ミキシング(Mix)でやりがちな10の間違い【海外プロ解説】
- 2019.09.27
- 2019.11.04
- ミキシング・マスタリング
- ミキシング, マスタリング

今はネットでいろいろな音楽制作の情報を手に入れられる便利な時代ですが、中には間違った情報もあります。
日頃からYouTubeでミックス勉強してるぜ!
最近はネットでミキシングを勉強できるからいいよなー
今回は、特にこのような方にご覧いただきたい内容です。
HOFA-Collegeの講師でありオーディオエンジニアのDennis Ward氏が「YouTubeで見つけた、よくないミキシングのTips10選」を解説しています。
今回はこちらの内容をかんたんにまとめました。
海外プロの解説を聞いて、一度自分のミキシングを見直してみましょう!
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- 1. 間違い1: すぐにプラグインを使ってミキシングする
- 2. 間違い2: 頻繁にプロが作った曲と聞き比べる
- 3. 間違い3: 初期段階から大部分をMonoでミックスする
- 4. 間違い4: プラグイン(ソフト)はハードと同じぐらい質がいいからハードを買う必要はない
- 5. 間違い5: いろいろなモニター環境でサウンドチェックをする
- 6. 間違い6: 低域が必要ない全てのトラックでハイパスフィルターを使う
- 7. 間違い7: ちょっとだけEQする、±3dB以上EQをしなきゃいけない時は何かが間違っている
- 8. 間違い8: 減らすためだけにEQを使う
- 9. 間違い9: ミキシングしている時は、いかなる場合もSoloボタンを避けろ
- 10. 間違い10: スピーカーについてよく知っているなら、音響はそれほど重要でない
- 11. よりミキシングの技術を高めるには…
間違い1: すぐにプラグインを使ってミキシングする
これは、早い段階でBusを使って処理してしまうことを指します。
たとえば、自分がどのようにミックスしたいかも決まっていないのにコンプレッサーを使い始めるのはNG。
アルバム1枚分をミキシングするのであれば、それぞれ曲調も違うしテンポも異なります。
コンプレッサーは一旦置いておいて、まずはそういったミキシングの前提についてを考えるべきですよね。
もちろん、コンプレッサーやEQなどは良いミキシングをするのにはかかせません。
しかし、ミキシングの方向性を考えるなど、先にするべきことをしてから使うようにしましょう。
間違い2: 頻繁にプロが作った曲と聞き比べる
これは、ミキシングをしている間、頻繁に参考曲を聞いて自分のミキシングと比べるということを指します。
頻繁=30分に1回ぐらいですね。
「自分がミックスしている曲と同じような曲を参考にしてミックスしましょう」というのはよく聞きますよね。
ですが、自分の曲とプロが作った参考曲を頻繁に行ったり来たりすると、気が散ってしまい自分の曲に集中できなくなります。
参考曲を聞くのは良いですが、やりすぎは禁物です。
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間違い3: 初期段階から大部分をMonoでミックスする
本当にシンプルな曲・編成でミックスするときなら、Monoでミックスするのは良いでしょう。
しかし、たとえばRockの場合ならこうはいきません。
ギターが2本いたり、Stereoのキーボードやパッドいたりと、広がりや大きさを感じるようなサウンドが求められます。
それなのにMonoでミックスしてしまうと、本当はパッドがどれぐらいの大きさなのかわからなくなったり、Stereoにしたらわかるはずのことがわからなくなったりします。
Monoでミキシングするのは大切ですが、やるならある程度ミキシングが出来上がってきてから。
大部分をMonoでミキシングするのは避けましょう。
間違い4: プラグイン(ソフト)はハードと同じぐらい質がいいからハードを買う必要はない
確かに、最近は多くのメーカーが素晴らしいプラグインを開発しています。
しかし、DAWにおけるマイクプリアンプ、ケーブル、プリアンプなどに関しては「NO」です。
確かにプラグインの方がお金がかかりませんが、「ハードじゃなくてもプラグインでいいのでは?」というのは妄想です。
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間違い5: いろいろなモニター環境でサウンドチェックをする
「いろいろなモニター環境」というのは、スピーカーやイヤホン、ヘッドホンなどのデバイスや、スタジオやリビングなどの部屋を指します。
もちろん環境を変えるのは大切ですが、頻繁に変えながらミキシングを確認するのはナンセンス。
頻繁にやってしまうと、頭がごちゃごちゃになってしまい整理がつかなくなります。
プロなら音楽環境が整っているのですぐモニターを変えられますし、耳も肥えているので惑わされにくいです。
しかしアマチュアやビギナーの方は音楽環境が整っておらず、場所を移動したりする必要が出てきます。
これでは気が散ってしまい、まったくミキシングのためになりません。
また、質の悪いスピーカーを3つ用意する前に、まずは質の良いスピーカーを1ペア買いましょう。
間違い6: 低域が必要ない全てのトラックでハイパスフィルターを使う
必要のない低域をカットすることは、間違いではありません。
しかし、何も考えず「これはボーカルだからローカット」「これはギターだからローカット」というように、自動的に考えてしまうのはNGです。
そのトラックが本当に不必要な低域を含んでいるか、チェックしましょう。
全く低域がないのにカットしても意味がないですよね。
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間違い7: ちょっとだけEQする、±3dB以上EQをしなきゃいけない時は何かが間違っている
EQをはじめ、ツールの使い方にルールはありません。
音がよければ、それでよいのです。
間違い8: 減らすためだけにEQを使う
音が明るすぎたり太すぎたり、明るすぎるときはEQでカットしたりしますよね。
逆に、もう少し明るくしたい、ファットな音にしたいと思う時もありますよね。
そういうときは、足すため=理想の音にするためにEQを使ってもいいのです。
間違い9: ミキシングしている時は、いかなる場合もSoloボタンを避けろ
「何かを調整しているときはSoloボタンを使うな。むしろ聞きたいトラックのボリュームを上げて調整しろ」と言っている動画がありましたが、これはナンセンスです。
まず、EQやダイナミックコントロールをしているときは、曲に合うように調整する必要があります。
つまり、自分のイメージ通りの音作りができているかを考える必要があります。
「ハイエンドが出すぎているな、よし下げよう」
「今度は静かすぎるな、少し音量をあげよう」
「よし、これでいい感じになったぞ」
だいたいはこんな感じで調整していきますよね。
つまり、ボリュームを上げて解決できるような問題ではないのです。
だからといって、「絶対にSoloボタンを押せ!使え!」と言っているのではありませんよ。
たとえば、「レゾナンスがちょっとおかしいな」と思ったとしましょう。
そのとき、該当トラックを確認し、調整し、SoloのON/OFFを行ったり来たりしながら調整していくのは…いい方法とは言えません。
ベーシックなEQなどであれば、トラック全体で聞き、バランスを整え、レベルを確認し…といったこともします。
ですが、「何が何でもSoloボタンを使わない」というのはちょっと意味がわからないですね。
間違い10: スピーカーについてよく知っているなら、音響はそれほど重要でない
最後は音響についてです。
良いモニター環境は、良いモニター(スピーカー)だけでできているわけではありません。
あなたが音を聞いている「場所」も大きく関係しているのです。
スピーカーは、部屋の環境に大きく影響されています。
新米のエンジニアに「どこにお金を使ったらいいですか?」と聞かれますが、「音響」と答えます。
まず一番はじめにお金を使うべきなのは、音響を整え得るための設備です。
いいプリアンプやいいマイクは二の次。
その他のものは、もっと後回しでOK。
安いノートPCを買ったり、Cubaseの安い下位版を買ったりするのは全然大丈夫、そこまで気にすることではありません。
しかし、良いモニター環境を作ること、音を聞く場所を作ることには気を配ってください。
音響を整えると、その日から音楽をやめる最後の日まで効果を実感できます。
いろいろな商用スタジオや自宅スタジオを見て残念に思うのは、50万円のスピーカーを持っていて、僕がうらやましいと思うぐらいの機材を持っているのに、音響が残念なところです。
もしこれから何か一つ大きな投資をしようと思っているなら、部屋1つで音楽制作をしようと思っていたり、自宅スタジオを使おうと思っているのなら、音響にお金を投資しましょう。
よりミキシングの技術を高めるには…
より信憑性のある正しい情報は、やはりお金を使って得るのが一番でしょう。
こちらの書籍では、ミキシングに関するテクニックが多数掲載されています。
エンジニア監修の情報を得て、よりよい制作ができるようにしましょう!
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