今回は、Spliceが解説する「自宅の音響を整える方法」をまとめました。
スピーカーを使ってDTMをしている音楽のプロが必ず行っているのが、部屋の音響を整えることです。
プロ用の吸音材や拡散材などを使うと非常に効果的ですが、質がいい製品ほど値段が高く、数万〜数十万円する製品も少なくありません。
そこでこの記事では、できるだけ安価に音響を整える方法を3つご紹介していきます。
無料で部屋の音響を整える方法
実は、お金を一切かけずに部屋の音響を整える方法があります。
「スピーカーを正しい位置に置くこと」と「家具の置き場所を工夫すること」の2つです。
無料で音響を整える方法1.スピーカーを正しい位置に置く

どんなにいいスピーカーを使っていても、スピーカーを正しい位置に置けていないと音が変に聞こえてしまうことがあります。
例えばスピーカーと壁の距離が近すぎると、反響音が大きくなりやすいです。
反響音が大きいと、スピーカーから出た音(直接音)と反響音が混じってしまい、音をクリアに聴くことができません。
おすすめの設置方法
- 最低でも壁から30cm以上離してスピーカーを置く
- 自分とスピーカー2本を線で結ぶと正三角形になるようにする
- 部屋が長方形の場合は、長さが短い方の壁に向かって机を置く
(イスに座ったとき、短い方の壁を向いている状態にする)
スピーカーの正しい置き方については、こちらの記事で詳しく解説しています↓
無料で音響を整える方法2.家具の置き場所を工夫する
布製品は、吸音材にもなります。
そのため、ブランケットや布団、クッション、カーテン、カーペット、ぬいぐるみなどを部屋に置いてみましょう。
平らで硬い壁・窓・床・天井は音を反射しやすいので、そのような場所を埋めるように布製品を置くのがおすすめです。


日本では遮音・防音カーテンも販売されていますので、ぜひこちらもご利用ください。



DIYで拡散材(拡散パネル)を作る方法
自分で拡散材を作り、壁に設置することもできます。
平らな壁や天井に音が跳ね返ると、特定の方向に向かって音が反射しやすいため、特定の音域だけが強く聞こえてしまうことがあります。
そのため、拡散剤を使って壁をでこぼこにし、音をできるだけさまざまな方向に拡散させるようにすることが大切です。
例えば、異なる長さの角材を並べたスカイラインという拡散材はDIYしやすいタイプです。
ただ適当な長さの角材を並べればいいわけではないのですが、専用の計算機もありますので、こちらを利用するのがおすすめです。

Calculate a Two-Dimensional Primitive Root Diffuser
例えば「Culculate a Two-Dimentional Primitive Root Diffuer」というサイトでは、角材の高さの最低単位、角材の幅、拡散させたい周波数帯域、角材の個数(タテ・ヨコ)などを入力すると、どの高さの角材をどのように並べればよいのかが表示されます。
スカイライン(拡散材)のDIY参考動画・記事
拡散材はインテリアとしても使えるので、ぜひお試しください。
自分の部屋・スピーカーに最適の音響を作るソフト
吸音材を買ったり作ったりする余裕がない方もいるでしょう。
そのような方におすすめなのが、Sonarworksの「SoundID Reference」というソフトウェアです。
このソフトは、自分の部屋の音響を専用マイクで録音・測定し、プロが使うような高性能のスピーカーの鳴り方に自動調整してくれる製品です。
低音域が鳴りにくいスピーカーを使っているときは低音域を増やして再生されるようにしたり、高音域が不必要に鳴ってしまうスピーカーを使っているときは高音域を抑えて再生されるようになります。
スピーカーだけでなくヘッドホンにも使えますので、まだお持ちでない方はぜひお試しください。
SoundID Referenceの魅力と使い方はこちらの記事で解説しています↓
10万円以内で買えるおすすめの吸音材・拡散材
最後に、吸音材・拡散材の中でも比較的安価なおすすめ製品をご紹介します。
はじめは「低音域専用のベーストラップだけ」でも十分効果がありますので、ぜひご予算に応じて設置してみてください。

