コード進行

ポップスの曲をリハーモナイズする方法②【ジャズフュージョンスタイル】

普段よく聞いているポップスの曲をかっこよくリハーモナイズしてみたいけど、どうやったらできる?

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

Extreme jazz fusion reharmonization

ベーシストであり、数々の音楽理論の解説動画をアップしているAdam Neelyが解説する「ジャズフュージョンスタイルのリハーモナイズ」まとめました。

この記事では、解説者であるAdamが実際に行った「ポップスの楽曲をジャズフュージョンスタイルにリハーモナイズする方法」のうち、以下についてご紹介します。

・テンションを入れる
・セブンスコードを使ったサイクル5ルートモーション
・トライトーン・サブスティテューション

手っ取り早くジャズっぽくアレンジする方法

まず、手っ取り早く曲をジャズっぽくするには「テンションを入れる」という方法が有効です。


画像:動画より

Dm Gm - Bb C

このように、通常のトライアドでできているコード進行に7thや9th、11th、13thなどのテンションの音を入れるだけでOKです。

7thをテンションとして入れる場合

Dm7 Gm7 - DbM7 C7


画像:動画より

9thをテンションとして入れる場合

Dm9 Gm9 - BbM9 C9


画像:動画より

11thをテンションとして入れる場合

Dm11 Gm11 - BbM9(#11) C11


画像:動画より

13thをテンションとして入れる場合

Dm11(b13) Gm13 - BbM13(#11) C13(sus4)


画像:動画より

このようにすると、原曲のコード進行とは大きくかけ離れることなく、ジャズらしい雰囲気にすることができます。

実際の音はこちら(4:14~4:24)

Extreme jazz fusion reharmonization

組み合わせて使うと、このようになります。


画像:動画より

セブンスコードを使ったサイクル5ルートモーションを利用する

よりジャズらしい響きにしたい場合は、「セブンスコードを使ったサイクル5ルートモーション」を使うのがよいでしょう。

セブンスコードを使ったサイクル5ルートモーションとは?

セブンスコードを使ったサイクル5ルートモーションとは、五度圏の考え方を使った考え方で、単純にコード進行を5度ずつ下げる/上げる+そのダイアトニックコードにセブンスを足す方法です。

ジャズでよく使われるので、これを使うだけでもジャズらしくなります。


画像:五度圏(https://dn-voice.info/music-theory/godoken/より)

上記の五度圏の画像を見ると、右に一つズレると音が5度ずつ上がり、左に一つズレると音が5度ずつ下がっていることがわかります。

これを利用し、たとえば「Gm7 C7 - FM7 BbM7」のようにします。

4:42~4:53

Extreme jazz fusion reharmonization


画像:動画より 

Gm7 C7 - FM7 BbM7

Em7(b5) A7 - Dm7 - Dm6

トライトーン・サブスティテューションとは?

ジャズらしいサウンドにする別の方法として、「トライトーンサブスティテューションをパッシングコードとして使う」が挙げられます。

ルート音をベースとして、トライトーンを目的のコードのレラティブドミナント5thコードから離して使う、というものです。

…と言ってもわかりにくいと思うので、例を見ていきましょう。

トライトーン・サブスティテューションの入れ方

たとえばターゲットコード(次にメインになるコード)をFメジャーコードにする場合、FメジャーコードのドミナントセブンスコードはC7です。

そのため、まずはFメジャーコードの1小節前・1拍目に、C7コードを置きます。


画像:動画より

次に、C7の「C」から見てトライトーンとなる音のセブンスコードを、C7の次に入れます。

トライトーンとは、半音6つ分離れた音を指します。

CのトライトーンはGbですので、Gb7をFとC7の間に入れます。


画像:動画より

ターゲットコードの半音上のコード

ここで使ったトライトーンは、ターゲットコードの半音上の音になります。

今回の場合、Gb7をトライトーン・サブステューション、Fをターゲットコードとしていますが、GbとFは半音違いです。

この半音移動の響きが、より面白いかつスムーズなコード進行になるのです。

それでは、実際の例を見てみましょう。

5:26~5:37

Extreme jazz fusion reharmonization

Gm C7 - FM7 B7 Bbm7

Em7(b5) Bb7 A7 Eb7 - Dm7 Dm6


画像:動画より

かなりジャズっぽい響きになりました!


実は、リハモで使えるテクニックはまだまだあります。

知れば知るほど面白くなってきますので、ぜひトライしてみてください。


人気記事

1

今回は、Waves社のリミッタープラグイン「L4 Ultramaximizer」の新機能と基本的な使い方をまとめました。最新作「L4 Ultramaximizer」は、これまでLシリーズを使ってきた方にもそうでない方にも非常におすすめできるプラグインですので、ぜひチェックしてみてください。

2

https://www.youtube.com/watch?v=eOzjb5zik8g 今回は、SadowickProductioが解説する「Waves社のLシリーズの違い」をまとめました。 Wave ...

3

今回は、音楽プロデューサーのKavin Kuschelが解説する「DAWのパフォーマンスを改善する方法」をまとめました。DTMをしていると、ブツブツと音が鳴りながらゆっくり再生されてしまうことはありませんか?今回はこのようにDAWの動作が重い・遅いときのチェック項目を6つご紹介します。

4

今回は、DTMにおすすめのストリングス・弦楽器音源をまとめました。ストリングス音源は1つ1つ使える音色やアーティキュレーション、マイキング、操作性が異なります。そのため、できるだけたくさん持っておくと自分の理想のサウンドにしやすく、レイヤーしたときの充実感がUPします!

5

今回は、音楽プロデューサーのIZZYが解説する「プロのようなボーカルミックスをする秘密の公式」をまとめました。作曲においてプロとアマチュアを分けるポイントの1つが、ボーカルミックスのクオリティです。この記事では、どのようにすればプロのようなボーカルMIXができるのかを解説していきます。

6

今回は、Ryan Leachが解説する「ジョン・ウィリアムズのような転調をする方法」をまとめました。映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズは、ハリーポッターやスターウォーズなど、世界的ヒット作品の音楽を手がけている作曲家です。この記事では、そんな彼が作曲で使っている転調の方法を3つご紹介します。

7

今回は、BeatsbyVinityTVが解説する「Skrillexのようにリミッターとクリッパーを使って音圧を上げる方法」をまとめました。Skrillexと言えば、激しい音楽と爆発的な音圧が特徴的です。今回は、彼のように音圧を爆上げするにはどうしたらいいのか、その方法を解説していきます。

8

今回は、Waves社が解説する「ミックスとマスタリングの仕方〜ピークリミッターの使い方を徹底解説〜」をまとめました。 この記事では「基礎編」として、リミッターに関する基礎を解説しています。

9

今回は、DTMでおすすめのオーケストラ系楽器がすべて使える音源をまとめました。1つ購入するだけで弦楽器・金管楽器・木管楽器・打楽器すべてが揃うだけでなく、世界中のプロが愛用する高品質の製品ばかりですので、まだお持ちでない方はぜひチェックしてみてください。

10

今回は、音楽プロデューサー・映像プロデューサーのKARRAが解説する「自宅スタジオに100TBのハードドライブをアップグレードしてみた」をまとめました。長年クリエイティブ業をしていて膨大なデータを管理することになった彼女が、膨大な数のHDD・SSDを「NAS」で一括管理した理由とその方法について解説します。

-コード進行
-,