マスタリングのコツ

【DTM・MIX】SKRILLEXのように音圧を上げる方法

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

今回は、Big Zが解説する「SKRILLEX(スクリレックス)レベルでミックス・マスタリングする方法」をまとめました。

SKRILLEXの楽曲はどれも「音がキレイ(クリーン)」「音量が大きく聞こえる」「音に厚みがある」「音にパンチのある」という印象ですが、いったいどのようにすればこのようにミックス・マスタリングできるのでしょうか?

DTMをしている全ての方、必見の内容です!

音割れせずにミックスをした例

それではまず、今回ミックス・マスタリングをしていくこちらの楽曲をお聞きください。

0:11~0:28

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

基本的に「音が大きい」と感じる楽曲は、ピークRMS(Peak RMS)がおよそ- 8 RMSぐらいになっています。

しかし、先ほどお聞きいただいた曲はそれを超える「-5.7 RMS」で、クリッピングもしていません。

https://youtu.be/ZSP_WNHu_oQ

それではいったいどのようにすればこのようなミックス・マスタリングができるのか、解説していきます。

SKRILLEXのようにミックス&マスタリングをする方法「4ステップ」

SKRILLEXのようにミックス&マスタリングをする方法は、大きく分けて4ステップに分けられます。

  • 作曲・編曲の時点で「ベストな状態」にしておく
  • 必要のないリバーブを使わない
  • 短くパンチのあるドラムを使う
  • グループマスタリングをする

それでは、一つずつ解説していきます。

ミックス・マスタリングのコツ1.作曲・編曲の時点で「ベストな状態」にしておく

1つ目のコツは「作曲・編曲の時点でベストな状態にしておく」です。

多くの人が、「作曲をする人は作曲のことを考えていればいい」「編曲(アレンジ)をする人は編曲のことだけ考えていればいい」のように考えがちですが、よりよいミックス・マスタリングをするためにはこの考え方はNGです。

音楽制作においては、どの段階でもミックスのことを常に考えておくことが大切です。

SKRILLEXの作曲テクニック「コール&レスポンス」

SKRILLEXの曲を分析すると、よく「コール&レスポンス」を取り入れていることがわかります。

https://youtu.be/ZSP_WNHu_oQ

例えばこのようなメロディーで、異なる2つの音色で1つのメロディーラインを作っています。

1:32~1:37

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

このテクニックを使うと、楽曲に程よく複雑さを加えられます。

また「コール」と「レスポンス」の間に空白を入れることによって、音楽全体が開いた感じに聞こえたり、聞いている側に休憩の間を与えることもできます。

https://youtu.be/ZSP_WNHu_oQ

これはミックスではなく作曲(ソングライティング)の段階で考えることなので、ミックスの前から考慮する必要があるポイントになります。

1:47~1:52

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

使う音すべてに「意図」を持とう

曲を作っているとスキマを埋めるために音を入れたくなるときもあると思いますが、入れる音すべてに必ず「意図」を持つことが大切です。

例えば、こちらのドラムをお聞きください。

2:11~2:15

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

おそらく、少し複雑すぎる感じに聞こえると思います。

これは、パーカッションだけを聞いてみると分かりやすいです。

どの楽器もシェイカーを補強するような動きをしているだけなので、ミックスでは「いろいろな楽器が鳴っている状態」から「1つの楽器が鳴っているように聞こえる状態」にしていくことが大切です。

2:19~2:23

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

このパーカッションの例のように、ただループ素材やレイヤーを足していくのではなく、「なぜその音が必要なのか?」など、その音を入れる意図を確認しながら作曲していくことが大切です。

音を足すときに、意図に沿っていない音は削除して、整理していきましょう。

ミックス前にやるべき2つのこと

ミックスの前には、以下2つをやっておくようにしましょう。

・作曲の時点で、充分にスペースを確保しておく
(音を詰め込みすぎない)
・すべての音やレイヤーに意図を持つこと

ミックス・マスタリングのコツ2.必要のないリバーブを使わない

2つ目のコツは「必要のないリバーブを使わない」です。

まずはじめに、こちらのベースラインをお聞きください。

3:07~3:12

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

ベースラインをソロで聞いているので、とてもドライ(空白が空いている感じ)に聞こえ、リバーブを足したくなるようなサウンドです。

しかし、コツ1でご紹介したリードシンセは既にリバーブをたくさん含んでいます。

3:20~3:25

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

これぐらい広がりのあるリバーブがあれば、これだけでも充分スキマを埋める役割が担えるので、これ以上リバーブは必要ありません。

そのため、ソロで聞いて「リバーブが必要だ!」と思わず、全体で聞いて本当にリバーブば必要かどうかを判断しましょう。

3:32~3:48

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

SKRILLEXが使っているリバーブテクニック

SKRILLEXも、リバーブは最小限のものしか使っていません。

例えばとても短いショートルームリバーブ(Short Room Reverb)を使い、なるべくリバーブでスキマを埋めないようにしています。

ミックス・マスタリングのコツ3.短くパンチのあるドラムを使う

3つ目のコツは「短くパンチのあるドラムを使う」です。

https://youtu.be/ZSP_WNHu_oQ

これはオシロスコープを使うとわかりやすいのですが、今回はCableguys社のShaperBoxを使ってみましょう。

おすすめプラグイン「ShaperBox」

ShaperBoxの使用例(4:08~4:12)

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

このプラグインを使ってドラムの波形を確認してみると、キック・ハイハット・スネア・シェイカー・クラップの音がそれぞれどの波形にあたるのか、とてもわかりやすくなっています。

https://youtu.be/ZSP_WNHu_oQ

これだけはっきり分かれているということは、それだけ他の楽器のためのスペースも確保されているということになります。

実際にSKRILLEXもものすごく短いキックを使うことが多く、16分音符よりもほんの少し長い程度です。

4:29~4:31

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master
https://youtu.be/ZSP_WNHu_oQ

音を短くしたいときにおすすめのプラグイン

音を短くしたいときは、Cableguys社「VolumeShaper」のように、ボリュームを自由に調整できるプラグインがおすすめです。

https://youtu.be/ZSP_WNHu_oQ

4:38~4:42

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

一瞬だけリバーブを多くする

「音をドライに短くしてみよう」とご紹介しましたが、かといって曲中ずっとそうする必要はありません。

SKRILLEXも、フィルインなどではリバーブを一時的に多くしています。

5:03~5:08

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

ミックス・マスタリングのコツ4.短くパンチのあるドラムを使う

4つ目のコツは「グループマスタリングをする」です。

「グループマスタリング」とは、シンプルに「いくつかのグループに分けてマスタリングを行うこと」です。

グループマスタリングの手順

まずはこのように「ドラムとFX」「ベース」「シンセ」などにグループ化して、グループ別にマスタリングを行います。

5:17~5:29

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

グループ化した後は、もっとも大きいグループに対してリミッティングを行います。

今回はドラムのグループが最も大きかったので、こちらにPro-L2を使っていきます。
(どちらかというとクリッパー要員で使う)

設定は、Styleを「Agressive」、Attackは一番遅く、リリースは最速に、Channel Linkingは全て0%にし、Oversamplingは「16x (CPU-intensive)」にします。

オーバーサンプリングについてはこちらの記事でも詳しく解説しています↓

ここで一番重要なのは、「1:1」設定をONにすることです。

https://youtu.be/ZSP_WNHu_oQ

Pro-L2画面右下にある「Out: 0.0dBTP」と書いてある部分をクリックし、「1:1」のボタンを黄色に点灯させます。

この設定をONにすると、画面左のGainを上げても、Outputのボリュームはそのまま変わらなくなります。

6:05~6:11

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

あとは、クリッピング(音割れ)しなくなるまでGainを上げるだけです。

6:15~6:21

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

画面を見ると、ピーク時にどれぐらい音が抑えられているかがわかります。

https://youtu.be/ZSP_WNHu_oQ

そして、レベルメーター(今回はLogic Pro付属のメータープラグインを使用)を確認しながら、リミッティングをしたときとバイパスにしたときで聞き比べてみます。

6:44~6:50

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

今回の場合は、ドラムに対するリミッターをOFFにするとピークがおよそ-8dBに、ONにすると-10dBになりました。

同じ音量なのに、-2dBも差が出ました。

あとは、このリミッターの設定をドラム以外のグループにも適用します。

7:10~7:16

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

この状態で、全体のレベルを確認してみましょう。

まずは全グループのリミッターをONにした状態です。

7:35~7:42

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

R(右チャンネル)ではピークが-1.6dBになりました。

https://youtu.be/ZSP_WNHu_oQ

それでは、リミッターを全てOFFにしてみましょう。

7:50~7:55

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

ピークは-4.3dBになりました。

https://youtu.be/ZSP_WNHu_oQ

同じ音量なのに、クリッピングすることなく3dBもの差が出ました。

ステレオアウト(マスター)に対して先にマスタリングする前にグループマスタリングをすることで、このように細かくチェックすることができます。

これができたら、あとは通常通りステレオアウト(マスター)にマスタリングをしていきます。

8:13~8:25

How To Get A SKRILLEX Level Mix & Master

とても大きく聞こえ、メーターでもその音量の大きさがわかりますが、クリッピングはしていません。

https://youtu.be/ZSP_WNHu_oQ

コツ4のためにはコツ1〜3を使ってミックスすることが大切

このグループマスタリングを成功させるためには、コツ1~3をしっかり行っていることが前提条件です。

マスタリングだけ頑張るのではなく、作曲(ソングライティング)の段階からミックス・マスタリングを見据えて制作していきましょう。


以上で今回の解説は終了です!

音圧やミキシング・マスタリングのコツに関しては他にもたくさんありますので、ぜひプロのテクニックをGETしてください↓


人気記事

1

今回は、キラキラ系エフェクトプラグイン「Bismuth」の魅力と使い方について解説します。Bismuth(蒼鉛)という名前の通り、金属や宝石を思い起こさせるようなサウンドを作ることができるプラグインです。特にダンスミュージックで使えるサウンドが手軽に使えます!

2

世界的にヒットしている曲の構成はどうなってる?ヒット曲の公式はある?今回はこのような疑問にお答えします。「曲を作るときはこれを使え!」と言うほど、多くの世界的ヒット曲に使われている楽曲構成をご紹介します。主に洋楽に使われている構成ですので、特に「世界中で自分の曲を聞いてもらいたい」という方はぜひ実践してみてください。

3

今回は、ヒップホップ・トラップを作る人におすすめのスピーカーを5つご紹介します。世界で活躍する超人気音楽プロデューサー&ラッパーが実際に使用している機材のみをご紹介していますので、どれを買っても間違いではありません。スピーカー購入を検討している方は、ぜひご予算や設置スペースに合わせてチェックしてみてください。

4

今回は、Waves社のリミッタープラグイン「L4 Ultramaximizer」の新機能と基本的な使い方をまとめました。最新作「L4 Ultramaximizer」は、これまでLシリーズを使ってきた方にもそうでない方にも非常におすすめできるプラグインですので、ぜひチェックしてみてください。

5

今回は、コード進行を学びたいときやバリエーションを増やしたいときに使えるおすすめのコード作成プラグインを3つご紹介します。「いつも同じコード進行ばかり使ってしまい、新しいコードのアイデアが思い浮かばない」という方、必見です!

6

今回は、世界中のプロに愛用されているoeksound社「soothe3」の使い方をまとめました。とても使いやすく、初心者でもプロ並みのミックスができるようになるこのプラグインについて、その魅力や使い方を解説していきます。

7

今回は、音響関連の商品を開発しているGIK Acousticsが解説する「ステレオスピーカーの置き方」をまとめました。特にDTMなどの音楽制作では、正しく音を聞くためにスピーカーの置く位置が非常に重要になります。この記事では、ステレオモニタースピーカーとサブウーファーの正しい置き方を図を用いて解説します。

8

ミキシングをするときは、スピーカーorヘッドホン(イヤホン)、どっちでやればいいの?今回はこの疑問にお答えします!海外プロが教える「DTMでMIXするときはスピーカーとヘッドホン(イヤホン)のどちらを使った方がいいのか?を解説!今回はスピーカーを使うことによるメリットをじっくりご説明します。

9

今回は、IK Multimedia社「ReSing Japanese Pack」の使い方と実際のサウンドをご紹介します。ReSingはAIによって音をさまざまな声や楽器に変換できるツールですが、ついに日本語対応ボイスモデルを収録した「ReSing Japanese Pack」がリリースされました。今回はこちらをレビューしていきます。

10

今回は、Chambersが解説する「音楽プロデューサーは音楽大学に行くべきか?」をまとめました。ChambersはビルボードチャートでNo.1も獲得したプロの音楽プロデューサーですが、音楽大学や専門学校には行っていません。現在はプロとして活躍している彼が作曲家(ボカロP)になるなら音楽学校に行くべきかどうかを解説します。

-マスタリングのコツ