かっこいいダブステップのキックの作り方【スネアにも使える】
- 2025.05.02
- 2025.04.21
- アレンジ・打ち込み

今回は、Virtual Riotが解説する「プロのサウンドデザイナーが、イケてるドラムサウンドを作る方法を公開します」をまとめました。
Virtual Riotはダブステップやエレクトロ系で人気の音楽プロデューサーで、キック(バスドラム)やスネアにはSonic Academy社の「KICK 2」を愛用しています。
そんな彼が、実際にこのプラグインをどのように使ってどんなことに気をつけながらキックのサウンドメイキングをしているのか、その秘密を公開します。
同プラグインがなくても応用できるテクニックが満載ですので、ぜひご覧ください!
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はじめに:Sonic Academy社「KICK 2」とは?
Sonic Academy社の「KICK 2」は、キック(バスドラム)の音作りに特化したプラグインです。
キックをクリック(トランジェント・アタック)とサブ(ボディー)などのパーツに分割することで、自分の理想のキックを作りやすくしています。
2025年現在は最新版の「KICK 3」がリリースされており、「KICK 2」よりもさらにパワーアップしています。
今回は旧版の「KICK 2」をベースに解説されていますが、最新版の「KICK 3」でも同様の操作ができますので、ぜひチェックしてみてください。
かっこいいダブステップのキックの作り方(コツ4つ)
今回ご紹介するかっこいいダブステップのキックを作るときのコツは、こちらの4つです。
アタックの質感、低音域の長さ、鳴っている音程の範囲を確認する
音程は上から下に下がっていくので、音程の範囲も理想のキックに近づける
バチッとしたアタック用、グシャっとしたアタック用など
それではここからは、具体的に解説をしていきます。
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KICK 2を使ったキックとスネアの音を聞いてみよう
はじめに、僕(Virtual Riot)がSonic Academy社の「KICK 2」を使って作ったキックとスネアの音をお聞きいただきます。
僕はドラム系のサンプルパックも作っていますが、そこに収録しているドラムサンプルはこのKICK 2を使って作っています。
ダブステップキックの作り方1.理想のキックを分析する
キックを作るときにまず大切なのが、自分が作りたいと思う理想のキックを分析することです。
他の楽曲のキックを聴いて、低音域の長さや、鳴っている音程の範囲を確認しましょう。
例えば、こちらのキックの音を聴いてみましょう。
これらのキックは、超低音域(Sub)がないように聞こえ、音の長さも短いように聞こえます。
それでは、別のキックを聴いてみましょう。
こちらのキックは超低音域を含んだ重みのある音ですが、音の長さが短く、ズドンとストレートに落ちていくような音がします。
音程で言うと、100Hzから50Hzぐらいまで落ちているような印象です。
このように、まずは理想とするキックがどのような特徴を持っているのかを分析してからキックの音作りをするようにしましょう。
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ダブステップキックの作り方2.ピッチと音量を調整する
はじめに調整するのは、ピッチ(音程)と音量(音の長さ)です。

KICK 2では、音量とピッチをグラフを描くように調整することができます。
画面左下で「PITCH」タブを選択しているときは、画面上部のグラフでピッチを調整することができます。
画面左下で「AMP」タブを選択しているときは、画面上部のグラフで音量(音の長さ)を調整することができます。
まずは、おおよその音の長さと音程を調整しましょう。
ダブステップキックの作り方3.CLICKを調整する
次は、音の立ち上がり部分であるCLICK(トランジェント)を調整します。
CLICKの種類はデフォルトでもたくさん用意されていますが、自分が好きなサンプルを選ぶこともできます。
KICK 2のいいところは、「CLICKが3つ使える」という点で、目的に応じてトランジェントを作り分けることができます。
1つ目のCLICKを調整する
サンプルパックでドラムの音を聴いたとき、「単体で聴いたときにトランジェントはいいが、重みや長さが足りない」というときがあるでしょう。
例えば僕は「BHK」と呼ばれるサンプルパックを持っていて、ここに収録されているキックはとてもいい音なのでお気に入りです。
しかし、最近の音楽に対してインパクトやパワーがないサウンドだと感じます。
そのため、トランジェントだけはBHKのサンプルを使い、インパクトやパワーを出すための音はまた別で用意します。
例えば、トランジェントに「ガチッ」「バチッ」というはっきりした音はないものの、「グシャッ」「ジャラッ」とした少し長めのトランジェントが好きなキックがあったとします。
このとき、このザラついた長めの音をキックに取り入れるために、音の始まりの部分の音量を減らして使います。

音の始まりの部分の音量を下げ、「CLICK1」にハイパスフィルターをかけて、高音域だけを残します。
この状態で「バチッ」「ガチッ」としたトランジェントを混ぜると、バチッとしたトランジェントがありながらも、グシャッとしたザラつきも足すことができます。
そのため、次はCLICK2を使ってキックにはっきりとしたトランジェントを加えていきます。
2つ目のCLICKを調整する
2つ目のCLICK(CLICK2)は、CLICK1のようなザラつきよりも、キックのバチッとしたトランジェントを重視するために使います。
そのため、音の立ち上がり部分だけ鳴るようにし、音がスパッと切れるように調整します。

そして、CLICK1とCLICK2のバランスが程よくなるように、それぞれの音量を調整します。
必要であれば、3つ目のCLICKも追加して調整しましょう。
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ダブステップキックの作り方4.SUBを調整する
最後に、画面右下にある「SUB CONTROL」から超低音域の音を調整します。
完成したキックはバウンス&保存しよう
KICK 2では、プラグイン内で作った音をオーディオファイルにバウンスできます。
DAWのプロジェクトファイル内でも扱いやすくなるほか、パソコンに「お気に入りのキックサンプル」として保存しやすくなります。
ぜひバウンス・保存して自分オリジナルのキックを活用していきましょう。
以上で解説は終了です。
当サイトでは他にもプラグインの使い方やかっこいいドラムサウンドの作り方をまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください。
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