アレンジ・打ち込み

【作曲のコツ】DTMerが作曲でやりがちな3つの間違い【リバーブ編】

作曲をしているけど、プロっぽいサウンドにならない…
DTMを上達させるためにやってはいけないことってある?

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

カナダの有名プロデューサーAndrew Huangが投稿した動画「音楽制作でやりがちな3つの間違い」の内容をまとめました。

今回はそのうち「初心者がやりがちな間違ったリバーブの使い方」について解説しています。

The 3 most common music production mistakes (and how to fix them!)

初心者DTMerによくある間違い「リバーブがぐちゃぐちゃ」

1つ目のよくある間違いは「使っているすべての音にリバーブをかけすぎている」です。

これは、1つの1つの音がぐちゃぐちゃになったり、にごって聞こえる原因になります。

リバーブはよく使うエフェクトのうちの一つで、使うだけで手っ取り早くサウンドをビッグに、広がりのある音にすることができますよね。

そのため、僕(Andrew自身)も初心者の頃はよくやってしまっていました。

リバーブの使いすぎはNG

リバーブを使うのが問題なのではなく、使いすぎるのが問題です。

また、「その曲で使っている音すべてに使う」というのもNG。

リバーブには「Dry/Wet」「MIX」など、度合いを変えられるパラメータがついているはずなので、こちらを適切に調整することが大切です。

リバーブが50%を超えると「かなり強い」ので、曲の後ろで鳴っている雰囲気づくりのためのサウンドであれば別ですが、そうでない限りは50%以下にとどめておくのがいいでしょう。

ちなみに、少し短めのテール(Tail)にすると、ちょっとダークなサウンドにすることもできます。

実際の音を聞いてみましょう↓(3:18~)

The 3 most common music production mistakes (and how to fix them!)

Sendトラックを活用しよう

また、Sendトラックを活用することで、リバーブをより有効に使うことができます。

「Send」とは、かんたんに言うと元の音はそのままに、エフェクトの音だけを自由に足すことができる機能です。

Sendを使うと、オートメーションを使って個別にエフェクト量を調整することができ、とても便利です。

たとえば、ボーカルを目立たせたい時にリバーブを多くするとボーカルがぼやけてしまいますが、Sendを使えば「ボーカルを目立たせたい時はリバーブ量を下げる」といったことがかんたんにできるのです。

Sendでリバーブを使うときの設定のコツ

Sendでリバーブを使うときは、

Wet = 100
Dry = 0

に設定すると使いやすいです。

つまり、Sendの量を増やしたときは、元の音(Dryの音)が大きくならず、エフェクトの音(Wetの音)だけを増やすことができます。

Track Spacerを使って、さらにボーカルをきれいに

4:14~4:20

The 3 most common music production mistakes (and how to fix them!)

この曲はよりビッグで豊かなサウンドで、リバーブは長くしたいと考えています。

しかし、リバーブの音と元の音が衝突してしまい、元の音が聞き取りづらくなることは避けたい…

こんな時には、WavesFactory社の「Track Spacer」が使えます。

このプラグインは、トラックAである周波数帯域が鳴っている時、トラックBのその周波数帯域の音量を下げる、というものです。

いわゆる「サイドチェーン」に使えるプラグインですが、「特定の周波数に対してだけサイドチェーンをかけられる」というのが大きな特徴です。

ボーカルに使う時の例

今回は、「ボーカルが歌っているときはリバーブの音を小さく、ボーカルがいないときはリバーブの音を大きくする」という風にしたいと思います。

こうすれば、リバーブの音がボーカルの元の声をかき消すこともありません。


画像:動画より

ボーカルの場合、人によって軸・根幹となる周波数帯域が違います。

たとえば、男性なら低め、女性なら高めの周波数になります。

Track Spacerは特定の周波数帯域に対してサイドチェーンをかけられるので、そのボーカルの音域に合わせて、リバーブに対してかけるサイドチェーンの量を自動で変えられるのです。

4:46~4:50

The 3 most common music production mistakes (and how to fix them!)

もちろん、キックでリバーブにサイドチェーンをかけるのもOK!

つまり、キックを目立たせるために「キックが鳴っている間はリバーブの音量を下げる」ということです。

このようにTrack Spacerを使えば、リバーブによって元の音をかき消したり、ぐちゃぐちゃにしてしまうことはありません。

つまり、ミキシングがきれいになるということです。

非常に便利なプラグインで多くのプロに使われている製品ですので、まだお持ちでない方はぜひチェックしてみてください↓

リバーブに関するもう一つの「間違い」とは?

もう一つ、リバーブに関して初心者がやりがちな間違いは「すべてのトラックに対して、全く同じ設定のリバーブしか使わない」ということです。

たとえば、全く同じリバーブを、全く同じSend量ですべてのトラックに使ったり…などです。

すべてのトラックにおいて、その設定・Send量のリバーブがベストであるとは限りません。

本当にその設定のリバーブが適切なのか、個々のトラックについてよく考えることが大切です。


画像:動画より

実際に、Andrewは様々な種類のリバーブを使って制作しています。

「スネア用」「ボーカル用」「ビッグなサウンドにする用」などです。

ちなみに、ディレイに関しても別の設定のディレイを使っています。

「その曲をどう聞かせたいか」によってリバーブ・ディレイを使い分けるのは非常に重要で、これを行うことによって、その曲がよりクリエイティブになるのです。


以上で1つ目の「初心者DTMerによくある間違い」の解説は終了です。

続き「初心者DTMerによくある間違い 2つ目」はコチラ↓


人気記事

1

この記事では、ヒット曲を作曲するための方法を解説した記事をまとめています。作曲・編曲・ミキシング・マスタリングなど、音楽制作の工程ごとに分けてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

2

今回は、Doctor Mixが解説する「歴代のシンセサイザーTOP10」をご紹介します。みなさんがよく耳にする「あの音」は、実はこれらのシンセサイザーの音かも…!?「聞いたことある!」「あの音って、このシンセの音だったんだ!」と驚くこと間違いなしです!

3

CメジャーキーとAマイナーキーって、どう違うの? 聞き分け方はある? 今回はこのような疑問にお答えする内容です。 https://www.youtube.com/watch?v=lPDVo-7Ua28 ...

4

今回はバークリー音大卒業生のBasiaによる「バークリーQ&A バークリーに行く前に知っておくべきこと」をまとめました。Basiaはバークリー音大の作曲専攻を卒業しており、現在はシンガーソングライターとして活動しています。そんな彼女が、バークリー音大に憧れている人や受験を真剣に考えている人のために15の質問に答えます。

5

今回は、オーディオエンジニアのSean Divineが教える「複数楽曲のLUFS(ラウドネス)を統一する方法」をまとめました。曲のアルバムには複数の楽曲が入っており、「1曲目から最後の曲まで通して聴く」というリスナーもいます。そんなリスナーのために、LUFS(ラウドネス)を統一する方法をご紹介します。

ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽 6

今回は、8-bit Music Theoryが解説する「ミクソリディアンモードを使ったゲーム音楽」をまとめました。ゼルダ、FF、ポケモン、マリオなど、ゲーム音楽にはミクソリディアンモードを使った楽曲が数多くあります。「モードを使った作曲にチャレンジしたい!」という方には必見の内容です!

大きいスピーカーを買った方がいいミックスができるのか?おすすめのスピーカーは? 7

今回は「大きいスピーカーを買えばいいミックスができるのか?」をまとめました。一般家庭の部屋に置くには大きすぎるサイズのものもありますが、プロになるのであれば大きいスピーカーを買わなければならないのでしょうか?言い換えれば、大きいスピーカーを買えば、いいミックスやマスタリングができるようになるのでしょうか?

8

今回は、人気音楽プロデューサーのVirtual Riotが解説する「Serum 2の全新機能の解説」をまとめました。Xfer Records社「Serum2」で新しく追加されたプリセットの制作にも携わったVirtual Riotが、新機能17項目を徹底解説します。

9

今回は「カリッとしたボーカルにするためのMIXテクニック」をまとめました。全部で9個あり、組み合わせて使うことで非常に魅力的な音にすることもできます。初心者の方から上級者の方までお試しいただける内容ですので、ぜひご覧ください。

クロマティック・ミディアント(Chromatic Mediant)とは 10

今回は、イギリスの作曲家・Guy Michaelmoreが教える「クロマティック・ミディアント(Chromatic Mediant)とは?」をまとめました。映画音楽界で活躍する本人が、映画音楽でよく使われるクロマティック・ミディアントについて解説します!

-アレンジ・打ち込み
-