音楽理論

【作曲】7つのモードを作曲に使う方法【モードとは?】

ドリアンとかフリジアンとかモードがあるみたいだけど、これって何?
作曲ではどう使えばいいの?

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

Songwriting Tips: How to use the 7 Modes in your Songwriting!

数々の音楽教育を行なっているMusicians Inspiredが教える「7つのモードを作曲で使う方法」をまとめました。

モードの存在はなんとなく聞いたことがあるけど、実際にどうやって使えばいいかわからない…そもそもモードが何なのかわからない…

このような方向けの内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

はじめに:モードって難しい?

今回は、「モード」「モーダルインターチェンジ(Modal Interchange)」について解説してきます。

なんだか小難しく聞こえますが、そんなことはありませんのでご安心ください。

そもそも「モード」とは?

モードって難しい

おそらくみなさんは、「メジャースケール」「マイナースケール」という、2つの「モード」があることはご存知でしょう。

Cメジャースケールは「C D E F G A B C」で、Cマイナースケールは「C D Eb F G Ab Bb C」です。

「えっ、メジャースケールとかマイナースケールってモードなの?」

と思った方、そうです。これもある意味モードと言えるのです!

雰囲気別の「モード」

モードというのは、基本的にはスケールのことです。

メジャースケールとマイナースケールの違いは、おそらくこんな感じでしょう。

メジャースケール:明るい・幸せな感じ
マイナースケール:暗い・悲しい感じ

このような感情・雰囲気の違いを把握した上で、多くの作曲家はこれらを使い分けています。

曲の明るさの「パレット」

実はこれ以外にも、5つのモードがあります。

そしてそれらはいずれも、また違った明るさや雰囲気があります。

「メジャー・マイナースケール以外で作曲をする」ということが不思議に思えるかもしれませんが、「違う絵の具のパレットを使って絵を描いていく」という感覚と同じです。

各モードの解説

それではここからは、この他5つのモードをそれぞれ見ていきます。

画像:動画より

モードを明るい順に一通り弾いてみると、こうなります。

5:02~5:24

Songwriting Tips: How to use the 7 Modes in your Songwriting!

アイオニアンモード(メジャースケール)

アイオニアンモードは、いわゆるみなさんご存知の「メジャースケール」です。

Cアイオニアン:C D E F G A B

リディアンモード

リディアンモードは、アイオニアンモードよりも明るい印象のあるモードです。

このモードでは、スケール上の4thの音にシャープをつけます。

Cリディアン:C D E F# G A B

ミクソリディアンモード

ミクソリディアンモードは、メジャースケールよりも少し暗い感じがするモードです。

スケール上の7thの音にフラットをつけます。

Cミクソリディアン:C D E F G A Bb

ドリアンモード

ドリアンモードは、ミクソリディアンスケールよりもさらに暗い感じがするモードです。

スケール上の3rdと7thの音にフラットをつけます。

Cドリアン:C D Eb F G A Bb

エオリアンモード(マイナーキー)

エオリアンモードは、みなさんご存知「マイナーキー」です。

スケール上の3rd・6th・7thの音にフラットをつけます。

Cエオリアン:C D Eb F G Ab Bb

冒頭でご紹介したCマイナーキーも「C D Eb F G Ab Bb」という並びです。

フリジアンモード

フリジアンモードは、スケール上の2nd・3rd・6th・7thの音にフラットをつけます。

Cフリジアン:C Db Eb F G Ab Bb

ロクリアンモード

ロクリアンモードは、モードの中で最も暗い印象のあるモードです。

スケール上の2nd・3rd・5th・6th・7thの音にフラットをつけます。

Cロクリアン:C Db Eb F Gb Ab Bb

「音楽的な明るさ」のグラデーション

「音楽的な明るさ」のグラデーション

ご覧いただいたように、モードは明るいものから暗いものまで、たくさんの種類があります。

まさに、「音楽的なグラデーション」と言えるでしょう。

多くの方は「メジャースケールとマイナースケール」のように2つしか使えないと思っているかもしれませんが、自分が表現したい曲の明るさに合っている別のモードを使ってもいいわけです。

CメジャースケールとCアイオニアンスケールの違いって何?

「Cメジャースケール」と「Cアイオニアンスケール」の違いは何なんだろう?

どちらも「CDEFGAB」を使うスケールなので、こう思った方もいらっしゃるかもしれません。

こちらについては「調性音楽とモードの違い」に関わってきます。

厳密な違いについては、こちらで解説しています↓

関連記事

作曲でよく使われるモード

作曲でよく使われるモード

メジャースケールとマイナースケール、つまりアイオニアンモードとエオリアンモード以外のモードでよく使われるのは、ドリアン、フリジアン、リディアン、ミクソリディアンです。

ロクリアンはほぼ使われず、使われるのはジャズぐらいで、ポップミュージックではほぼ使われません。

フリジアンはその次にレアなモードです。

借用コードとモーダルインターチェンジ

作曲でよく使われるモード

コード進行や音楽理論を勉強したことのある方は「借用コード」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

これは他のモードから借りてくるコードのことを指し、この「他のモードからコードを借りてくる」ということを「モーダルインターチェンジ」といいます。
(こちらについては後ほど解説します)

モードは「使っている7つの音がそれぞれ違う」ということ以外にも、「使っている7つのコードがそれぞれ違う」という違いがあります。

スケールで使っている音が違うので、使うコードもまた違ってくるわけですね。

コードの違い

作曲でよく使われるモード

たとえば、アイオニアンモードではこれらのコードを使います。

スケール:1 2 3 4 5 6 7
コード:IM7 IIm7 IIIm7 IVM7 V7 VIm7 VII7(b5)

対して、ドリアンモードの場合はこちら。

スケール:1 2 b3 4 5 6 7b
コード:Im7 IIm7 bIIIM7 IV7 Vm7 VIm7(b5) bVIIM7

3rdと7thにフラットがつくことにより、使うコードも変化していることがわかります。

たとえばCドリアンモードの場合、3rdのEに対してフラットがつきます。

そのため、このように変化します。

CアイオニアンにおけるIM7:C E G Bb
CドリアンにおけるIm7:C Eb G Bb

CアイオニアンにおけるIIIm7:E G B D
CドリアンにおけるbIIIM7:Eb G Bb D

こちらが一覧表です。

作曲でよく使われるモード
画像:動画より

借用コードとモーダルインターチェンジを使ってみよう

作曲でよく使われるモード

さて、このコードの違いを理解したあとは、借用コードとモーダルインターチェンジを実際に使ってみましょう。

たとえば「Cメジャースケールで曲を作っているとき、他のモードから5thのコードを借りてくる」といったことができます。

もしドリアンモードから5thのコードを借りてきた場合は、V7ではなくVm7コードを代わりに使えます。

「さらにテクニックが知りたい!」「コード進行をもっと面白くしたい!」という方は、こちらにさらに詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください↓


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