ソフト・プラグイン・機材

Zynaptiq社「PITCHMAP」の使い方【おすすめDTMプラグイン】

Perfect Harmonics with Zynaptiq Pitchmap - Sound Design Tutorial

今回は、Kermodeが解説する「Zynaptiq社PITCHMAPのサウンドデザインチュートリアル」をまとめました。

Zynaptiq社の「PITCHMAP」は「ポリフォニックピッチコレクター」と呼ばれるタイプのプラグインで、ダブステップ、フューチャーベース、Color Bassなどでよく使われます。

非常にユニークなサウンドを作ることができるので、世界中の音楽プロデューサーに愛用されています。

今回は、このPITCHMAPの使い方をかんたんに解説していきます。

Zynaptiq社の「PITCHMAP」とは?

Zynaptiq社の「PITCHMAP」は一言で言うと「ポリフォニックピッチコレクター」です。

あらゆる音を解析し、指定したキー(スケール)に最も近い倍音成分(ハーモニクス)を増やします。

そのため、鍵盤楽器などのもともと音程や倍音成分を多く含む楽器だけでなく、打楽器などの音程がないと思われる楽器にも音程をつけて(強調して)鳴らすことができます。

例えば、こちらのトラックをお聞きください。

1:32~1:45

Perfect Harmonics with Zynaptiq Pitchmap - Sound Design Tutorial

このトラックにPITCHMAPを使うと、このようになります。

1:47~2:07

Perfect Harmonics with Zynaptiq Pitchmap - Sound Design Tutorial

どの楽器も特定の音程が非常に強調されたサウンドになっただけでなく、全体的にキラキラとした印象になりました。

Zynaptiq社の「PITCHMAP」の使い方

それではここからは、PITCHMAPの使い方をかんたんに解説します。

キー(スケール)を指定する

https://youtu.be/46HJUuAKJwk?si=3lZlcN2qsT8NjwYu

まずは、どのキー(スケール)をベースに倍音成分を増やすかを決めるため、画面右下の「KEY TRANSFORM」からキーを指定します。

https://youtu.be/46HJUuAKJwk?si=3lZlcN2qsT8NjwYu
https://youtu.be/46HJUuAKJwk?si=3lZlcN2qsT8NjwYu

このとき、必ずしも実際の曲のキーに設定する必要はありません。

例えばFメジャーの曲でも、Fナチュラルマイナーに設定したり、Aドリアンに設定しても構いません。

試しにFメジャーの曲でAドリアンに設定してみると、このようになります。

2:31~2:41

Perfect Harmonics with Zynaptiq Pitchmap - Sound Design Tutorial

音程を個別に変更する方法

PITCHMAPでは、キー(スケール)を設定した後、特定の音だけ音程を変更することができます。

https://youtu.be/46HJUuAKJwk?si=3lZlcN2qsT8NjwYu

例えば上記画像では、真ん中のド(C)に近いミ(E)の音が鳴ったら、ラ♭(A♭)に変更するように設定しています。

画面のうち、横方向に並んでいる鍵盤と縦方向に並んでいる鍵盤を使って調整します。

横方向に並んでいる鍵盤:いま実際に鳴っている音
画面右端に縦に並んでいる鍵盤:変更後の音程

主要な5つのパラメーター:THRESHOLD、FEEL、PURIFY、GLIDE、ELECTRIFY

PITCHMAPでは、以下5つの主要なパラメーターを操作してエフェクトの効果を調整します。

THRESHOLD

スレッショルドを調節します。
パラメーターが上がれば上がるほど、エフェクトの効果が薄くなります。

FEEL

どれぐらい自然にピッチを調整するかを決めます。
パラメーターが下がると、音程が階段状に調整されロボットのような質感になります)。
パラメーターが上がると、より元の音に近い自然な形でピッチ変更が行われます。

PURIFY

どの程度のトランジェントやノイズに対してエフェクトを加えるかを決めます。
パラメーターが下がるとトランジェント部分にはエフェクトがかかりにくくなります。
パラメーターが上がると厳格にピッチを変更し、レゾナンスが際立つ音になります。
(パラメーターが上がるとパンチがない音になるので、ドラムなどに使うときは注意)

GLIDE

次の音に行くときのピッチの変化(カーブ)の具合を調整します。
パラメーターが下がると、階段状にすぐピッチが変わるようになります。
パラメーターが上がると、曲線状にだんだんピッチが変わるようになります。

ELECTRIFY

電子的で尖った質感を加える量を調整します。
パラメーターが下がると、電子的な質感が減ります。
パラメーターが上がると、電子的な質感が増えます。
(パラメーターを上げると、ノコギリ波や金管楽器のような鋭さが加わります)

FEELのを調整する例 4:56~5:04

Perfect Harmonics with Zynaptiq Pitchmap - Sound Design Tutorial

PURIFYを調整する例(音量が大きくなったときのサウンドに注目) 4:03~4:18

Perfect Harmonics with Zynaptiq Pitchmap - Sound Design Tutorial

GLIDEを調整する例 5:26~5:50

Perfect Harmonics with Zynaptiq Pitchmap - Sound Design Tutorial

ELECTRIFYを調整する例 6:11~6:19

Perfect Harmonics with Zynaptiq Pitchmap - Sound Design Tutorial

サイドチェインMIDI機能の使い方

PITCHMAPでは、MIDIトラックをサイドチェインで扱うことができます。

例えば単音で鳴らしているオーディオトラックとコード進行を打ち込んでいるMIDIトラックを用意すると、打ち込んだコード進行通りにオーディオトラックを鳴らすことができます。
もともとは単音でも、和音を鳴らすことができます

サイドチェインMIDI機能の使い方

  • オーディオトラックにPITCHMAPを追加する
  • PITCHMAP画面左下の「MIDI MAP」をONにする
  • サイドチェインのトリガーをコード進行を打ち込んだMIDIトラックに設定する

サイドチェインMIDI機能の使い方 6:56~8:00

Perfect Harmonics with Zynaptiq Pitchmap - Sound Design Tutorial

サイドチェインMIDI機能の応用方法

このサイドチェインMIDI機能の魅力は、もともと音程のある音に対して機能するだけでなく、そもそも音程がないような音に対してもMIDI(音程・ハーモニー)が適用されるという点です。

例えばダブステップやアシッド系のジャンルで使われるようなクレイジーなシンセベースに対してPITCHMAPを使うと、さらにクレイジーなサウンドになります。
もともとディストーションなどをかけて倍音成分が増えているサウンドだと、さらに倍音成分が際立つようになります

もともとは音程がわからないぐらい音程変化が激しい音でも、PITCHMAPを使ってその複雑さを生かすことができます。

8:54~11:12

Perfect Harmonics with Zynaptiq Pitchmap - Sound Design Tutorial

シンセサイザーの一部をオーディオファイルにバウンスし、切り貼りした後にPITCHMAPを使うと、さらに面白いサウンドを作ることができます。

11:59~12:10

Perfect Harmonics with Zynaptiq Pitchmap - Sound Design Tutorial

Zynaptiq社「PITCHMAP」を購入する

Zynaptiq社「PITCHMAP」を購入する(サウンドハウス)

人気記事

1

今回は、DTMプラグインの中でも非常に人気のあるXfer Records社「OTT」の効果的な使い方を7つご紹介します。

2

今回は、Fabfilter社「Pro-L2」をクリッパーとして使う方法をまとめました。Pro-L2はリミッターとして非常に有名ですが、設定を工夫することでクリッパーに近いサウンドを作ることもできます。本記事では、リミッターとクリッパーの違いと、Pro-L2をクリッパーのように使う設定をご紹介します。

3

今回は、世界中の作曲プロの声を参考に「DAWの選び方完全ガイド」をまとめました。これからDTMをはじめようと思っている方、DAWの種類が多すぎて迷っている方、これから複数のDAWを使い分けて効率よく作曲をしていきたい方のための内容です。

4

今回は、Waves社のリミッタープラグイン「L4 Ultramaximizer」の新機能と基本的な使い方をまとめました。最新作「L4 Ultramaximizer」は、これまでLシリーズを使ってきた方にもそうでない方にも非常におすすめできるプラグインですので、ぜひチェックしてみてください。

5

今回は、Cableguys社が解説する「ドラムにパンチを加えるプロのテクニック」をまとめました。ほんの少しの工夫でドラムがかっこよくなるテクニックですので、ぜひお試しください。

6

今回は、Chris Selimが解説する「マスタリング前に行うミックスの準備方法」をまとめました。マスタリングは楽曲を配信・リリースするための最終段階で、ミックスの後に行われる作業です。 ご自身でミックスとマスタリングを両方行う方も、マスタリングだけ他の人に頼む方も、ミックスの段階でやっておくべきことがわかりますのでぜひ参考にしてください。

7

今回は、世界中のプロに愛用されているoeksound社「soothe3」の使い方をまとめました。とても使いやすく、初心者でもプロ並みのミックスができるようになるこのプラグインについて、その魅力や使い方を解説していきます。

レコーディング時のレイテンシーを減らす方法 8

今回は「レコーディング時のレイテンシーを減らす方法」を8つまとめました。そもそもレイテンシーとは何か、自宅やスタジオでレコーディングするときはどのようなことに気をつければ良いのかをじっくり解説していきます。これでレコーディング時のイライラとはサヨナラしましょう!

9

今回は「DTMer&ボカロPには外付けHDDよりNASをおすすめする3つの理由」をまとめました。NASはDTMerや動画編集者など「大容量のデータを管理する人」「外付けHDDをどんどん買い足さなければならない人」にはとてもおすすめですが、なぜ外付けHDDよりNASをおすすめするのか、その理由を3つご紹介します。

10

今回は「FLUX:: Pure Analyzer Systemの使い方」をまとめました。このプラグインは、世界中の音楽プロデューサー・DTMerに愛用されているアナライザープラグインです。とてもキレイな見た目をしていますが、いったいどのようなプラグインで、どのように活用すればいいのでしょうか?

-ソフト・プラグイン・機材