今回は、数々のプラグインやサンプルを販売しているADSRが解説する「Aug6とは?」をまとめました。
曲の流れを面白くしたいときに使えるコード「Augmented 6th(オーギュメントシックス)」。
(以下「Aug6」)
このコードを使いこなして、より味わいのある楽曲制作ができるようになりましょう!
コード「Aug6」の役割

Aug6は、プレドミナントの役割を果たします。
ドミナントの前(プレ、Pre)に来るコード、つまりドミナントの前に来て、ドミナントに解決していくコードです。
ドミナントは5thですので、たとえばCメジャーキーならGになります。
このコードは、マイナーキーの楽曲によく見られます。
Aug6の使い方には3種類ある

実は、Aug6を使う方法には3つのスタイルがあるのです。
- イタリアン Aug6(Italian Aug6)
- フレンチ Aug6(French Aug6)
- ジャーマン Aug6(German Aug6)
これらは一体どのようにして使えばいいのでしょうか?
実際のコード進行に当てはめて見ていきましょう。
Cマイナーキーのおさらい
ここから先はCマイナーキーでの例で解説しますが、まずはCマイナーキーをおさらいしましょう。
Cマイナーキーは、以下7音で構成されます。
ド・レ・bミ・ファ・ソ・bラ・bシ
C・D・bE・F・G・bA・bB
そして、Cマイナーキーのダイアトニックコードはこちら。
Cm・Ddim・bE・Fm・Gm・bA・bB
それでは、これをもとに3つのスタイルを解説していきます。
おしゃれコード1.イタリアンAug6

「イタリアンAug6」は、ルート音+Major 3rd+Aug6で構成されるコードです。
Cm - Ab/C - AbAug6 - G - Cm/G
3番目の「AbAug6」を分解すると、このようになります。
Ab(ルート音)
C(Major 3rd)
Gb(Aug6)
Aug6は、Augmentされた6thを含むコードです。
Abの本来の構成は「Ab・C・Eb」で、このコードの6thはFです。
その6thのFをAugmentedにすると半音上がってGb(F#)となるため、AbAug6は「Ab・C・Gb」となるのです。
プレドミナントになっているかチェック!
冒頭で「Aug6はプレドミナント」というお話をしました。
ドミナントはスケール上の5thの音で、例えばCメジャーキーなら「G」がドミナントです。
Cm - Ab/C - AbAug6 - G - Cm/G
このコード進行を見てみると、Aug6の次はGです。
コードGの音にはGが含まれていますが、AbAug6のGb(F#)はこの音につながる導音となります。
そして、Gはスケール上の5番目=ドミナントです。
Aug6はプレドミナントの役割があるので、ドミナントであるコードGの前に置かれます。
これで、Aug6が冒頭でお伝えしたプレドミナントになっていることが確認できました。
おしゃれコード2.フレンチAug6

フレンチAug6は、イタリアンAug6にドミナントの5thを加えたコードです。
Ab(ルート音)
C(Major 3rd)
D(ドミナントの5th=コードGの5th)
Gb(Aug6)
次に出てくるドミナントと共通の音(D)を持つことで、強い関係を持たせることができます。
実際に聞いてみると、イタリアンAug6よりも強い攻撃的なイメージを持つことがわかります。
おしゃれコード3.ジャーマンAug6

ジャーマンAug6は、イタリアンAug6に5thを加えたコードです。
Ab(ルート音)
C(Major 3rd)
Eb(Perfect 5th)
Gb(Aug6)
実は、このコードの場合はドミナントだけでなく、トニック(1th)に解決することもできます。
つまり、このようにしても自然な響きになります。
Cm - Ab/C - AbAug6 - Cm
おしゃれコード「オーギュメントシックス」まとめ
Cマイナースケールにおいて、Gb(F#)はあまりなじみのない音かもしれません。
そのため、この音を効果的に使うことによって、よりエキサイティングな、おもしろいコード進行にすることができます。
ぜひ日々の作曲や演奏に取り入れてみてください!
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