ミキシングのコツ

【DTM】ドラムにリバーブ使うときの6つのコツ【後編】

今回は、DTMerおなじみのWaves社が解説する「ドラムのリバーブを効果的に使う6つのコツ」をまとめました。

今回はそのうち、4~6個目のコツを紹介します。

前編はコチラ

リバーブを使うコツ4.いいDecay Timeを見つける

ボーカルや他の楽器と比べ、ドラムはリズム的に複雑で、トランジェント(音の立ち上がり部分)が非常にシャープです。

ドラムにはキック、スネア、シンバル、タムなどがありますが、全てを総合して1つのドラムビートとなります。

結果的に、ドラムにリバーブをかけると、このトランジェントがトリガーとなり、短時間の間に何度もリバーブがかかることになります。

Decay Time(Reverb Timeなどとも呼ばれる)が長すぎると、だらだらとしたサウンドになり、全体的に不明瞭で、にごったサウンドになってしまいます。

逆に言えば、Decay Timeを調整すれば、このにごりをなくすことができます。

リバーブのDecay Timeの調整の仕方

リバーブのDecay Timeを調整するときにおすすめなのは、「バックビート(2・4拍目)にあるスネアのDecay Timeを、次の音が鳴るまでに消えるようにする」ということです。

一旦スネアをソロで聞いてみて、リバーブ音が次のスネアの音にかぶっていないか確認してみましょう。
(一度バウンスしてみると、実際のスネアの音の長さが視覚化できてわかりやすいです)

そうしたら、残りのドラムパートも同時に聞いてみて、最後はトラック全体で聞いてみましょう。

仮に曲のアレンジがまばらであっても、同時に鳴らした時にリバーブが「まばらさ」を軽減してくれます。

リバーブを使っている時はテンポに注意

速いテンポの曲の場合は、次のバックビートとの間が短いので、Decayを短くする必要が出てきます。

リバーブをSendで使っている場合や(dry/wetの割合を変えることで)リターンレベルが小さい場合、スネアのリバーブをある音から次の音に持続させるようにするために、Decay Timeをうまく調整することもできます。

また、ドラムに対してWetの値を増やすと、それだけ音像が後ろに下がります。

テンポが遅い曲では、より長いDecay Timeを使う必要が出てきます。

たとえばスネアやサイドスティックの場合などです。

また楽器がまばらな場合、曲の情報量が少なくもっと音で埋めれそうな場合は、より長くDecayを調節してもよいでしょう。

リバーブを使うコツ5.EQとエフェクトリターン

【DTM】ドラムのリバーブを効果的に使う6つのコツ【後編】
https://www.waves.com/tips-for-using-reverb-on-drums-in-your-mix#:~:text=Find%20a%20room%2C%20studio%20or,the%20song%20and%20the%20recording.


他に音の広がりをコントロールできるのは、リバーブから低音域をカットするというEQのテクニックです。

多くのリバーブには内蔵のEQがありますが、AUXリターンチャンネルにインサートしているリバーブの後に好きなEQをかけてもOK。

300hz以下をカットすることで、リバーブは薄くなり、トラックへのWet感(リバーブを使っていると感じる量)を減らすことができます。

このときは、元のWet感と同じように鳴るようにSendの量を調節してみましょう。

逆に、リバーブで高音域を増やすことでにごった感を減らすような効果も出すことができます。

ローカット=Wet感がなくなる

コツ2で紹介した「ドラムをビッグルームサウンドにしたい」という場合は、低音域をどれぐらいカットするかの違いを把握しておきたいでしょう。

ドラムの低音域をカットすると、Wet感がなくなります。

キックのリバーブのSendの量をちょっとだけ増やすと、より「部屋鳴り・ルーム感」が出ます。

マルチトラックのドラムというよりもステレオドラムループを使っている場合は、ドラムの各楽器に対してリバーブの量を調節することはできません。

そのため、キックに対してリバーブ感がありすぎることなく、ちょうどいい具合にリバーブをかけるように調整するのが難しくなります。

この場合は、リバーブのローエンドをカットすることでベストな状態を作ることができます。

リバーブの前にEQをかける

リターンチャンネルにかけたリバーブの前にEQを使ってみることもおすすめします。

リバーブの前にEQを使うと、リバーブが鳴る前に、これからリバーブがかかる音の周波数を調整できます。

ドラムの場合、キックが属する低音域を削るとよいでしょう。

リバーブを使うコツ6.リバーブにスパイスをかける

サウンドの質感に影響を与える2つのエフェクトは、コンプレッサーとサチュレーションです。

リバーブのトーンを調整したくて使う場合は、これらのエフェクトはリバーブの後にかけましょう。

コンプレッサーを追加することで、リバーブはよりみずみずしく厚くなり、リバーブに対してさらなるキャラクターを加えることができます。

Waves社のおすすめリバーブ

最後に、おすすめのリバーブをご紹介します。

もしこれからリバーブプラグインを買い揃えたい、これからDTMを始めたいと言う方は、Waves社のこちらのバンドルがおすすめです。

GoldよりもPlatinumやDiamondの方が収録されているプラグインの数が多いですが、はじめはGoldでも十分アレンジ・ミックスができます。

プラグイン単体で買うよりもバンドルで買った方が非常にお得ですので、ぜひチェックしてみてください。

Waves社「Gold」を購入する(サウンドハウス) Waves社「Platinum」を購入する(サウンドハウス) Waves社「Diamond」を購入する(サウンドハウス)

最初3つのコツ(前編)はコチラ↓

その他、当サイトでご紹介しているリバーブテクニックはコチラ↓


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