ミキシングのコツ

【バンドDTM】スネアのミキシングテクニック

Take control of your snare! (w/ Jens Bogren & Leprous)

今回はURM Academyが解説する「スネアのミキシングテクニック」をまとめました。

Shure 545で録音したスネアを使い、スネアのサウンドをどのようにコントロールしていくかを解説していきます。

特にスネアのサステインに注目したテクニックですので、よりスネアを極めたい方はぜひお試しください。

スネアMIXのコツ1.スネアを複製して役割を分割

まずはトラックを複製します。
(この時点で挿しているプラグインがあれば、それも全て丸ごとコピー)

複製したトラックの名前は「Snare Ring」にします。

スネアMIXのコツ2.トランジェントシェイパーでアタックを削除する

https://www.youtube.com/watch?v=_Y8_4UctW6M

次は、トランジェントシェイパーを使ってスネアのアタックをなくします。

つまり、サステインの部分だけ残すということです。

今回はSoftube社の「TRANSIENT SHAPER」を使いますが、このプラグイン上では「PUNCH」がアタックのパラメーターになりますので、こちらを下げます。

そして「SUSTAIN」を少し上げて、スネアの音が伸びるようにします。

1:06~1:32

Take control of your snare! (w/ Jens Bogren & Leprous)

普通ではありえないようなスネアの鳴りですが、このように少し誇張したサステインの音を入れることで、スネアのサウンドをコントロールしやすくなります。

おすすめプラグインを購入する

スネアMIXのコツ3.EQで高音域とスネアのサステインを調整

https://www.youtube.com/watch?v=_Y8_4UctW6M

次はドラムセット全体の調整のために、オーバーヘッドの音に対してEQ(Pro-Q3)を使います。

まずは、シンバル類を含めた高音域からです。

2:04~2:17

Take control of your snare! (w/ Jens Bogren & Leprous)

次は、スネアのサステイン部分の音域を探し、必要なだけブーストします。

スネアのチューニングにもよりますが、130Hz,180Hz〜220Hzあたりの根幹となる部分はサウンドがモコモコしたり濁りの原因になるためブーストせず、中音域あたりを中心にブーストします。

2:19~2:38

Take control of your snare! (w/ Jens Bogren & Leprous)

それでは、ドラムセット全体で聞いてみましょう。

全体で聞いたときにサステインやアタックが気になる場合は、聞きながら調節していきます。

3:16~4:39

Take control of your snare! (w/ Jens Bogren & Leprous)

さて、お聞きいただいてわかるように、Snare Ringのトラックを使ってサステインを調整したことで、中心に長さを感じるような音が出たことがわかります。

スネアの場合は、これぐらいの音量設定にするとやりすぎになりますが、今回はトランジェントシェイパーでアタックをなくし、EQで高音域の調節もしているため、ちょうどよくなっています。

EQを使わないメリット

今回調整したサステイン部分のような中音域が欲しいなら、EQで調節してもいいのではないかと思うかもしれません。

しかしEQで中音域をブーストすると、音が暴れやすかったり、中音域が強調されてしまうことがあります。

トランジェントシェイパーでアタックを削除し、部屋鳴りの音を足すことで、ドラムに長さ・奥行きが出ます。

もちろん、今回のような生ドラムのレコーディングでなくサンプルでも使えるテクニックです。

アタック用トラックも作ってみよう

先ほどはサステイン用の「Snare Ring」というトラックを作りましたが、アタック用の「Snare Attack」というトラックを同じように作ることもあります。

まずはSnare Ringのトラックを複製し、名前を「Snare Attack」に変更します。

https://www.youtube.com/watch?v=_Y8_4UctW6M

そしてトランジェントシェイパーではSUSTAINを最小値に、PUNCH(アタック)を最大値にします。

このプラグインではPUNCHに対して「FAST」「SLOW」のパラメーターもありますので、こちらもお好みで調整します。

6:13~6:31

Take control of your snare! (w/ Jens Bogren & Leprous)

RingとAttackを同時に聞き、そしてメインのスネアの音を一緒に聞いて確認します。

6:35~6:55

Take control of your snare! (w/ Jens Bogren & Leprous)

スネアにBottomのマイクがあるときはそちらも合わせて聞き、レイヤーすることによるフェーズ(位相)の問題がないかを確認しましょう。

7:20~8:55

Take control of your snare! (w/ Jens Bogren & Leprous)

サステインとアタックを別々に調整するメリット

生ドラムのレコーディングの場合、人間が演奏しているため、時にリムショットにパンチが出ないプレイが出たり、楽器をしっかり叩けず薄い音になってしまうことがあります。

このようなサウンドを補いたいときには、アタックや音の太さ、奥行きを調整できるこのテクニックが非常に有効です。

メインの音を調整するだけでは得られないようなサウンドを作ることができますで、ぜひ「Ring」と「Attack」のトラックを使い分けてみてください。


以上で解説は終了です。

当サイトでは他にも「ドラムのMIXテクニック」についての解説記事を掲載していますので、ぜひこちらもご覧ください↓


人気記事

1

今回は、BeatsbyVinityTVが解説する「Skrillexのようにリミッターとクリッパーを使って音圧を上げる方法」をまとめました。Skrillexと言えば、激しい音楽と爆発的な音圧が特徴的です。今回は、彼のように音圧を爆上げするにはどうしたらいいのか、その方法を解説していきます。

2

今回は「SM7B vs SM58」をまとめました。ボーカルやギターのレコーディングによく使われるのが、SHURE社のSM7BとSM58です。どちらも超定番のマイクですが、一体何が違うのでしょうか?この記事ではそれぞれの特徴をじっくりご紹介しながら、どちらのマイクを選ぶべきか、その基準を解説します。

スプリングリバーブとは 3

今回は、Sweetwaterが解説するよく使われる5種類のリバーブ(Hall・Chamber・Room・Plate・Spring)の違いについてまとめました。これら5種類のリバーブの特徴や違いをそれぞれ解説しますので、読み終わる頃には、自分が今欲しいリバーブをすぐに判断できるようになります!

4

この記事では、ヒット曲を作曲するための方法を解説した記事をまとめています。作曲・編曲・ミキシング・マスタリングなど、音楽制作の工程ごとに分けてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

5

今回は、Cableguysが解説する「ShaperBox 3の紹介」をまとめました。Cableguys社のプラグイン「ShaperBox」は、作曲からミックスまで幅広く使える超万能プラグインです。この記事では、ShaperBoxの主な機能5つと、特に魅力的な機能の使い方をご紹介します。

6

今回は、数々のモニタースピーカーを販売しているAdam Audio社が解説する「自宅スタジオ~3レベル~」をまとめました。自宅の小さな寝室でDTMをしている方からプロを目指している方まで、レベル別におすすめのDTMセットをご紹介します。

Oeksound 「Soothe2」の驚くべき使い方【DTM MIX】 7

今回は、Riffs,Beards&Gearが解説する「Oeksound Soothe2の秘密」をまとめました。発売以降、「このプラグインのおかげでミックスの効率がものすごく上がった」「もうこのプラグインなしではミックスできない」というプロが世界中で続出したこのプラグインを驚くべき方法で使いこなす方法をご紹介します!

8

今回は「CPUパフォーマンスとリアルタイムパフォーマンスの違い」をまとめました。DTMをしていてよくあるのが「DAWの動作が遅くなる」というトラブルです。ここで重要なのが、この2つのパフォーマンスの違いを理解しておくことです。そこでこの記事ではこれら2つを解説し、サクサクとDAWを動かすためのコツをご紹介します。

iLokが故障・盗難・紛失したときにやるべきことと、事前にやっておくべきことまとめ 9

今回は、DTMerにはおなじみの「iLok」が故障・盗難・紛失したときにやるべきことと、故障・盗難・紛失前にやっておくと安心する5つの項目をまとめました。万が一のときにどうするべきかを知っておくだけでも安心材料になりますので、ぜひご覧ください。

ドリアンモードを使ったゲーム音楽 10

今回は、8-bit Music Theoryが解説する「ドリアンモードの使い方」をまとめました。この記事では前編として「ドリアンモードの基礎」と「ドリアンモードを使ったシリアス&ダークなゲーム音楽の例」をご紹介します。

-ミキシングのコツ