用語解説

【Logic Pro X】オートメーションモード Latch・Touch・Write・Readの使い方

Automation Functions: How to use Latch, Touch, and Write in Logic Pro X

今回は、Dapper Mooが解説する「Logic Pro Xにおけるオートメーションの機能」をまとめました。

Logic Pro Xにおけるオートメーションモード「Latch」「Touch」「Write」「Read」の4つについて解説します。

今回はLogic Pro Xに備わっている機能についての解説になりますが、他のDAWでも同じ、あるいは似たモードがありますので、ぜひこの機会に覚えておきましょう。

オートメーションモード:Touch(タッチ)の機能

オートメーションモード「Touch」では、再生中に動かしたパラメータの動作をそのまま記録する機能です。

パラメータを調整するツマミをドラッグしている間はその数値が記録され、ドラッグを解除すると(指を離すと)元のパラメータの位置に戻ります。

例えば再生を開始した時にボリュームのフェーダーが±0だった場合、再生中にドラッグした後手を離すと、自動で±0にフェーダーが戻ります。

実際の挙動はこちら(1:36~1:46)

Automation Functions: How to use Latch, Touch, and Write in Logic Pro X

画像:動画より

上の画像のように、ボリュームフェーダーをドラッグして動かしている間は細かく記録され、手を離した瞬間に元の位置に戻っていることがわかります。

オートメーションモード:Latch(ラッチ)の機能

LatchはTouchと非常に似ているのですが、「ドラッグを解除した後、元の位置に戻る」という機能がありません。

つまり、ドラッグして指を離した後は、指を離した時点の値で止まります。

実際の挙動はこちら(2:08~2:17)

Automation Functions: How to use Latch, Touch, and Write in Logic Pro X

画像:動画より

上の画像を見ると、ボリュームフェーダーをドラッグして動かしている間が細かく記録され、手を離した後は最後の値を保ったままであることがわかります。

オートメーションモード:Write(ライト)の機能

WriteはLatchとTouchを組み合わせたような機能で、この中では一番使い方が難しいかもしれません。

Writeは再生中、たとえパラメータに触っていない場合でも、その値が全て記録(上書き)されます。

実際の挙動を見ると、何が起こっているかわかりやすいです。

2:44~2:56

Automation Functions: How to use Latch, Touch, and Write in Logic Pro X

この動画の場合、元から書いていたオートメーション(再生前の状態)は、最初はだんだん音量が下がるように書かれています。

画像:動画より

ここで、音量を±0にした状態で、モードをWriteにして再生してみると…

画像:動画より

ドラッグもクリックも何もしていないのに、再生されただけで音量が「±0」に書き換えられていきます。

つまり、操作をしている・していないに関わらず、”今”の状態ですべて書き換えられていきます。

画像:動画より

もちろん、パラメータを変えるとその値が記録されていきます。

ここは前述のTouch・Latchと同じです。

オートメーションモード:Readの機能(補足)

Readはその名前の通り「読み込み」専用で、Readにしている間にパラメーターに変更を加えても、オートメーションは変わりません。

つまり「ただ再生されるだけ」ですので、確認したいときはこれにすればOKです(デフォルトではReadになっています)。


以上で4つのモードの紹介は終了です。

今回ご紹介した4つのオートメーションモードを上手に使い、音楽制作の効率をUPさせてみてください!

Logic Pro Xを使いこなすための関連書籍

Logic Pro Xの機能解説記事


人気記事

1

今回は、DTMでおすすめの民族楽器系音源・プラグインをまとめました。通常のポップスやオーケストラではあまり使われない楽器や、非常にニッチな国・地域特有の楽器が使える製品もまとめています。インド・中国・北欧・ケルト系・アラブ・ガムラン系など幅広くご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

ディザリングとは? 2

今回はDTMにおける「ディザリング」についてまとめました。ディザリングは、DTMでは特にマスタリングをするときに重要な工程です。この記事では、ディザリングとは何なのか、そしてマスタリングをするときに気をつけるべきことについてご紹介していきます。

3

今回は、DTMプラグインの中で最も有名な製品の1つであるSpectrasonics社「Omnisphere 3」の新機能と使い方をまとめました。2025年10月に発表された今作ですが、前作の「Omnisphere 2」と何が変わったのか、新機能とその使い方を解説していきます。

4

今回は「カリッとしたボーカルにするためのMIXテクニック」をまとめました。全部で9個あり、組み合わせて使うことで非常に魅力的な音にすることもできます。初心者の方から上級者の方までお試しいただける内容ですので、ぜひご覧ください。

5

今回は、Chris Selimが解説する「マスタリング前に行うミックスの準備方法」をまとめました。マスタリングは楽曲を配信・リリースするための最終段階で、ミックスの後に行われる作業です。 ご自身でミックスとマスタリングを両方行う方も、マスタリングだけ他の人に頼む方も、ミックスの段階でやっておくべきことがわかりますのでぜひ参考にしてください。

6

今回はWaves社のリミッター「Lシリーズ」の違いをまとめました。Waves社はDTMerなら誰もが知っているメーカーですが、同社の人気リミッターのうち、頭に「L」がついた「L1」「L2」「L3」「L4」のリミッターはそれぞれどのような特徴があり、どのように使い分ければよいのでしょうか?

7

今回は「VUメーターの使い方とゲインステージングのやり方」をまとめました。 ミキシングやマスタリングでは「VUメーター」を使うことがありますが、そもそもVUメーターとは何か、なぜVUメーターを使うことが大切なのか、VUメーターの効果的な使い方について解説していきます。

8

今回は「音楽・オーディオにおける真空管(Vacuum Tubes)とは何か?」をまとめました。音楽やオーディオ関連の機材について調べていると「これは真空管だから音がいい」など、「真空管=何だかいいモノ」のような会話を耳にすることもあるでしょう。そこで今回は真空管(チューブ)とは何か、なぜ真空管らしい温かみのある音が出るのかを解説します。

9

今回は、How To Write Songsが解説する「ヒット曲を作るソングライターがやっている7つの習慣」をまとめました。テイラー・スウィフト、エド・シーラン、レディーガガ、ジョン・メイヤー、スティング、ビートルズが実践する習慣もありますので、音楽のプロを目指す方はぜひ参考にしてください。

10

今回は、Waves社のリミッタープラグイン「L4 Ultramaximizer」の新機能と基本的な使い方をまとめました。最新作「L4 Ultramaximizer」は、これまでLシリーズを使ってきた方にもそうでない方にも非常におすすめできるプラグインですので、ぜひチェックしてみてください。

-用語解説
-