバーブ」にしてみましょう。

そして、楽器の役割ごとにリバーブの量を調整すれば、音に前後感を調整することができます。

例えばボーカルは前に出て欲しいのでリバーブは少なめ、ストリングスは遠く後ろの方にいて欲しいのでリバーブを多めにする...などです。

このようにすると音全体に立体感が出て、ベターっとした楽曲になるのを防ぐことができます。

例えば「遠くにいるかどうかを調節するためのリバーブ」と「リバーブ音の量を調整するリバーブ」を用意してみるとよいでしょう。

Early Reflection(アーリーリフレクション)で距離感を調整する

Early Reflection(アーリーリフレクション)を使いこなすのも、リバーブを使うときの大きなポイントです。

Early Reflectionとは「どれぐらい近く/遠く耳に聞かせるか?」を決めるパラメータです。

Early Reflectionを非常に速く設定すると近くいるように聞こえ、遅くすると遠くにいるように聞こえるようになります。

「Ambience」という名前をつけたリバーブのAuxを作り、ここにはEarly ReflectionとLate Reflectionというパラメータがあるリバーブを追加します。

こうすれば、このリバーブだけで音の距離を調節できます。

Late Reflection(レイトリフレクション)でリバーブ量を調整する

一方、別のリバーブのAuxではLate Reflection」のパラメーターがあるリバーブを使います。。

Late Reflectionは「音の響きをどのように聞かせるか?」を決めるパラメータです。

つまり、Early Reflectionを速くしているAux「Ambience」は「音を遠くに聞かせるためのリバーブ」、Late Reflectionを調整しているAux「RoomVerb」では、「どれぐらいリバーブの音が欲しいかを調節するためのリバーブ」として使うことができます。

このように異なるリバーブを使い分けていくと、自分が欲しいサウンドや効果を、欲しいタイミングで得ることができます。

ぜひお試しください。


Part2はコチラ↓

ナッシュビルの音楽プロデューサー・Dylanによるミックスのコツシリーズ


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