【DTM】ボーカルEQの使い方とコツ「3バンドEQ」練習法【MIXのコツ】

【DTM】ボーカルEQの使い方とコツ「3バンドEQ」練習法【MIXのコツ】
DTM・MIX師をしてるんだけど、EQを使うコツってある?

ミックスが上手くなるにはどうしたらいい?

 
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
 

 
海外プラグインメーカーの「Kush」のGregory Scottが教える「ボーカルEQを台無しにしないで!」をかんたんにまとめてみました。
 
今回は、ボーカルEQで下の画像のようなEQをしている人たちにお伝えしたい「ボーカルEQのコツ」を3つご紹介します↓
 

 
画像:動画より
 

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フェーダーを使おう

 
まず最初にご紹介するコツは「フェーダーを使う」です。
 
実は、フェーダーは最も強力な「EQツール」なのです。
 

フェーダーを使うとどうなる?

 
まず、フェーダーを上げると音がとても充実しているように聞こえ、ローエンド・中低域がよりはっきり聞こえるようになりますよね。
 
そして、サウンド全体がより温かみを増した音になります。
 
 
しかし同時に、低域・中低域がはっきり聞こえるようになることで、何も処理していない「生」の状態のボーカルがかなり暗く聞こえるようにもなってしまいます。
 
ボーカルをレコーディングする時、多くの人が大きなダイアフラムを使ったコンデンサーマイクを使いますから、こうなってしまうのは当然です。
 
ちなみにコンデンサーマイクやダイアフラムについては、こちらの記事で解説しています↓
 

【レコーディング】ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの仕組みの違いを解説!


 

しかし、適切な量でフェーダーを上げれば程よくサウンドに温かみが増しますし、より聞こえやすい音になります。
 

高音域にも使える

 
フェーダーは、4k~10kぐらいの少しキツい高音域に対しても効果的に使えます。
 
たとえばシンガーは必ずしも完璧に子音をコントロールしているわけではありませんから、子音が足りなければフェーダーを上げればいいですし、フェーダーを上げることで明るさがアグレッシブさが加わります。
 
まとめると、まずはEQではなく「フェーダーを上げて解決できるところはないか?」を考え、フェーダーを適切に使うところから始めましょう。
 

一度に2つのパラメータを調整する

 
また、「何かの音がちょっと明るすぎるな」と思ったら、フェーダーを上げる代わりにEQを下げる、というやり方で解決することもあります。
 
これは僕(解説者)やエンジニアがやっていることで、実際にツマミを両手で触りながら、一度に2つのパラメータを調節し、ベストなサウンドにしているのです。
 
他にも、リバーブのSendを調整しながらボーカルのDryレベルを調整したり、コンプレッサーのスレッショルドを調節しながらアウトプットコントロールを調整したりと、同時に2つのパラメータを調整するというのはよく行うテクニックです。
 

効果的な練習方法:「3バンドEQ」

 
僕(解説者)がみなさんに試してもらいたいのが、「EQでは3バンドしか使ってはいけない」という制限、「3バンドEQ」です。
 
何バンドも使えるEQを使っている方もいると思いますが、EQをx100ごとに、「100hz」「1khz」「10khz」あたりの3つだけに使ってみてください。
 
これらの周波数は、一ついじることで他の周波数にも影響し合う、面白い周波数帯域です。
 
 
たとえば、10khzを持ち上げると、100hzあたりがやや聞こえなくなります。
 
逆に「10khzだけが聞こえすぎる」ということもあり、この逆もあります。
 
 
もちろん、この練習の間はフェーダーを使ってもいいので、3つのバンドとフェーダーの4種類を使ってボーカルを整えていくということになります。
 
これはあくまで「練習」ですが、こういった制限をかけながらEQをすることで、耳も脳も鍛えられます。
 
この過程で、先ほどのように2つのパラメータを同時にうまく調整できるようになったらベストですね。
 

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「場所」も考えよう

 
こういったミックスの時に大事なのは、「その音が曲全体で”どこに”位置しているのか?」ということです。
 
 
例えば1khzあたりを下げると、ボーカルは後ろに引き下がったように聞こえるようになりますよね。
 
このように、どこをどう動かすとどこから聞こえるようになるのか、音の場所を考え、調整できるようになることが重要になります。
 
これが考えられるようになると、ただ単に高音域をあげてキツい音になったり、ボーカルが他の音に埋もれてしまうといった状態を避けることができます。

 

きれいに「くり抜く」

 
たとえばフェーダーを上げてボーカルがうるさくなったら、1khzあたりを下げる。
 
こうすると、ボーカルがくり抜かれたようになり、フェーダーで調整した中低域も高域もしっかりありながら、リスナーにしっかり聞こえる位置に置けるようになります。
 
そして、楽曲の中でしっかりと「ボーカルのポジション」を確立できるようになります。
 

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人間の声が人間らしく聞こえる理由

 
しかし一方で、やり方によっては「くり抜かれすぎた」、非常に不自然に、人間の声ではないように聞こえてしまうこともあります。
 
これは、人間は音程を中域の音で認識しており、ここから人間の声だと認識することができているため、中域を適切に処理できていないと、とても不自然に聞こえてしまうためです。
 

音域によって感じ方が変わる

 
このため、人間はこの音域(800hz~2.5khz)にとても敏感です。
 
別の周波数でいうと、800hz以下は、先ほども説明したように音に温かみが加えられる部分です。
 
 
300hzぐらいになると、心臓に「ドン」と来るようなサウンドになります。
 
対して、ASMRで好まれるような息を吐いたときのようなサウンドは、低域と同様、とても近いところで話しているように聞こえる周波数帯域です。
 
低域もこのような高域も、その人が自分とすごく近くで話している時にしか、はっきり聞こえないですよね。
 

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ボーカルの子音成分と10khzの関係

 
ここでもう一つ注意してほしいのが、10khz付近の周波数とボーカルの子音成分の関係です。
 
フェーダーを調整してみて、「もしここからEQを使ったとしたら、シンバルやハイハット、シェイカーなどのパーカッシブな音や高域要素と合わせたとき、ボーカルの子音部分はしっかりバランスが取れるだろうか?」ということを考えてみてください。
 
 
10khz付近は、ブーストすることでボーカルをよりはっきりと聞かせることができる音域です。
 
つまり、ボーカルの子音がしっかり聞こえればミックスで他の音に埋もれませんし、逆に子音成分が十分にないと、曲中ではっきり聞こえなくなります。
 
はっきり聞こえないと、たとえボーカルが「音量が大きく」聞こえたとしても、ボーカルが遠くにいるように聞こえます。
 

ボーカルの子音成分と100hzの関係

 
同じく、100hzあたりの低音もフェーダーで引き上げ・引き下げながら調節しましょう。
 
この100hz付近を調整することにより、どれぐらい上げるとどれぐらい温かみが増すのか、しっかり聞き取ってみます。
 
 
もし「アコギ+ボーカルだけ」などかなり音数や楽器が少ない場合は、ボーカルをより温かみがあるように、まるで自分の目の前で歌っているかのように聞かせたいはずです。
 
こういう時には、100hzをうまく調整することで、こういったサウンドを実現できます。
 
もちろん、先ほどの10khzを調整して子音をはっきりさせることも重要ですね。
 
 
逆に、とても密度の濃いギターや、ドカドカと叩いているタム、シンガーがかなりシャウトして歌っているような場合は、もしかしたら100hz付近の音はそこまで多く録れていないかもしれません。
 
そういったときは、ぜひ100hz付近を上げてみましょう。
 
例えばシャウトしているボーカルだと、耳がキンキンするような高音だけが強調して録れているかもしれません。
 
そこで100hz付近(女性ボーカルなら150~200hzになることもあります)を上げることで温かみが増し、バランスが取りやすくなるでしょう。
 

まとめ

 

「100hz・1khz・10khz」

 
まず初めは練習としてこの3つの帯域を調整し、同時にフェーダーを調整することで、どの帯域をどう調整するとどんなボーカルになるのか、とても理解しやすくなります。
 
こうすると、「どう聞こえるか」だけでなく「どれぐらいはっきりしているか」「その楽曲とどう関わっているか・繋がっているか」がわかるようにもなります。
 
そしてこのテクニックを身につけていくと、むやみにたくさんのバンドを使いながらEQをすることもなく、ムダなくミキシングができるようになります。
 
ぜひお試しください!
 
 
ちなみに、ボーカル以外にもミキシングを全体的に上手くなりたいという方には、こちらの書籍が網羅されていておすすめです↓