DTMでブラス(金管楽器)の打ち込みをリアルにする方法5つ
- 2025.05.16
- 2025.05.07
- アレンジ・打ち込み

今回は、音楽プロデューサーのxJ-Willが解説する「あなたの打ち込みブラスがリアルに聞こえない理由」をまとめました。
ブラス(金管楽器)はジャンルを問わず使われますが、いざ打ち込みをしようとするとリアルに聞かせるのが難しい楽器です。
この記事では、どのようにすればブラスが本物のように聞こえるようになるのか、そのコツを5つ解説します。
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ブラス(金管楽器)の打ち込みをリアルにする方法5つ
ブラス(金管楽器)の打ち込みをリアルにするコツは、こちらの5つです。
・アーティキュレーションを変える
・ステレオワイドニングツールを活用する
・エクスプレッションとダイナミクスを調整する
・リバーブを使う
これらのコツを使うと、安っぽいブラスもリアルで迫力のあるブラスに変身させることができます。
今回は、Bruno Marsのヒット曲「Uptown Funk」のサビに出てくるブラスセクションを再現しながら、これらのコツを1つずつ解説していきます。
ブラス打ち込みのコツ1.レイヤーする
ブラスを打ち込むときは、単音(1パートのみ)ではなく、たくさん重ねてレイヤーすることが大切です。

例えば、Native Instruments社の「Session Horns」を使ったこちらのトランペットの音をお聞きください。
機械的で、とてもつまらないサウンドになっています。
ちなみにMIDIはこのように打ち込んでいます。

なぜこんなにリアルに聞こえないのかと言うと、まず挙げられるのは「レイヤーをしていないから」です。
そのため、たくさん音源を重ねていきます。

今回は、Native Instruments社「Session Horns」のトランペットパートに加え、Big Fish Audio社「Vintage Horns2」、Orchestra Tools社「Glory Days」の音源を重ねています。
こちらのブラス音源のリンクは、記事の最後にまとめて記載しています
Burno Marsの「Uptown Funk」のようなサウンドにしたいのであれば、最低でもトランペット2本、サックス1本、トロンボーン2本があるとよいでしょう。
トロンボーンのように音程が低い楽器は、1本だと聞こえにくいので2本以上あると聞こえやすくなります
MIDIを一切変えずに、音源をレイヤーするだけでサウンドに変わります。
音源をレイヤーしただけで、大きく変わりました。
しかし、これではまだ「Uptown Funk」のようには聞こえません。
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ブラス打ち込みのコツ2.アーティキュレーションを変える
Bruno Marsの「Uptown Funk」のサビを聴くと、ブラスはもっとタイトではっきり聞こえます。
そこで、ブラスをレイヤーをしたあとはアーティキュレーションを調整します。
ブラス音源では「レガート」「スタッカート」などアーティキュレーションを変更できることが多いので、キースイッチ機能などを使いながら変更します。
音源によってアーティキュレーションの調整方法は異なります。
ご不明の方は「音源名 アーティキュレーション」などで検索してみましょう。
必要であれば、オクターブ上下のレイヤーも足してもOKです。
キースイッチを使ってブラスのアーティキュレーションを変えるコツ
音源によっては、MIDIを使ってアーティキュレーションを変更できるキースイッチ機能が搭載されていることがあります。
「C0を同時に打ち込むとレガート」「D1を同時に打ち込むとスタッカート」など
基本的には鍵盤のうち非常に低い音域か、非常に高い音域を使うことが多いです。
このとき、1音1音のアーティキュレーションをしっかり操作したいのであれば、打ち込んだMIDIノートをそのままコピペして使うと便利です。

音を鳴らすためのMIDIノートをそのままコピペして使えば、キースイッチ用に新しくMIDIを打ち込み直さずに済みます。
ブラス打ち込みのコツ3.ステレオワイドニングツールを活用する

ステレオワイドニングツールを活用すると、さらにリアルなブラスに聞こえます。
そもそも「ステレオワイドニングツール」とは、1つの音を左右2つの音に分割し、片方(もしくは両方)のタイミングや音程をほんの少しだけズラし、より左右に広がりがあるように聞かせるツールです。
つまり人工的に音にズレを加えるプラグインなのですが、これはブラスのように人間が生演奏している質感を出したいときに使えます。
なぜなら、どんなプロのプレイヤーでも、全員が必ずすべての音のタイミング・音程を完璧に演奏しているわけではないからです。
「ちょっとズレた人間らしい感じ」を出すためにも、ステレオワイドニングツールは有効です。
今回使うステレオワイドニングツールは、soundtoys社「MicroShift」です。
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ブラス打ち込みのコツ4.エクスプレッションとダイナミクスを調整する
よりリアルに聞かせるには、1音1音の演奏の揺れや音の強さを調整することが大切です。
例えばすべての音を全く同じ強さで演奏するのではなく、ベロシティーを少しだけ変えたり、クレッシェンドさせたりしてみましょう。
ブラス打ち込みのコツ5.リバーブを使う
さまざまな音源を使ってレイヤーをしたあと、同じリバーブを使うとまるで同じ部屋で一緒に演奏しているように聞かせることができます。
おすすめのリバーブの種類はプレートリバーブ(Plate Reverb)です
これにプラス、Panを±10〜20ぐらい動かすと広がりが出ます。
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その他微調整(EQ、サチュレーション、リバーブ、コンプレッサー)
その他、必要であれば、出過ぎた中音域や低音域をEQで減らすとよいでしょう。
また、少しだけサチュレーションを使ったり、明るさを加えるためのリバーブを加えたり、音をタイトにするためにコンプレッサーを使うのもよいでしょう。
使いすぎると音がキツくなってしまうことがあるので、注意してください
今回の解説で使ったブラス音源とプラグイン
最後に、今回の解説で使ったブラス音源とプラグインをまとめてご紹介します。
今回の解説で使ったブラス音源
Native Instruments社「Session Horns」
単品でも購入できますが、「KOMPLETEシリーズ」を購入した方が圧倒的にお得です。
「KOMPLETE Standard」「KOMPLETE Ultimate」「KOMPLETE Collector’s Edition」に同梱されています。
初心者〜中級者向け「Komplete Standard」
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中級者〜上級者向け「Komplete Ultimate」
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たくさん音源が欲しい人向け「Komplete Collector’s Edition」
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Big Fish Audio社「Vintage Horns2」
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Orchestra Tools社「Glory Days」
今回の解説で使ったその他プラグイン
soundtoys社「MicroShift」「Decapitator」
soundtoys社の製品はバンドルで一括購入ができるので、よりお得に購入したい方はこちらのリンクをご利用ください↓
Slate Digital社「Fresh Air」(高音域強化)
こちらのプラグインは無料でダウンロードできます。
Native Instruments社「Supercharger GT」(コンプレッサー)
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