オーディオ

高インピーダンスと低インピーダンスの違いは?【ヘッドホン・イヤホンの選び方】

32 ohm vs 250 ohm - Which Headphones Sound Best?

In The Mixが解説する「32Ω vs 250Ω どちらのヘッドフォンがいいのか?」をまとめました。

ヘッドホンやスピーカーを見ていると、スペック欄には単位がオーム(Ω)の数字が掲載されています。

製品によってこの数値はさまざまですが、そもそもこの「Ω」は何を意味しているのか、数字が大きいとどうなるのか、詳しく解説していきます。

インピーダンスとは?(オーム、Ω)

インピーダンスとは「電気における交流抵抗」のことで、単位はオーム(Ω)です。

「抵抗が大きいほど、いい音を出すためによりたくさんの電力が必要になる」「抵抗が少ないほど、いい音を出すために必要な電力が少ない」というのがポイントです。

この記事では、「低インピーダンス」は35~40Ω以下、「中インピーダンス」は40~100Ω、「高インピーダンス」は250Ω以上として解説を進めます。

インピーダンス関連記事

同じ音量設定なのにヘッドホン・イヤホンによって聞こえる音量が変わる理由

例えばスマートフォンにヘッドホン・イヤホンを接続するとき、同じ音量設定にしているのにヘッドホン・イヤホンによって聞こえる音量が異なることがあります。

「このヘッドホンを使うときはいつもよりも音量を大きくしないといけないな」ということがあるでしょう。

これは、ヘッドホン・イヤホンのインピーダンスが異なることが原因の1つです。

インピーダンス(抵抗)が大きいヘッドホンを使うと、同じ音量設定(電力)にしていても抵抗が大きい方が実際に流せる電力が減ってしまうので、音量が小さく聞こえてしまうのです。

スマホに接続するヘッドホンは「低インピーダンス」の方がいい

前述では「抵抗が大きいほど、いい音を出すためによりたくさんの電力が必要になる」とお話しました。

つまりインピーダンスが高いヘッドホン・イヤホンを使うときは、よりいい音で聞くためにたくさんの電力を供給してくれるデバイスが必要になります。

それでは(今では少なくなってしまいましたが)スマートフォンのイヤホンジャックには低インピーダンスと高インピーダンスのヘッドホン、どちらを接続した方がいいと言えるでしょうか?

答えは「低インピーダンスのヘッドホン」です。

スマートフォンはとても小さく、強力な電力を供給する力がありません。

そのため、高インピーダンスのヘッドホンを接続しても、そのヘッドホンのポテンシャルを最大限発揮することは難しいでしょう。

つまり「高インピーダンスの方がいい」というわけではなく、電力を供給してくれるデバイスのパワーによって使い分けることが大切なのです。

スマホに高インピーダンスのヘッドホンを接続するとどうなる?

それでは、もしスマートフォンに高インピーダンスのヘッドホンを接続するとどうなるでしょうか?

答えは「音が小さくなる」「音量を上げると音質が劣化する」です。

高インピーダンスのヘッドホンは抵抗が大きいため、例えば100Wの電力を流したしたとしても、実際には50Wの電力しか流れない…ということが起こります。

そのため、十分な音量で聞くためにはもっとたくさんの電力を供給しなければいけません。

するとスマートフォンの音量をどんどん上げようとしてしまいますが、不必要に電力を上げようとしてしまうため、このときに音量が劣化してしまいます。

オーディオインターフェースやヘッドホンアンプなら高インピーダンスもOK

しっかりとしたオーディーインターフェースやヘッドホンアンプであれば、ヘッドフォンに十分な電力を供給することができるため、高インピーダンスのヘッドホンのポテンシャルを最大限発揮しやすくなります。

もちろん、低インピーダンスのヘッドホンも使うことができます。

低インピーダンスのヘッドホンを使うときは、ヘッドホンに対してあまり電力を供給しなくても十分に音量を出すことができるので、高インピーダンスのヘッドホンを使うときよりも小さい音量にするとちょうどよくなります。

なぜ「高インピーダンス」のヘッドホンは存在する?

なぜ高インピーダンスのヘッドホンは存在するかと言うと、基本的に音楽スタジオやテレビ・ラジオの放送局では高い電力を供給できる機械が使われているからです。

このように普段からたくさんの電力を必要とする場所では、高インピーダンスのデバイスも十分使えるような設備が備わっているので、高インピーダンスの製品は今でも使われています。

一方で、今では一般家庭や出先でも手軽に音楽を楽しみたいという人が増えているので、同じ製品でもインピーダンスが異なるモデルを用意しているメーカーもあります。

例えばbeyerdynamic社のヘッドホン「DT 770」は、「32Ω」「80Ω」「250Ω」の3モデルを発売しています。

なぜ「中インピーダンス」のヘッドホン・イヤホンは存在する?

ヘッドホン・イヤホンの中には、40~100Ω程度の中ぐらいのインピーダンスの製品があります。

このような中インピーダンスの製品は「とにかく音量が欲しいとき」におすすめです。

低インピーダンスの製品は、必要な電力は少ないですがその分大きい音が出しにくい傾向にあります。

そして高インピーダンスの製品は、大きな音量は出せますがその分たくさんの電力になります。

そのため、音量が欲しいときは中インピーダンスの製品を使うとちょうどいいことがあります。

例えばドラマーでヘッドホンからクリックの音を聞きたい人、しっかりバッキングトラックを聞きながらボーカルレコーディングをしたい人などにおすすめです。

ヘッドホンを分解して仕組みを見てみよう

ここからは実際にヘッドホンを分解して、その仕組みを見てみましょう。
※ご自身で分解したい方は、壊れてもいいヘッドホンでお試しください

4:12~

32 ohm vs 250 ohm - Which Headphones Sound Best?
ダイナミックドライバー
:https://www.youtube.com/watch?v=9CYmTNc9K14

透明な部分:ダイアフラム
中央のオレンジ色の銅線:コイル
銀色の部分:磁石(マグネット)
※コイルは髪の毛よりも細いため、このように密集していると鉄の輪っかのように見えます

ボーカルで使うようなマイクも同様ですが、ダイアフラムはそれ自体が前後に振動するパーツです。

ダイアフラムが振動するとコイルも同様に動き、これが磁石(マグネット)が作っている磁界と連動して音波を電気信号に変えていきます。

ダイアフラム部分を触ってみるとこのように少し動きます。

5:19~5:30

32 ohm vs 250 ohm - Which Headphones Sound Best?

このダイアフラムは、送られてきた電気の大きさによって大きく動いたり、小さく動いたりします。

つまり、送られてきた電気が弱いとダイアフラムは小さく動き、電気が強いとダイアフラムも大きく変わります。

「このダイアフラムが大きくしっかり動くほどの電力が供給されていれば、大きい音量が鳴る」とも言えます。

ちなみにヘッドホンやスピーカーの値段の高さや音質は、このドライバーに使われている素材の質やコイルの巻数・太さ・直径の長さ・コイルの巻き方の精密度によって決まります。

磁石も、ただの磁石とレアアースなどの高価な素材を使った磁石(希土類磁石)であれば後者の方が値段が高くなります。

例えばコイルの巻数や円周の長さが大きいと、それだけ電子が動く距離が長くなるので「高インピーダンス」となります。

高インピーダンスと低インピーダンスの違いは?まとめ

以上が「高インピーダンスと低インピーダンスの違い」でした。

高インピーダンス

いい音&十分な音量を出すためにより多くの電力が必要だが、大きな音量が出しやすい

低インピーダンス

そこまで大きな電力は必要ないが、大きな音量は出しにくい
※スマホなど少ない電力しか供給できない場合は低インピーダンスの製品がおすすめ

当サイトでは他にもオーディオや機材に関する記事をまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓


人気記事

1

今回は、キラキラ系エフェクトプラグイン「Bismuth」の魅力と使い方について解説します。Bismuth(蒼鉛)という名前の通り、金属や宝石を思い起こさせるようなサウンドを作ることができるプラグインです。特にダンスミュージックで使えるサウンドが手軽に使えます!

2

世界的にヒットしている曲の構成はどうなってる?ヒット曲の公式はある?今回はこのような疑問にお答えします。「曲を作るときはこれを使え!」と言うほど、多くの世界的ヒット曲に使われている楽曲構成をご紹介します。主に洋楽に使われている構成ですので、特に「世界中で自分の曲を聞いてもらいたい」という方はぜひ実践してみてください。

3

今回は、ヒップホップ・トラップを作る人におすすめのスピーカーを5つご紹介します。世界で活躍する超人気音楽プロデューサー&ラッパーが実際に使用している機材のみをご紹介していますので、どれを買っても間違いではありません。スピーカー購入を検討している方は、ぜひご予算や設置スペースに合わせてチェックしてみてください。

4

今回は、Waves社のリミッタープラグイン「L4 Ultramaximizer」の新機能と基本的な使い方をまとめました。最新作「L4 Ultramaximizer」は、これまでLシリーズを使ってきた方にもそうでない方にも非常におすすめできるプラグインですので、ぜひチェックしてみてください。

5

今回は、コード進行を学びたいときやバリエーションを増やしたいときに使えるおすすめのコード作成プラグインを3つご紹介します。「いつも同じコード進行ばかり使ってしまい、新しいコードのアイデアが思い浮かばない」という方、必見です!

6

今回は、世界中のプロに愛用されているoeksound社「soothe3」の使い方をまとめました。とても使いやすく、初心者でもプロ並みのミックスができるようになるこのプラグインについて、その魅力や使い方を解説していきます。

7

今回は、音響関連の商品を開発しているGIK Acousticsが解説する「ステレオスピーカーの置き方」をまとめました。特にDTMなどの音楽制作では、正しく音を聞くためにスピーカーの置く位置が非常に重要になります。この記事では、ステレオモニタースピーカーとサブウーファーの正しい置き方を図を用いて解説します。

8

ミキシングをするときは、スピーカーorヘッドホン(イヤホン)、どっちでやればいいの?今回はこの疑問にお答えします!海外プロが教える「DTMでMIXするときはスピーカーとヘッドホン(イヤホン)のどちらを使った方がいいのか?を解説!今回はスピーカーを使うことによるメリットをじっくりご説明します。

9

今回は、IK Multimedia社「ReSing Japanese Pack」の使い方と実際のサウンドをご紹介します。ReSingはAIによって音をさまざまな声や楽器に変換できるツールですが、ついに日本語対応ボイスモデルを収録した「ReSing Japanese Pack」がリリースされました。今回はこちらをレビューしていきます。

10

今回は、Chambersが解説する「音楽プロデューサーは音楽大学に行くべきか?」をまとめました。ChambersはビルボードチャートでNo.1も獲得したプロの音楽プロデューサーですが、音楽大学や専門学校には行っていません。現在はプロとして活躍している彼が作曲家(ボカロP)になるなら音楽学校に行くべきかどうかを解説します。

-オーディオ