ボーカル・楽器演奏

【ドラム】スネアのヘッド5種類の特徴を比較解説!

Snare Drumhead Comparison | Finding Your Own Drum Sound

今回は、ArtOfDrummingが解説する「ドラムヘッド比較」をまとめました。

ドラムに使われるスネアは、打面=ヘッドによって音が大きく変わります。

ここでは、スネア用ヘッドの中でも特に有名なヘッドを実際に使いながら、その特徴を解説していきます。
※すべてGretsch社のソリッド・アルミスネアを使用し、ヘッドのチューニングはすべて統一し、ヘッドだけを変更して演奏しています

スネアのヘッド5種類の特徴

はじめに、今回解説するスネアのヘッド5種類の特徴をまとめてご紹介します。

シングルプライ

フィルム1枚で作られており、明るい音が出やすい

ダブルプライ

フィルム2枚で作られており、重みがある音で耐久性が高い

コーティングヘッド・クリアヘッド

コーティングは丸く倍音が抑えられ、クリアは倍音が多く響きが長い

コントロール(ブラックドット)

倍音を出すことも抑えることもでき、パンチがあり、耐久性が高い

ピンストライプ

倍音が抑えられ、耐久性がありパンチのある音が出やすい

それではここからは、これら5種類のヘッドを1つずつ解説していきます。

スネアヘッドの選び方と特徴1.シングルプライ

はじめにご紹介するのは、「シングルプライ」というタイプのヘッドです。

プライ(Ply)とはヘッドに使われるフィルムの層のことで、シングルプライの場合はフィルムが1枚(1層)になっています。

フィルム1枚あたりの薄さにはそれぞれ「ディプロマット」「アンバサダー」「エンペラー」という名前がついています。

ディプロマット:薄め(1プライ約0.7ミル=約0.01778 ミリ)

アンバサダー:中ぐらいの薄さ(1プライ約1ミル=約0.0254 ミリ)

エンペラー:厚め(1プライ約1.4ミル=約0.03556 ミリ)

シングルプライのヘッドは明るい音が出やすいので、強く叩かなくても明るくオープンな印象にすることができます。

そのため、ジャズやポップロックなどに向いています。

シングルプライのドラムヘッドを使った演奏 1:42~1:54

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スネアヘッドの選び方と特徴2.コーティングヘッド・クリアヘッド

ドラムヘッドは、文字通りヘッドがコーティングされた「コーティングヘッド」と、コーティングされていない「クリアヘッド」の2種類に分けることができます。

コーティングヘッド

  • ヘッドが白or黒色になっていることが多い
  • 音が響きにくいため、温かみのある音が出やすい

クリアヘッド

  • ヘッドが透明でシェルの中が透けて見える
  • アタック(パンチ)が強く、倍音も多く含まれる

一般的には温かみのある音が求められることが多いため、コーティングヘッドの方が多く使われる傾向にあります。

また、ジャズでよく見られるドラムブラシを使う場合、ヘッドとの摩擦がないとブラシの音が出ないため、ブラシを使う場合はコーティングの方がよいでしょう。

コーティングヘッド・クリアヘッドの比較 2:40~2:52

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スネアヘッドの選び方と特徴3.ダブルプライ

次にご紹介するのは、「ダブルプライ」というタイプのヘッドです。

ダブルプライはヘッドのフィルムが2層になっており、全体に厚みがあるため、低音域が出やすく倍音はシングルプライに比べて少し少なめです。

ダブルプライの魅力は、シングルプライに比べて厚いので耐久性が高いことです。

そのため、ロックやメタルなど激しく叩くジャンルに向いています。

ダブルプライのドラムヘッドを使った演奏 3:49~4:01

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スネアヘッドの選び方と特徴4.コントロール(ブラックドット)

次にご紹介するのは、「コントロール」というタイプのヘッドです。

https://youtu.be/Xv36rWmogME?si=FDtGRRPF2UxXEuDc

名前の通りヘッドの中心に黒い円形のフィルム(ブラックドット)が張られているタイプで、余分な倍音がカットしやすく、耐久性も高いです。

フィルムが貼られているのは中心部分だけなので、外側(リム側)を叩くと倍音をしっかり出すことができます。

そのため、耐久性が高く倍音もしっかり出したいときにおすすめです。

ブラックドットのドラムヘッドを使った演奏 4:53~5:05

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スネアヘッドの選び方と特徴5.パワーストローク

次にご紹介するのは、「パワーストローク(PowerStroke)」というタイプのヘッドです。

https://youtu.be/Xv36rWmogME?si=FDtGRRPF2UxXEuDc

例えば REMO社の「PowerStroke 3」というヘッドの裏を見てみると、フチの部分に薄いフィルム=リングミュートが付いています。

このようにリングミュートが内蔵されているドラムヘッドは音の響き(サステイン、長さ)が短くなるので、パッと音が止まるようなずっしり重いサウンドを作るのに向いています。

リングミュートのドラムヘッドを使った演奏 5:51~6:02

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ちなみに、スネアの上に置いて使う「リングマフラー(ミュートリング)」というアイテムもあります。

いつでも取り外しができるので便利です。

スネアヘッドの選び方と特徴5.ピンストライプ

次にご紹介するのは、「ピンストライプ(PinStripe)」というタイプのヘッドです。

外周の少し内側に黒い輪っかがあるのが特徴的です。

これは「ダンプニングエージェント」と言って、少しだけ倍音を抑えるコーティングです。

このヘッドはダブルプライなので、2つのプライ(層)の間にダンプニングエージェントのコーティングを施しています。

ダブルプライで倍音を抑えるので、耐久性とパンチのあるサウンドが欲しいときにおすすめです。

ピンストライプのドラムヘッドを使った演奏 6:45~6:59

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5種類のスネアヘッドを一気に比較!

それでは最後に、今回ご紹介した5種類のスネアヘッドをまとめて比較してみましょう。

7:00~7:40

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今回は同じシェル(本体)、同じチューニング(ピッチ)、同じスティック、同じマイクを使って録音していますので、ヘッドだけでこれだけ大きな違いがあることに驚いた方も多いでしょう。

ここで解説した特徴を参考にしながら、ぜひお気に入りのヘッドを見つけてみてください。


以上が「スネアのヘッド5種類の特徴」でした。

当サイトでは他にもドラムのレコーディングや歴史についてまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください🔻


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