オーディオ

バランスケーブルとアンバランスケーブルの違いとは?【XLR・TS・TRS・RCAケーブル】

今回は「バランスケーブルとアンバランスケーブルの違い」「XLRケーブル・TSケーブル・TRSケーブル・RCAケーブルとは何か?」をまとめました。

エレキギターなどの楽器やスピーカー、アンプなどに使われるのが「バランスケーブル」と「アンバランスケーブル」です。

この記事では、両者の違いと効果的な使い方、XLRケーブルなどの具体的なケーブルの種類について解説していきます。

「アンバランスケーブル」「TSケーブル」とは?

アンバランスケーブルとは、ケーブルの中にワイヤーが2本入ったタイプのケーブルです。

エレキギターとアンプを接続するときに使うケーブルとしてよく使われます。

アンバランスケーブルの中には2本のワイヤーが入っており、片方はオーディオ信号を送るためのワイヤー、もう片方はグラウンドに接続するためのワイヤーです。

https://www.lewitt-audio.com/blog/what-is-xlr

アンバランスケーブルは「チップ(Tip)」と「スリーブ(Sleeve)」と呼ばれるパーツに分かれています。

そのため、「TipとSleeve」で「TSケーブル」と呼ばれることもあります。

「バランスケーブル」「TRSケーブル」「XLRケーブル」とは?

バランスケーブルとは、ケーブルの中にワイヤーが3本入ったタイプのケーブルです。

例えばこちらのタイプのバランスケーブルは「TRSケーブル」と呼ばれ、接続部分が「Tip」「Ring」「Sleeve」に分かれています。

https://www.boxcast.com/blog/balanced-vs.-unbalanced-audio-whats-the-difference

そして他にも、このバランスケーブルの一種として「XLRケーブル」があります。

https://lewitt-audio.com/blog/what-is-xlr

XLRケーブルの端子を見てみると、3つピンがあります。

ピン1:グラウンドワイヤーと接続(GNDと呼ばれます)
ピン2:元々の信号(+、HOTと呼ばれます)
ピン3:元々の信号を逆位相にした信号(-、COLDと呼ばれます)

バランスケーブル(XLRケーブル)を使うと、信号が「元々の信号」と「元々の信号を逆位相にしたもの」に分けられます。

なぜわざわざ逆位相の信号を作るのかというと、これはオーディオ信号がケーブルの中を流れている間にノイズが発生することがあるため、このノイズを減らす=ノイズキャンセリングするためです。

https://sg.yamaha.com/en/products/contents/proaudio/musicianspa/equipments/cable.html

オーディオ信号の流れ

1.マイクから拾った音が信号としてケーブルに流れてくる(青線)
2.流れてきた信号を反転させた(逆位相にした)信号を作る

-この間にノイズがケーブルに混じる(赤線)-

3.信号がケーブルの最後までたどり着いたとき、最初に反転させた方の信号を再度反転させる

→元の信号(青線)は両方とも同じ波形になるので、合体させてさらに大きい信号にする
→ノイズの信号だけは逆位相になるので、ノイズは消える

https://www.svsound.com/blogs/svs/what-are-balanced-xlr-audio-cables-svs-sound-experts-blog

アンバランスケーブルはこのようなノイズを打ち消す仕組みで作られていないため、ケーブルにノイズが混じってしまうとそのままノイズが入った音が出てしまいます。

バランスケーブルは、HOT(+)とCOLD(-)を足して「±0」にする方法を使って、ノイズを除去しています。

ちなみにノイズキャンセリングイヤホンも、同様の原理でノイズ(雑音)だけを消しています。

XLRケーブルには「オス」「メス」がある

By No machine-readable author provided. Mxp assumed (based on copyright claims). - No machine-readable source provided. Own work assumed (based on copyright claims)., CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=175843

XLRケーブルの端子は「オス」と「メス」に分かれています。
※上記画像では、左がメスで右がオスです

オスの端子をメスの端子に接続するので、オス同士・メス同士で接続することはできません。

そのためXLRケーブルを購入・使用するときは、自分が使うXLRケーブルがオス・メスどちらの端子で、接続先の端子がオス・メスどちらであるのかを確認することが大切です。

XLRケーブルはラッチ付きなので安心して接続できる

XLRケーブルはラッチ(Latch)と呼ばれるパーツがあるので、ケーブルが抜けにくくなっています。

By No machine-readable author provided. Mxp assumed (based on copyright claims). - No machine-readable source provided. Own work assumed (based on copyright claims)., CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=175843

上記の画像で言うと、左側(メス)の端子の上部にある、少し出っ張った銀色の部分です。

ラッチがあると、接続したときに「カチッ」と音が鳴り、引っ張っても抜けにくくなります。

ギターのシールドなど、ある程度の力で引っ張るとすぐ抜けてしまうケーブルもあるので、XLRケーブルはこの点において安心です。

「XLR」は何の略?

XLRケーブルの「XLR」は、「X+LR」などと考えてしまいがちですが、実はそうではありません。

Audio Engineering Societyによると、以下のようなエピソードがあります。

1958年にITT-Cannon社が3ピンのコネクタを開発

このときはラッチがなかったため、開発し直した

ラッチがついた新しいモデルが「XL(X series with Latch)」と呼ばれる

さらに、メス端子の接続部分にレジリエントラバー(Resilient Rubber、弾力や柔軟性に優れたゴム)をつけたモデルを開発

「X series with Latch + Resilient Rubber」で「XLRケーブル」となった

RCAケーブルとは?

By Evan-Amos - Own work, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=11355598

オーディオ関連機器に使われるケーブルとして、RCAケーブルを思い浮かべる人もいるでしょう。

「赤・黄・白」「赤・黒・白」などの3色が特徴的なケーブルですが、こちらはアンバランスケーブルの一種です。

RCAケーブルは、オーディオ信号が比較的小さくケーブルの長さがあまりなければ、非常にキレイな音を出しやすいという特徴があります。

さらにXLRケーブルに比べて安価であることが多いので、あまり音量も出さず距離も必要のない一般家庭にあるテレビやスピーカーに使うといいでしょう。

しかし、もし大音量で音を楽しみたい場合やRCAケーブルを使っていてすでにノイズが気になっている場合は、XLRケーブルを使ってみることをおすすめします。

アンバランスケーブルはどんなときに使うべきか?

アンバランスケーブルは、バランス接続に対応していない楽器を使うときに使うのがおすすめです。

例えばエレキギターやエレキベースなどはアンバランス接続のみ対応しているので、アンバランスケーブルを使うことが一般的です。

また、アンバランスケーブルはバランス接続に対応している楽器にも使うことができます。

つまり、「バランス接続に対応している楽器」にも「アンバランス接続に対応している楽器」にも使うことができます。

そのため、必ずバランス信号が必要だというシーンでなければ、アンバランスケーブルを使用してもいいでしょう。

DIボックスを使えばアンバランス信号をバランス信号に変換できる

DIボックスを使えばアンバランス信号をバランス信号に変換することができます。

DIボックスについてはこちらで解説していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください↓

バランスケーブルはどんなときに使うべきか?

バランスケーブルは、長いケーブルを使わなくてはいけないときにおすすめです。

前述の通り、バランスケーブルはノイズに強い構造になっているので、特にノイズが出やすい「長いケーブルを使うとき」には頼りになる存在です。

もちろん、ケーブルが長くなくても「できるだけノイズのないキレイな音を出したい」というときにもおすすめです。

バランスケーブルとアンバランスケーブルを使うときの注意点

バランスケーブルとアンバランスケーブルを使うときのそれぞれの注意点はこちらです。

バランスケーブルを使うときの注意点

バランス接続に対応している機材にしか使えない
※エレキギターやエレキベースはバランス出力に対応していないので、アンバランスケーブルを使う必要があります。
バランスケーブルを使っていても、バランス出力に対応している機材でなければバランス信号にはなりません

アンバランスケーブルを使うときの注意点

ケーブルの長さが長いとノイズが出やすい
※宅録であれば、3mあれば十分でしょう

「いいケーブル」を選ぶ方法は「自分の環境に合ったケーブル」を選ぶこと

ケーブルにはたくさん種類があり、どれを購入していいのかわからないこともあるでしょう。

ここで1つ覚えていただきたいのが、「いいケーブル」とは結局のところ「自分の環境に合ったケーブル」だということです。

例えば長いケーブルはノイズが発生しやすいので、必ずしも「長いケーブルであればいい」ということではありません。

大きいステージ上のパフォーマンスをする場合は、長いケーブルの方がいいでしょう。

しかし、自宅で使う場合はそこまでの長さは必要ありませんし、ただただノイズが発生しやすくなるだけです。

また「バランスケーブルはノイズが少ないから」という理由で使っても、バランス出力に対応していないエレキギターに使っても意味がありません。

高品質のケーブルは値段が高いことが多いので「高いケーブルを使う」という選び方もありますが、まずは「自分がどんな環境で、どんな目的で使うのか」を理解してからケーブルを選ぶことが大切です。


以上で「バランスケーブルとアンバランスケーブルの違い」の解説は終了です。

当サイトでは他にもオーディオ機器の設置や接続方法についてまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓


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