シンセサイザー

【DTM】かっこいいシンセ「Super Saw」の作り方のコツ5つ

5 Power Tips for Supersaws in Serum

今回は、数々のサンプルやプラグインを販売するADSRが解説する「Super Sawで使える5つのコツ with Serum」をまとめました。

最もベーシックなSawから、どのようにしてかっこいいSuper Sawを作っていくのかを順に解説していきます。

動画はシンセサイザー「Serum」を使う前提になっていますが、ウェーブテーブルシンセであれば他の製品でも作れます。

どんな音色になるかは動画を見るとすぐわかりますので、「Super Sawって何?」という方は、ぜひ耳で確認してみてください。

SerumでSuper Sawがうまく作れない原因は?

かっこいいシンセSuper Sawの作り方のコツ5選

「キレイで曲にフィットするようなSuper Sawが作れずに悩んでいる」というお悩みをいただくことがあります。

おそらくこの原因の1つは「やりすぎ」でしょう。

たとえば、Super SawやHyper Sawを使える別のシンセの代表格に「Sylenth1」があります。

Serumと比べると、Sylenth1の方が調整できるパラメーターが少ないです。

Sylenth1はプリセットを読み込んで、あとはちょっといじれる程度なのに対し、Serumはプリセット選んだ後、ウェーブテーブルを細かく調整することが可能です。

しかし調整できる要素が多いがゆえに、ここで音作りに悩んでしまうことも多いです。

そしてその結果、「やりすぎ」「何かか大きすぎる・多すぎる」と感じるようなサウンドになってしまうのです。

それではここからは、その「やりすぎ」を防ぎながら、SerumでSuper Sawをかっこよく作るコツを5つ紹介していきます。

かっこいいシンセ「Super Saw」の作り方のコツ5つ

Super Sawをかっこよく作るコツは、こちらの5つです。

  • 正しいWaveformを選ぶ
  • DetuneとUnisonの設定
  • Sub・NoiseのOSCを追加する
  • Hyper Dimensionエフェクトを使う
  • Warp Modeを使って立体的なサウンドを作る

それでは、Serumを使って具体的に解説をしていきます。

Super Sawを作るコツ1:正しいWaveformを選ぶ

かっこいいシンセSuper Sawの作り方のコツ5選

Super Sawを作るコツの1つ目は、「正しいWaveformを選ぶ」です。

派手な音にしたいからと言って複雑なWaveformを選ぶ必要はなく、「正しいWaveformを選ぶこと」が重要です。

Serumのようなウェーブテーブルシンセのよいところは、ウェーブテーブルポジションなどを通して、LFOやエンベロープを動かしたり修正したりできるところです。

しかし、Super Sawは少し厄介です。

複雑なウェーブテーブルを使うと、Detuneをして音に広がりを出しながらVoice数も増やしてしまうと、ウェーブテーブルポジションも変わってしまい、グシャっとしたキレイではない音が出来上がってしまうことがあります。

このせいでキレイなSuper Sawを作りにくくなり、音作りに悩みやすくなってしまうのです。

そのため、DetuneやVoice数を調整しても音をキレイに保てるようなWaveformを選ぶことが大切なのです。

例えば、デフォルトのベーシックなSawと、少し丸みのあるSaw(Rounded Saw)を選んでみます。

かっこいいシンセSuper Sawの作り方のコツ5選

同じSawのWavetableですが、微妙に違いがあります。

ここにVoiceを加えたりDetuneをすると、さらに違いが出てきます。

シンプルなSawを2つ掛け合わせることで、自分だけのSuper Sawを作ることができます。

まずはじめに、Wavetableを慎重に選ぶところから始めましょう。

Super Sawを作るコツ2:DetuneとUnisonの設定

かっこいいシンセSuper Sawの作り方のコツ5選

Super Sawを作る2つ目のコツは「Detune・Voice・Unisonを加え、この3つをブレンドさせて使う」です。

Serumでは、Unisonは最大16まで設定できます。

でも本当に16にしてしまうと、多すぎてグシャっとした音になってしまいます。

特にOSCを2つ使っている場合は、合計で16Voiceも使うことになります。

そのため、Unison数はだいたい6~12ぐらいにおさめておきましょう。

例えば、まずOSC AのUnisonを10にし、Detuneを少し加えてみます。

ここでOSC A(デフォルトのベーシックなSawの方)を鳴らしてみると、Detuneをすることで広がるのあるサウンドになります↓

3:06~4:52

5 Power Tips for Supersaws in Serum

トラップ系のジャンルでMono音源を使うとき、多くの方がDetuneのUnisonを増やしすぎる傾向にあります。

このようなジャンルを作る場合は、DetuneのUnison数はもう少しおさえておきましょう。

次はOSC Bです。

Aのときと同じ手順を行いますが、Unisonは少し控えめにします。

4:58~5:05

5 Power Tips for Supersaws in Serum

また、このOSC Bはピッチを少し上げて(もしくは下げて)みたいと思います。

ウェーブテーブルのSEMやFINをほんの少し上げ下げします。

こうすることで、より音に広がり・厚みを加えることができます。

特にLeadパートに有効な方法ですので、ぜひお試しください。

5:07~5:29

5 Power Tips for Supersaws in Serum

Super Sawを作るコツ3:Sub・NoiseのOSCを追加する

Super Sawを作る3つ目のコツは「Sub・NoiseのOSCを追加する」です。

Serumでは、さまざまな種類のSub(超低音域)やNoise(ノイズ)を使うことができます。

またSerumは他のシンセと違い、自分の好きなノイズサンプルをインポートすることができます。

このため、ユニークでクリエイティブなサウンドを作りやすくなります。

Sub(超低音域)を追加する

Serumの画面左上にある「Sub(超低音域)」を追加すると、より重みのあるSuper Sawにすることができます。

しかし、ただ入れただけでは元の音になじまず、大きすぎる場合があります。

このような場合は、Subの音量を少し下げてちょうどいいポイントを探してみましょう。

また、Serumの設定をMonoにしてGlideをつけてみると、非常に目立つサウンドに仕上がります。

6:29~6:38

5 Power Tips for Supersaws in Serum

ちなみにSubはUnisonのパラメータがないのでDetuneすることができません。

そのため、Subは常に真ん中で鳴っているイメージになります。

Noiseを追加する

Noiseを追加すると、より派手で聞き取りやすいSuper Sawに仕上げることができます。

Serum画面左のNoiseメニューから音色を選び、好みのものを探してみましょう。

GlideやNoiseの音量なども調整していくと、「ザーッ」と派手な音が加わり、Super Sawらしくなります。

7:14~7:42

5 Power Tips for Supersaws in Serum

フィルターとEQを使って余分な周波数帯域をカットする

NoiseやSubを使ってある程度音作りができたら、次はフィルターとEQを使って、一部の周波数帯域を少し減らしていきます。

もし曲のDrop部分(一番盛り上がるところ)でこのSuper Sawを使おうと思っている場合は、おそらくベースとキックが同時に鳴ることになると思います。

フィルターやEQを使ってSuper Sawに含まれている特定の周波数はカットしても、Dropは他の楽器も鳴っているので、全体で聞くと充実感のあるサウンドになるでしょう。

逆に言えば、もし全体で聞いた時にキックやベースの音が聞こえづらいときは、Super SawにフィルターやEQを使って周波数帯域を調整してみるとよいでしょう。

Super Sawを作るコツ4:Hyper Dimensionエフェクトを使う

Super Sawを作るコツ4つ目は「Hyper Dimensionエフェクトを使う」です。

「Hyper Dimension」はSerum独自のエフェクトで、使うとより広がりのあるかっこいいSuper Sawを作ることができます。

Serumの「Hyper Dimension」における「Hyper」はDetuneの効果があるエフェクトです。

このHyper Dimensionの値をあげると、Detuneサウンドの効果を得ることができます。

Hyper DimentionのエフェクトをONにしていると、確かに広がりのあるサウンドになっている=Detuneされていることがわかります。

もちろん、Noiseにも適用できます。

9:18~10:58

5 Power Tips for Supersaws in Serum

Super Sawを作るコツ5:Warp Modeを使って立体的なサウンドを作る

Super Sawを作るコツ5つ目は「Warp Modeを使って立体的なサウンドを作る」です。

Warp Modeはウェーブテーブルに対し変化を加えられる機能で、より立体感のあるサウンドを作るのに使えます。

例えばSerumでは、まずOSC Aの「Blend」の下にあるツマミの「OFF」をクリックし、「Bend +/-」を選択します。

これがWarp Modeの役割を果たします。

ためしにBendのツマミを真ん中あたりに振ってみると、Squareのような音になります↓

11:58~12:16

5 Power Tips for Supersaws in Serum

OSC Bも同様、Bend +/-を適用させ、ツマミを真ん中あたりに動かしてみます。

12:25~13:16

5 Power Tips for Supersaws in Serum

エフェクト類は後回しでいい

Super Sawの音作りで重要なのは、まずこの時点でクリーンなサウンドに仕上げること。

エフェクトやフィルターを足したりLFOやエンベロープをいじったりする前に、まずやるべきことは「元々の音をキレイに仕上げること」です。

エフェクトやフィルターを足す前の状態でクリーンに聞こえないのは、おそらくコツ1・2がうまくできていないからでしょう。

キレイな音に聞こえないと思ったら、まずは選んでいるWaveformやDetune・Unisonのパラメーターを見直してみましょう。

おまけ:Global EditorでUnisonの設定をする

ここまでで5つのコツをご紹介しましたが、最後にもう一つ便利なテクニック「Global Editorを使った方法」をご紹介します。

Globalタブにあるパラメーターを調整することで、よりビックでワイドなサウンドにすることができます。

一連の手順(13:53~17:30)

5 Power Tips for Supersaws in Serum

まずはSerum上部のタブから「GLOBAL」を選びます。

「UNISON」というセクションがあり、ここではUnisonに関するさまざまな設定を変えることができます。

左がOSC Aに適用する値、右がOSC Bに適用する値です。

Width

50/50にすると、広がった感じが少し薄まります。
もし楽曲にフィットしないなと思ったら、ここを調整してみるとよいかもしれません。

Warp Mode

Warpオフセット(ズレ)の調整をすることができます。
たとえばWarp機能を強めに設定した場合、実際より張った音にすることができます。
逆に減らすと、より落ち着いたサウンドになります。

Stack

複数のVoiceがある場合に、どれぐらいピッチを変えるかを調整できます。
この設定を使えば、5thや7thの音を自動で加えることができます。

もっと音作りを学びたい方は…

以上で「Serumを使ったSuper Sawの作り方」の解説は終了です。

Serumの使い方をざっくりご説明しましたが、Serumを完全にマスターしたい方のために「Serumコンプリートガイド」をまとめていますので、使い方を知りたい方はこちらをご覧ください↓

関連記事
関連記事

また今回の記事をご覧になって、Super Saw1つでもできることはたくさんあり、また気をつけるべきこともたくさんあると感じた方が多いのではないでしょうか?

シンセでの音作りは本当に奥深いですが、さらに音作りを学ぶには、こちらの書籍がおすすめです🔻


人気記事

1

今回は、BeatsbyVinityTVが解説する「Skrillexのようにリミッターとクリッパーを使って音圧を上げる方法」をまとめました。Skrillexと言えば、激しい音楽と爆発的な音圧が特徴的です。今回は、彼のように音圧を爆上げするにはどうしたらいいのか、その方法を解説していきます。

2

今回は「SM7B vs SM58」をまとめました。ボーカルやギターのレコーディングによく使われるのが、SHURE社のSM7BとSM58です。どちらも超定番のマイクですが、一体何が違うのでしょうか?この記事ではそれぞれの特徴をじっくりご紹介しながら、どちらのマイクを選ぶべきか、その基準を解説します。

スプリングリバーブとは 3

今回は、Sweetwaterが解説するよく使われる5種類のリバーブ(Hall・Chamber・Room・Plate・Spring)の違いについてまとめました。これら5種類のリバーブの特徴や違いをそれぞれ解説しますので、読み終わる頃には、自分が今欲しいリバーブをすぐに判断できるようになります!

4

この記事では、ヒット曲を作曲するための方法を解説した記事をまとめています。作曲・編曲・ミキシング・マスタリングなど、音楽制作の工程ごとに分けてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

5

今回は、Cableguysが解説する「ShaperBox 3の紹介」をまとめました。Cableguys社のプラグイン「ShaperBox」は、作曲からミックスまで幅広く使える超万能プラグインです。この記事では、ShaperBoxの主な機能5つと、特に魅力的な機能の使い方をご紹介します。

6

今回は、数々のモニタースピーカーを販売しているAdam Audio社が解説する「自宅スタジオ~3レベル~」をまとめました。自宅の小さな寝室でDTMをしている方からプロを目指している方まで、レベル別におすすめのDTMセットをご紹介します。

Oeksound 「Soothe2」の驚くべき使い方【DTM MIX】 7

今回は、Riffs,Beards&Gearが解説する「Oeksound Soothe2の秘密」をまとめました。発売以降、「このプラグインのおかげでミックスの効率がものすごく上がった」「もうこのプラグインなしではミックスできない」というプロが世界中で続出したこのプラグインを驚くべき方法で使いこなす方法をご紹介します!

8

今回は「CPUパフォーマンスとリアルタイムパフォーマンスの違い」をまとめました。DTMをしていてよくあるのが「DAWの動作が遅くなる」というトラブルです。ここで重要なのが、この2つのパフォーマンスの違いを理解しておくことです。そこでこの記事ではこれら2つを解説し、サクサクとDAWを動かすためのコツをご紹介します。

iLokが故障・盗難・紛失したときにやるべきことと、事前にやっておくべきことまとめ 9

今回は、DTMerにはおなじみの「iLok」が故障・盗難・紛失したときにやるべきことと、故障・盗難・紛失前にやっておくと安心する5つの項目をまとめました。万が一のときにどうするべきかを知っておくだけでも安心材料になりますので、ぜひご覧ください。

ドリアンモードを使ったゲーム音楽 10

今回は、8-bit Music Theoryが解説する「ドリアンモードの使い方」をまとめました。この記事では前編として「ドリアンモードの基礎」と「ドリアンモードを使ったシリアス&ダークなゲーム音楽の例」をご紹介します。

-シンセサイザー
-,