DIボックスとは?【エレキギター・エレキベース録音】

DIボックスとは?【エレキギター・エレキベース録音】

今回は、LANDRが解説する「DIボックスとは何か?」をまとめました。

エレキギターやエレキベースを演奏するときに使う「DIボックス」ですが、これは一体何のために使う機材なのでしょうか?

この記事では、DIボックスの役割とその使い方について解説していきます。

DIベースについてはこちらでまとめています↓

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DIボックスとは?

RADIAL ( ラジアル ) / J48 Stereo

DIボックスとは、オーディオ関連機材を接続するときに、信号レベルとインピーダンスを調整するために使う機材です。

「DI」は「Direct Injection」の略で、日本語にすると「ダイレクト・直接」「分離・投入」という意味があります。

DIボックスは、エレキベースやエレキギターを音楽スタジオにあるミキシングコンソール(ミックス卓)に直接接続するために作られました。
※それまではアンプから出した音をマイクで録音する「マイク録り」をしていました。

DIボックスによるレコーディングは、エレキギターやエレキベースだけでなく、シンセサイザーやドラムマシンなどでも使われます。

DIボックスを使うことによって、楽器からオーディオインターフェースやミキサー(XLRマイクプリアンプのインプット)へ接続できるようになります。

DIボックスはトランスが内蔵されており、これによって接続先と電気を絶縁することができるため、ノイズを減らすこともできます(後述で詳しく解説)。

なぜDIボックスを使う必要があるのか?

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/90692/

DIボックスを使う大きな理由の1つは、楽器や機材によってバラバラになっている電気信号を調整するためです。

例えば、自宅でギターやベース、シンセサイザーやマイクを使ってレコーディングする人は多いでしょう。

しかし、これらの音源(音が発生する場所)が発している電気信号は、全てが同じタイプ・同じレベルの信号とは限りません。

機材を接続するためのケーブルの種類が違えば接続方法も異なり、インピーダンス(電気抵抗)も異なります。

そのため、接続の方法や機材の組み合わせを間違えると、信号が劣化=音が劣化してしまうのです。

エレキギターとオーディオインターフェースを接続したときに発生する問題

例えば、エレキギターやエレキベースをオーディオインターフェースやマイクプリアンプに接続するときに音の劣化問題がよく起こります。

ギターのピックアップから来る信号は、インピーダンスが高い電気信号です。

一方、マイクプリアンプやオーディオインターフェースは、インピーダンスが低い電気信号を受け取る準備をしています。

それぞれの送りたい・受け取りたいインピーダンスがマッチしていない機材同士を直接つなげてしまうと、ノイズが発生したり、音が劣化してしまいます。

そのため、楽器とオーディオインターフェースやマイクプリアンプの間にDIボックスを挟むことによって、楽器から受け取った高インピーダンスの電気信号を、オーディオインターフェースやマイクプリアンプが上手に処理できる低インピーダンスの信号に変換します。

こうすることで、インピーダンスの問題によって発生するノイズや音の劣化を防ぐことができるのです。

またエレキギターやエレキベースは「アンバランス信号」ですが、DIボックスを使ってノイズに強い「バランス信号」に変えることもできます。

DIボックスは、いわば機材同士の仲介役のような役割をしています。

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アクティブDIとパッシブDIの違いとは?

DIボックスには2つのタイプがあり、「アクティブDIボックス」と「パッシブDIボックス」があります。

パッシブDIボックス
・電力の供給が必要ない
・内蔵のトランスが電気信号の変換をする
・よく使われるタイプのDIボックス
・アクティブDIボックスよりも安いことが多い
アクティブDIボックス
・ファンタム電源が必要
・ファンタム電源のおかげでより忠実で強い電気信号を作ることができる
・長いケーブルを使う楽器や電気信号の弱い楽器におすすめ

ファンタム電源:内部の電子回路を動かすために必要な直流電圧の電源。一般的には48Vで供給する。ファンタム電源が供給できるミキサーやオーディオインターフェースなどを使うことで、ファンタム電源を必要とするマイクなどに電気を供給できる。

パッシブDIボックスの例



アクティブDIボックスの例



ピックアップが付いているアコギはアクティブorパッシブ?

ピックアップが付いているアコースティックの場合は「アクティブDI」を使うのがおすすめです。

中には「アコギ用DI」などもありますので、ぜひチェックしてみてください↓

L.R.Baggs ( エルアールバックス ) / Para Acoustic D.I. アコギ用ダイレクトボックス(サウンドハウス)

L.R.Baggs ( エルアールバックス ) / Para Acoustic D.I. アコギ用ダイレクトボックス(サウンドハウス)

ピエゾ・ピックアップが使われている場合の注意点

ピエゾピックアップが使われているギターは、非常に高い入力インピーダンスの機材と接続すると最もいい音質で演奏することができます。

キーンとする悲鳴のような音が鳴らず、低音域は充実している音になるので、非常にいきいきとライブ感のあるサウンドになります。

そのため、ピエゾピックアップが使われているギターにDIボックスを接続する場合は、ピエゾピックアップに対応したDIボックスを使用するのがおすすめです。

ピエゾ・ピックアップ対応のDIボックスには、RADIAL社「PZ DI」などがあります。

RADIAL ( ラジアル ) / PZ-DI(サウンドハウス)

RADIAL ( ラジアル ) / PZ-DI(サウンドハウス)

DIボックスがなくてもオーディオインターフェースがあれば十分なのか?

現在は多くのオーディオインターフェースが1/4”ジャックに対応しているため、オーディオインターフェースにエレキギターやエレキベースを接続することができます。

そのため「オーディオインターフェースさえあればDIボックスはいらないのでは?」と考えてしまうかもしれません。

しかし、オーディオインターフェースと楽器を直接接続すると、ノイズが発生したり音が劣化することがあります。

例えは、このような「ブーン」というハムノイズなどです↓(0:05~0:10)

Understanding and Fixing Ground Loops in Live Sound

プロレベルのDIボックスであれば、内蔵されているトランスがこのようなノイズが発生しないように問題を解決してくれます。

トランスが電気を絶縁してグランドループが起こらないようにしているためです。

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おすすめDIボックス

ここからは、おすすめのDIボックスをご紹介します。
※現在日本の通販で新品購入できる製品を掲載します

RADIAL「J48 Stereo」

RADIAL ( ラジアル ) / J48 Stereo

RADIAL ( ラジアル ) / J48 Stereo

Rupert Neve Designs「RNDI」

RUPERT NEVE DESIGNS ( ルパート・ニーブ・デザイン ) / RNDI

RUPERT NEVE DESIGNS ( ルパート・ニーブ・デザイン ) / RNDI

RADIAL「JDI」

RADIAL ( ラジアル ) / JDI

RADIAL ( ラジアル ) / JDI

Warm Audio「WA DI-A」「WA DI-P」


A DESIGNS「REDDI」

A DESIGNS ( エーデザインズ ) / REDDI

A DESIGNS ( エーデザインズ ) / REDDI

Radial「ProDI」

RADIAL ( ラジアル ) / ProDI

RADIAL ( ラジアル ) / ProDI

Radial「Pro48」

RADIAL ( ラジアル ) / Pro48

RADIAL ( ラジアル ) / Pro48

BAE「PDI」

BAE ( ビーエーイー ) / PDI ダイレクトボックス

BAE ( ビーエーイー ) / PDI ダイレクトボックス

ピエゾ・ピックアップ対応:RADIAL社「PZ DI」と「SB-4 Piezo」

RADIAL ( ラジアル ) / PZ-DI(サウンドハウス)

RADIAL ( ラジアル ) / PZ-DI(サウンドハウス)

RADIAL ( ラジアル ) / SB-4 Piezo(サウンドハウス)

RADIAL ( ラジアル ) / SB-4 Piezo(サウンドハウス)

アコギ用DIボックス

L.R.Baggs ( エルアールバックス ) / Para Acoustic D.I. アコギ用ダイレクトボックス(サウンドハウス)

L.R.Baggs ( エルアールバックス ) / Para Acoustic D.I. アコギ用ダイレクトボックス(サウンドハウス)

DIボックスとは?まとめ

以上が「DIボックスとは?」の解説でした。

DIボックスとは
・機材同士のインピーダンスを合わせるために使う機械
・パッシブとアクティブの2種類ある
パッシブDIボックス
・電源が必要ない
・安価で使いやすい
アクティブDIボックス
・ファンタム電源が必要
・強い電気信号にも対応できる
DIボックスを使うメリット
・ノイズを軽減できる
・キレイな音で再生&録音できる
DIボックスの使い方
・楽器とアンプ(もしくはオーディオインターフェース)の間に挟んで接続する

当サイトでは他にもDIボックスに関わる知識やテクニックについてまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓

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