ミキシングのコツ 用語解説

【DTM・MIX】よく使われる5種類のリバーブの違いとは?【Hall・Chamber・Room・Plate・Spring】

今回は、DTMでよく使われる5種類のリバーブ(Hall・Chamber・Room・Plate・Spring)の違いをまとめました。

これら5つのリバーブはリバーブプラグインのプリセットによくありますが、「なんとなくこういう雰囲気使ってみよう」など「とりあえず」で使って終わり…という方も多いのではないでしょうか?

この記事ではこれら5種類のリバーブの特徴や違いをそれぞれ解説しますので、読み終わる頃には「今はこういうサウンドが欲しいから、この種類のリバーブを使おう!」と、自分が今欲しいリバーブをすぐに判断できるようになります!

はじめに

今回は、「Hall」「Chamber」「Room」「Plate」「Spring」の5種類のリバーブの特徴と、実際に使ったときの音、おすすめの使い方、各リバーブのおすすめプラグインをご紹介します。

記事の最後には、これらのリバーブが複数種類使えるプラグインもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

Hall(ホールリバーブ)とは?

Hall(ホールリバーブ)は、その名の通りコンサートホールのような空間を演出するリバーブです。

このタイプのリバーブを使うと、残響音が何秒も続き、とても広い空間を感じるようなサウンドにすることができます。

Hall(ホールリバーブ)の音を聞いてみよう

Hall(ホールリバーブ)の例1(1:18~1:37)

4 Types of Reverb Explained | Room, Hall, Spring, Plate

Hall(ホールリバーブ)の例2(8:30~8:55)

What You Don't Know About Reverb - Reverb Masterclass

Hall(ホールリバーブ)の例3(0:37~0:46)

Audio Ease Altiverb 7(日本語字幕 Japanese subtitles)

Hall(ホールリバーブ)の例4(3:30~3:55)

Difference Between Reverb Types - Room, Hall, Spring, Plate [Pedalboard Tips #25]

Hall(ホールリバーブ)のおすすめの使い方

ストリングスやパッド(Pad)などに使うと、音に厚みを出すことができます。

しかし、使いすぎると音が濁ったり、モコモコしてしまってクリアな音にならないことがあります。

また特定の楽器だけにホールリバーブを使った場合、他の楽器と一緒に聞いたときに薄っぺらく壮大さがないようなサウンドに聞こえてしまうことがあります。

そのため、このリバーブを使うときは「リバーブを使ったことで音に濁りがないかどうか」「他の楽器と合わせて聞いても違和感がないかどうか」を確認するとよいでしょう。

おすすめのHall(ホールリバーブ)プラグイン

ここでは「Altiverb」をご紹介しますが、記事一番最後にご紹介するプラグインでもホールリバーブが使えます。

Chamber(チェンバーリバーブ)とは?

Chamber(チェンバーリバーブ)は前述のホールリバーブと似ていますが、より豊かで、その雰囲気に浸れるようなサウンドが特徴です。

ホールリバーブよりも音が明瞭で、濁りにくくなります。

Chamber(チェンバーリバーブ)の音を聞いてみよう

Chamber(チェンバーリバーブ)の例1(1:40~2:10)

What You Don't Know About Reverb - Reverb Masterclass

Chamber(チェンバーリバーブ)の例2

Waves Abbey Road Chambers Reverb Plugin – Audio Demos

Chamber(チェンバーリバーブ)の豆知識

昔は、チェンバーリバーブの質感(反響具合など)を制作・録音するために「反響室」を使っていました。
(タイル張りのバスルームや廊下、階段の吹き抜けなど)
反響室にスピーカーを置き、そこから音を出して反響音を録音していたのです。

チェンバーリバーブはビートルズの名作にも多数使われており、そのレコーディングで使われたAbby Road StudiosやCapital Studiosは歴史的にも有名な音楽スタジオの1つとなりました。

Abbey Road Studioのチェンバーリバーブ制作の様子

Inside The Abbey Road Reverb Chamber

Chamber(チェンバーリバーブ)のおすすめの使い方

チェンバーリバーブは、ボーカル、ストリングス、パッド、ドラムなど、どんな楽器にもおすすめのリバーブです。

ドラムに使うと、 John Bonhamのようなサウンドにすることができます。

おすすめのChamber(チェンバーリバーブ)プラグイン

おすすめの「Abbey Road Reverb Plates」は単体でも購入できますが、バンドル「Abbey Road Collection」を購入した方が圧倒的にお得です。

Waves社「Abbey Road Reverb Plates」を単体で購入する

前述の「チェンバーリバーブの豆知識」でご紹介したAbbey Road Studioを実際に使って制作されたプラグインです。

その他、記事一番最後にご紹介するプラグインでもチェンバーリバーブが使えます。

Room(ルームリバーブ )とは?

Room(ルームリバーブ )は、より小さな空間で音が鳴っているように聞かせるリバーブです。

私たちが普段の実生活で聞くようなごく普通の空間の反響を演出するため、より「リアルさ」「ライブ感」を感じさせます。

Room(ルームリバーブ )の音を聞いてみよう

Room(ルームリバーブ )の例1(0:40~0:46)

4 Types of Reverb Explained | Room, Hall, Spring, Plate

Room(ルームリバーブ )の例2(1:44~2:10)

Difference Between Reverb Types - Room, Hall, Spring, Plate [Pedalboard Tips #25]

Room(ルームリバーブ )のおすすめの使い方

ルームリバーブ は、ボーカル、ギター、ピアノ、ドラムなど、どの楽器にも使えるタイプのリバーブです。

「リスナーと同じ空間にいるように感じさせたい」「目の前にいるように聞かせたい」という場合は、よりリアルさを感じさせるこのタイプのリバーブを使うとよいでしょう。

おすすめのRoom(ルームリバーブ )プラグイン

Valhalla DSP社「Valhalla Room」

こちらのメーカーはセールを実施しないため、買いたいときが”買いどき”です

Valhalla DSP社「Valhalla Room」

その他、記事一番最後にご紹介するプラグインでもルームリバーブが使えます。

Plate(プレートリバーブ)とは?

Plate(プレートリバーブ)は、前述のホールリバーブやチェンバーリバーブ 、ルームリバーブとは違い、実際に存在する空間を模倣したリバーブではありません。

金属音のような、人工的な音がするのが特徴で、他のリバーブとは違ったユニークなサウンドが魅力です。

Plate(プレートリバーブ)の音を聞いてみよう

Plate(プレートリバーブ)の例1(3:28~4:56)

What You Don't Know About Reverb - Reverb Masterclass

Plate(プレートリバーブ)の例2(3:27~3:36)

4 Types of Reverb Explained | Room, Hall, Spring, Plate

Plate(プレートリバーブ)の例3(RoomとHallとの比較)

Difference Between Reverb Types - Room, Hall, Spring, Plate [Pedalboard Tips #25]

Plate(プレートリバーブ)の歴史としくみ

Plate(プレートリバーブ)では、磁気ドライバー(スピーカーのコイルをイメージしてください)が使われています。

トランデューサー(変換器)と呼ばれるパーツが大きな金属のシートに信号を送ってを振動させ、それを付属のマイクで拾ってリバーブを作ったのがはじまりです。

このようにして作られたプレートリバーブの音は、あたたかく、濃密で魅力的だったため、現在でも使われるリバーブとなりました。

EMT140プレートリバーブ
https://www.uaudio.jp/blog/emt-reverb-history/

EMT 140は初期のプレートリバーブの中でも有名で、1960年代のAbbey Road Studioでも使われていました。

そのため、ビートルズやピンク・フロイドなどの有名アーティストの楽曲でこのプレートリバーブのサウンドを聞くことができます。

EMT 140の実際の音

EMT 140 demo (Sabella Studios)

デジタル技術を使って作られたプレートリバーブのサウンドは1980年代で人気となり、当時のギタリストたちに愛された冷蔵庫サイズの大きなラックリグにも搭載されるようになりました。

Plate(プレートリバーブ)のおすすめの使い方

プレートリバーブはとてもユニークなサウンドのため、上手に使えば、ボーカルやスネアなどが楽曲の中で非常に目立つようになります。

また、前述の通りビートルズやピンク・フロイドのようなサウンドを出したいときにもおすすめです。

おすすめのPlate(プレートリバーブ)プラグイン

その他、記事一番最後にご紹介するプラグインでもプレートリバーブが使えます。

Spring(スプリングリバーブ)とは?

Spring(スプリングリバーブ)は、水のようにピシャッと明るいサウンドが特徴のリバーブです。

Spring=バネを使ってリバーブを作るため、このような名前がついています。

Spring(スプリングリバーブ)の音を聞いてみよう

Spring(スプリングリバーブ)の例1(Roomとの比較、2:15~2:25)

4 Types of Reverb Explained | Room, Hall, Spring, Plate

Spring(スプリングリバーブ)の例2(5:29~5:35)

What You Don't Know About Reverb - Reverb Masterclass

Spring(スプリングリバーブ)の例3(Roomとの比較)

Difference Between Reverb Types - Room, Hall, Spring, Plate [Pedalboard Tips #25]

Spring(スプリングリバーブ)のしくみ

前述のプレートリバーブとはトランデューサー(変換器)を使っている点が共通していますが、スプリングリバーブではプレート(金属の板)の代わりにスプリングを使います(複数本使うこともあります)。

小さいパーツで制作できるため、ギターアンプなどによく搭載されていますが、音楽スタジオ用のスプリングリバーブ専用タンク(大きいサイズ)もあります。

スプリングリバーブタンクの中身

スプリングリバーブとは
https://theproaudiofiles.com/spring-reverb/

スプリングリバーブのユニット

スプリングリバーブとは
https://sound-au.com/project203.htm

スプリングリバーブのタンク

スプリングリバーブとは
http://rerun-electronics.com/?cat=9

Spring(スプリングリバーブ)のおすすめの使い方

音にヴィンテージ感や雷鳴のような響きを出したいときにおすすめです。

Dick Dale「Miserlou」(ギターに注目)

MISIRLOU - Dick Dale

The Congos「Can't Come In」(パーカッションに注目)

The Congos - Heart Of The Congos - 06 - Can't Come In

おすすめのSpring(スプリングリバーブ)プラグイン

その他、記事一番最後にご紹介するプラグインでもスプリングリバーブが使えます。

SpringとPlateの違いと使い分け方

スプリングリバーブとプレートリバーブは、どちらも金属音のようなサウンドが特徴で、リバーブのディケイタイムが長いのも共通しています。

しかし、どちらかというとプレートリバーブの方が「濃密でリッチ」、スプリングリバーブの方が「薄くてバネのような跳ね返り」があると言えます。

https://theproaudiofiles.com/spring-reverb/

おすすめのリバーブプラグイン(複数タイプ入り)

1つのプラグインで、今回ご紹介したさまざまなタイプのリバーブが使える製品もあります。

それぞれリバーブのカラー(テイスト、質感)が異なりますので、ぜひお気に入りの製品を探してみてください。

Fabfilter社「Pro-R2」

Introduction to FabFilter Pro-R 2

とても見やすくわかりやすいデザインが魅力的なリバーブプラグインです。

ジャンルを問わず、さまざまなタイプのリバーブを使うことができます。

Waves社「Renaissance Reverb」

Reverb Mixing Tips: Sculpting with Waves R-Verb

Waves社の「Renaissance Reverb」は、シンプルで見やすいデザインでありながら、自分好みのリバーブにするためのパラメーターも充実しているプラグインです。

単体でも購入できますが、Waves社の人気バンドル「Gold」「Platinum」「Diamond」に同梱されているため、バンドルで購入した方が圧倒的にお得です。
Gold→Platinum→Diamondの順で値段が安く、Goldが一番プラグイン数が少ないですが、初心者であればこれだけでも十分です。

Waves社「Gold」を購入する(サウンドハウス) Waves社「Platinum」を購入する(サウンドハウス) Waves社「Diamond」を購入する(サウンドハウス)

Sonnox社「Oxford Reverb」

#shorts How to use Oxford Reverb by @Sonnox !

老舗のリバーブプラグインです。

120以上のプリセットが収録されており、ジャンルを問わずいつでも使うことができます。

Eventide社「Blackhole」

Review - Blackhole By Eventide

名前の通り、ブラックホールに吸い込まれたような壮大でミステリアスなリバーブも作ることができるプラグインです。

プリセットも充実しており、50以上のプリセットが使えます。

LiquidSonics社「SEVENTH HEAVEN」

Review - Seventh Heaven Reverb Plug ins By LiquidSonics

重厚感のあるサウンドが特徴的なリバーブプラグインです。

初心者向けの「Standard」と、使えるパラメーターが増えた中級者以上向けの「Professional」があります。

もっとリバーブを使いこなせるようになるには?

当サイトでは、他にもリバーブに関するさまざまなテクニックをご紹介しています。

ぜひこちらもご覧ください↓

参考:https://www.sweetwater.com/insync/5-types-of-reverb-explained-hall-chamber-room-plate-and-spring/


人気記事

1

今回は、DTMにおすすめのコンパクトなスピーカーを5つご紹介します。いずれも小さな机で手軽に使える上に、値段もお手頃で数万円程度で購入できます。世界的なプロも愛用しているスピーカーもありますので、初心者の方も、本格的にDTMをしたい方もぜひチェックしてみてください!

2

世界的にヒットしている曲の構成はどうなってる?ヒット曲の公式はある?今回はこのような疑問にお答えします。「曲を作るときはこれを使え!」と言うほど、多くの世界的ヒット曲に使われている楽曲構成をご紹介します。主に洋楽に使われている構成ですので、特に「世界中で自分の曲を聞いてもらいたい」という方はぜひ実践してみてください。

3

今回は、Fabfilter社が解説する「Fabfilter Pro-Q4の使い方」をまとめました。前作のPro-Q3からさらにバージョンアップしたPro-Q4の新機能について、具体的な操作方法も含めてご紹介します。

4

当サイトのnoteアカウントにて「楽曲のサビ・Aメロ・Bメロ・Cメロ・ポストコーラス・イントロ&アウトロの作り方」をそれぞれアップしました。 「曲を作るときに何から始めたらいいかわからない」「 ...

5

今回は、DTMでおすすめのオーケストラ系楽器がすべて使える音源をまとめました。1つ購入するだけで弦楽器・金管楽器・木管楽器・打楽器すべてが揃うだけでなく、世界中のプロが愛用する高品質の製品ばかりですので、まだお持ちでない方はぜひチェックしてみてください。

6

今回は低音域の吸音が重要な理由をまとめました。200Hzの低音域は部屋でどのように鳴り、人間の耳にはどのように聞こえ、それが映画や音楽を楽しむときにどう影響するのか、どのような吸音材を選べばいいのか、おすすめの吸音材もまとめてご紹介します。

7

今回は、ダンスミュージックなどでよく使われるColor Bass(カラーベース)を作るときにおすすめのプラグインを3つご紹介します。Color Bassはキラキラと異世界感のあるサウンドが特徴です。この記事では、誰でも手軽に自分の理想のColor Bassを作るのにおすすめのプラグインをご紹介します。

8

今回は「音楽制作用にパソコンのパフォーマンスを最適化する方法」をまとめました。映像音楽制作などで何百トラックも扱っていても、DAWの動作が遅くならない方法があります。しかもこの記事でご紹介する方法は「すべて無料で実践できる上に、最低20%はCPU負荷を削減できる方法」です。ぜひお試しください。

9

今回は「FLUX:: Pure Analyzer Systemの使い方」をまとめました。このプラグインは、世界中の音楽プロデューサー・DTMerに愛用されているアナライザープラグインです。とてもキレイな見た目をしていますが、いったいどのようなプラグインで、どのように活用すればいいのでしょうか?

10

今回はChris Selimが解説する「Pultec EQの使い方」をまとめました。DTMにおいて「有名なEQ」としてよく名前が挙げられるのが「Pultec EQ」です。この記事では、なぜこのEQは世界中のDTMerに愛されているのか、その魅力と使い方を解説していきます。

-ミキシングのコツ, 用語解説