バークリー音楽大学オンラインコースのメリットは?学費は高い?

バークリー音楽大学オンラインコースのメリットは?学費は高い?

今回は、Zack Seifが語る「バークリーオンラインは行く価値があるか?」をまとめました。

Zackはバークリー音楽大学のオンラインコース(通信課程)の卒業生で、現在はセッションギタリストやギター講師として活躍しています。

そんな彼が、自身の体験をもとにバークリー音大のオンラインコースは行くべきか、メリットやデメリットについて解説します。

Was BERKLEE ONLINE Worth It!?

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はじめに:バークリー音楽大学オンラインコースのメリットは?学費は高い?

はじめに、今回の内容をまとめてご紹介します。

・昼間部(キャンパス通い)に比べて学費が安い
2025年現在、オンラインは1年当たり250万円程度、4年間で1000万円程度
昼間部は4年間で3200~3800万円程度
・キャリアを止めずに学校に通える
仕事も学業も両立できる
履歴書では、学歴も職歴も充実する
・学費を稼ぎながら通える
奨学金を借りずに借金ゼロで卒業できる

それではここからは、Zackの体験談をご紹介します。
(以下、バークリー音大のオンラインコースを「バークリーオンライン」と表記します)

最初は昼間部(キャンパス通い)を受験した話

僕(Zack)は高校の時点で既に音楽教育をたくさん受けていて、真剣に音楽のプロになりたいと思い始めるようになりました。

できるだけ新しく今までと異なるスキルを身に付けたかったので、オーディオエンジニアリングや音楽教育、音楽ビジネスなど、幅広く学べるバークリー音大に行くことにしたのです。

しかし実は、最初はオンラインコースではなく学校に直接通うコースを受験していました。

バークリー音大に合格したが特待生になれなかった話

高校最後の年、2015年の春に対面で行う試験を受けましたが、とても緊張して夜は眠れませんでした。

試験の内容は、初見や即興、イヤートレーニング、そして面接です。

面接では、なぜ自分がバークリーに行きたいのか、将来何をしたいのか、人柄がわかるように話しました。

数週間後に合否のメールが届いて、無事に合格することができました。

しかし、学費が免除になる特待生にはなれませんでした。

当時の僕は、多額の学費を支払う余裕はありませんでした。
※2025年時点、バークリー音楽大学の学費は日本円で年間800万円程度です。金額は年々上昇しており、現在はZackが入学試験を受けた当時よりも金額が上がっています。

音大はとても人気があるので競争率が高く、特待生になって学費を免除してもらうのはとても難しいのです。

学費免除なしではとても払えるような金額ではないので、僕はバークリーを諦めざるを得ませんでした。

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学費が高すぎて音大に行けないときにどうしたか?

そこで僕は、経済的に最も賢明な選択をすることにしました。

バークリーではなく、地元の大学(2年間のカレッジ)であるRaritan Valley Community Collegeに通うことにしたのです。

専攻はファインアートミュージック(Fine Arts Music)で、音楽を学ぶことができる学部です。
※Zackの出身であるニュージャージーから車で2時間程度にある大学。バークリー音大はボストンにあるため、車だと5時間程度かかります。

この2年間の間に毎週通っていたギターレッスンの先生はバークリーの卒業生だったので、バークリーに行って教わっているのと近い状況でした。

そして2017年に大学を卒業し、その後に1年間だけギャップイヤーを設けました。
ギャップイヤー:進学や就職の前に、一時的にそれ以外の活動をする期間。欧米ではよく行われ、将来を見つめ直したり、やりたいことをやったり、準備期間として過ごすことが多い。

スキルも人脈も身につけて「停滞感」を感じてきた話

僕はすでに1年半〜2年ほどギター講師の経験も積んでいたり、地元のイベントで演奏もしていたので、人脈も十分にありました。

加えて音楽理論やイヤートレーニングなどの教育はもう必要ないレベルだったので、2018年頃には自分の音楽キャリアが停滞してきていると感じていました。

自分がやっていることを十分に楽しめない時期だったのですが、だからと言ってバンド活動を止めようとも思わなかったし、人脈を全部リセットして再スタートしようとも思いませんでした。

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お金がなくても仕事を辞めずに通えるバークリーオンライン

そこで見つけたのが、バークリーオンラインです。

僕が最初に受験した昼間部(実際に学校に通うコース)よりも学費がずっと手頃で、僕でも入学することができました。
※2025年現在、オンラインは1年当たり250万円程度、4年間で1000万円程度
昼間部は4年間で3200~3800万円程度
日本の私立音楽大学は4年間で800~1000万円程度が相場

さらに直接学校に通う必要がないので、僕のように既に安定した仕事を持っている人でも仕事を辞めずに通うことができます。

僕は早速応募し、数週間後には合格通知が届きました。

そして編入に伴い、別の大学に2年間通って取得した単位をバークリー音大で履修した単位として認める手続きを行いました(Transfer Credits、単位移行)。

こちらも無事に受理されたので、4年間のうち残り2年間分の単位を取れば卒業できることになりました。

そして2018年の6月、ついにバークリーオンラインに入学しました。

ちなみに単位移行については、バークリー音楽大学(昼間部)を卒業したBasiaも利用しています↓

補足:バークリーオンラインに入学する方法

バークリーオンラインに入学するには、書類審査と動画審査があります。

いずれも英語で行う必要があり、TOEFLなどの英語試験の結果(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングのスコア)も提出します。

書類審査では500~750文字程度のエッセイ、動画審査では3~5分間でスピーチを行う必要があります。

英語に自信がない方は、国内のオンラインスクールで学ぶことも可能です。

詳しくはこちらにまとめています↓

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バークリーオンラインと対面授業の違いは?

他の大学でも、オンラインコースと対面授業(キャンパス通い)を両方設けていることがあります。

それぞれ授業内容が異なることがありますが、バークリーの場合も同様です。

しかし、僕が通っていたときにお世話になった教授はいずれも現役で音楽業界で活躍している人たちばかりで「生きた知識・生きたスキル」を学ぶことができました。

音楽家としての基礎を学ぶだけでなく、いま音楽業界で何が起こっているのかをリアルタイムで教えてもらうことができます。

そのため、対面であってもオンラインであっても、素晴らしい教授のもとで学べることは共通しています。

バークリーオンラインではどの先生の授業が有意義だった?

個人的に特に感謝を伝えたいのは、音楽専門の弁護士であるJohn Kellog教授、著作権関係の訴訟のプロフェッショナルであるE Michael Harrington博士と、コンサート・ツアリング(Concert Touring)を教えてくれたJohn Czajkowski教授です。

Kellog教授は、実際の著作権関連の契約書類を使って、契約について教えてくれました。

契約書の1行1行に書かれた内容をしっかり丁寧に教えていただき、実際の現場で使える知識を学ぶことができました。

Harrington博士はファーレル・ウィリアムズやケイティ・ペリー、レッドツェッペリン、マーヴィン・ゲイやエド・シーランなどの著作権問題を担当した人物で、法的な問題について教えていただきました。

Czajkowski教授は当時まさにケイティ・ペリーのツアーマネージャーを担当している最中で、ツアー中に起こったさまざまな出来事についてリアルタイムでお話を聞くことができました。

彼の授業は、まるで僕ら学生もツアースタッフの一員になったかのような気持ちになれました。

このような現役で活躍中のプロフェッショナルに教わることができたのは、バークリーに通う大きなメリットの1つだと思います。

バークリーオンラインなら音楽の仕事を得る方法を教わることができる?

バークリーオンラインには「キャリアジャム(Career Jam)」というイベントがあります。

これはさまざまな音楽業界のプロフェッショナルが学生に音楽キャリアについて講義をしてくれるというもので、音楽のプロとして仕事をしていくために必要なことを教わります。

例えばマイリー・サイラスのSNSマネージャーからSNSの運用方法について学ぶことができたり、ビリー・アイリッシュを発掘したレーベルから「どのようにしてビリーを見つけてマーケティング戦略を立てたか」など実用的なストーリーを聞くことができました。

このようなお話は、他の場ではなかなか聞けないと思います。

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バークリーオンライン卒業後に学生ローンの返済などはあったか?

バークリーオンラインを卒業してとてもよかったなと思うことの1つが、僕は卒業後に一切の借金を抱えなかったということです。

つまり学生ローン(返済が必要な奨学金)はゼロということなのですが、これは僕の親が学費を払ってくれたからではありません。

僕が働きながら通うことができたからです。

基本的に大学に通いながらフルタイムに近い雇用形態で働くことは難しく、大学卒業後に働いて学生ローン(奨学金)を返済することが多いでしょう。

支払いと学業を両立するのはかなり厳しく、バークリーほどの高額な学費であれば尚更です。

しかし、僕はバークリーオンライン入学前からやっていた仕事をそのまま続けて通うことができました。

そのため、奨学金を借りる必要もなく、学生ローンや借金もゼロで卒業できたのです。

バークリーオンラインの大きなメリットは?

バークリーオンラインの大きなメリットの1つが、履歴書がどんどん充実していくことです。

僕は仕事をしながらバークリーオンラインに通っていたので、仕事の経験も継続して積むことができ、バークリーオンラインで学んだことも履歴書に書けるようになりました。

仕事のキャリアをストップさせることもなく、学びもストップさせることもなく、両方を同時進行で成長させることができたのはとてもよかったと思っています。

お金を貯めてからキャンパス(対面授業)に通わなかった理由は?

バークリーオンラインには行かず、1~2年休んでお金を貯めてからキャンパス(対面授業)に通えばよかったのではないか、と思う人もいるでしょう。

しかし、僕は当時すでに持っていた人脈・つながりや機会を諦めたくありませんでした。

既にギター講師の仕事やバンド活動などもしており、地元に大切な友達もいたので、大学入学のためにそれらを手放すようなことはしたくなかったのです。

大切なのは「自分が今どこにいて」「これからどこに行きたくて」「そのためには何をすればいいのか」をしっかり理解することです。

僕にとっての最善の選択は、今まで積み上げてきたコミュニティや仕事を継続しながら、自分のペースで学ぶことだったのです。

キャンパス通いではなくオンライン授業を選んで後悔していることは?

もちろん、キャンパスに通えば得られたのに、オンラインを選んだために得られなくなったものもあります。

例えばキャンパスに通えば直接人と話すことができますが、オンラインではできません。

隣に座った人に話しかけて、バンドを組んで、一緒に練習をして…といったことはできません。

そのようなメリットが得られるからこそ、キャンパス通いでは学費が高くなっているとも言えます。

バークリーオンラインは行く価値があったと思うか?

僕は、バークリーオンラインは行く価値があったと思います。

教授たちも素晴らしい方ばかりで、1分1分が貴重で有意義な時間でした。

仕事を辞めずに通うことができ、自分のペースで通えるので無理なく仕事と学業を両立できました。

キャリアをストップさせずに同時進行で学習を進められたのは、とても大きかったです。


以上が「バークリー音楽大学オンラインコースのメリットは?学費は高い?」でした。

当サイトでは他にもバークリー音大やジュリアード音楽院の現役生・卒業生による体験談をまとめていますので、ぜひこちらも参考にしてください。
(音大進学に関しては肯定的な意見から否定的な意見までさまざまありますので、ぜひいろいろな意見を見てみてください)

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